関西のたたかいの中から 会計年度任用職員制度反対で集会

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0344号16/01)(2018/11/01)

関西のたたかいの中から!
会計年度任用職員制度絶対反対で関西集会

(写真 10月8日会計年度任用職員制度に反対する自治体労働者交流集会)

改憲阻止の自治労・教労決戦へ!

 10月8日、関西労組交流センター自治体労働者部会が主催する「会計年度任用職員制度に反対する自治体労働者交流集会」が大阪市内で開催されました。関西の自治体労働者を中心に40人が参加し、制度導入の強行をもくろむ自治体当局、その推進者となる体制内労働組合幹部と徹底対決する討論がまきおこりました。

■「攻めの闘い」を打ち出す

 会計年度任用職員制度の導入の背景、制度の概要と核心的な狙いなどについて部会事務局からの提起を受けて、大阪市職の赤田由行さんが基調報告を行いました。
 赤田さんは、制度導入が自治体労働者の総非正規職化、解雇自由、組合破壊を狙うものであることをきっぱりと暴露しました。それは、総務省「自治体戦略2040構想」による職員2分の1化=自治体解体攻撃の中に位置づけられるものであり、破たんした道州制攻撃のまきなおしであり、橋下を打倒したうえでの労働組合をめぐる本格的攻防となると強調しました。
 「総務省2040戦略」にもとづいて第32次地制調がすでに始動しており、「フルセット主義を排し」「都道府県・市町村の二層制を柔軟化」「複数市町村の『圏域』化」法制がたくらまれています。
 自民党総裁選や沖縄県知事選でぐらぐらになった安倍政権打倒へ自治労・教労決戦の大爆発で突き進む時であること、制度導入は改憲阻止を掲げる自治体労組を解体する攻撃であり、「非正規職の処遇改善が制度構築の目的」と言う体制内労組幹部に対し、制度導入絶対反対で闘おうと訴えました。
 部会事務局からは、会計年度任用職員制度導入について、総務省事務処理マニュアルなどの支配階級の論理と破綻、自治労大会・単組大会で体制内がうちだした屈服・推進の論理と破綻を暴き出しました。
 例えば、8月の自治労大会で大阪府本の代議員(臨時非常勤全国協副議長)は、「『導入により正規の賃金下がる』『正規が会計年度任用職員に置き換えられる』『正規採用が抑制される』などの間違った受けとめがある。制度構築の目的は非正規処遇改善であることをしっかり受けとめてほしい」と発言しています。
 まさに全国の自治体労働者は、会計年度任用職員制度は「賃下げ」であり「正規の非正規化、総非正規化」であることをただちに見ぬいて、制度への不安・不信・疑問・怒りが急速に拡大しています。これに対して自治労本部が大阪府本をおしたてて「非正規の処遇改善なのだから文句を言うな」と必死にふれまわっているのです。
 また仙台市職大会では、会計年度任用職員制度反対を訴える発言に対して「制度は毒かもしれないが、毒を薄めて飲むしかない」などと答弁しています。

■反撃の確信ふかめた討論

 討論では、関西各地の自治体労働者・教育労働者が次々と発言し、制度への批判と反撃の核心点が共有されました。
 ○奈良「制度導入は労働組合をなくす攻撃。既に評価によって非正規職を解雇するなど、現業破壊を含め自治体で労働組合法適用労働者の存在をつぶす攻撃だ。当局は闘いを恐れて、いまだに制度導入について労働組合に全く示してこない」
 ○京都「非正規職を立ち上がらせないため、全自治体に一気に導入を迫るなど、焦りと危機感からの攻撃だ。非正規職への評価制度導入と毎年の試用期間設置は、いつでもクビに出来るようにして好きなようにこき使おうとする、常識では考えられない矛盾をはらんだ制度。労働者性の問題に行き着く」
 ○兵庫「全く動こうとしない単組がある一方、処遇改善を条件闘争でかちとろうと組織維持のために非正規職に取り入ろうとしている単組がある。戦争のための組合つぶしであり、非正規職の根本的な怒りがあることが絶対反対の闘いになる」
 ○大阪「AIの導入で自治体業務を破壊しようとするなど、改憲・戦争の攻撃は既に始まっている。学力テストで教員を評価するなど、敵のあせりからのでたらめな攻撃は労働者の怒りに火をつけるものだ」
 ○奈良の教育労働者「何かとんでもない攻撃が来ているということではない。非正規はこれまでも解雇攻撃を受ける中、闘いで雇用を継続させてきた。雇用形態でどれだけ分断しようと、正規も非正規も労働者はひとつだということこそ重要」「会計年度任用職員になると大変なのではない。具体的に今起こっていることとの闘いの中で旗を守りぬいていくことが重要。解雇撤回、評価制度絶対反対、今の個別の闘いに、戦争阻止と体制内幹部打倒の力がある」
 さらに多くの発言を受けて、最後に、豊中市職の深町加代子さんが「この闘いの中で正規と非正規の団結が生まれる。評価での解雇やパワハラとの対決など、具体的な攻防で攻撃の核心を明らかにして、現場の怒りと結びついている。闘う者をつぶす攻撃だという点をはっきりさせ、絶対反対の闘いで自治労本部との大決戦にしよう。改憲・戦争の時代の労組解体攻撃と対決し、ここでわれわれが旗を掲げ、全国の闘いへ突き進もう」とまとめを提起し、参加者全員で決戦に打って出ようと決意しました。

■自治労・教労こそ改憲阻止決戦の先頭に

 10・8集会に先立ち、関西では、9月25日に泉佐野市役所包囲行動、9月28日には大森君解雇一周年・京都府包囲行動、と「学力テストによる勤務評定」絶対反対・大阪市役所包囲行動を連続して闘いとってきました。
 大阪府庁・大阪市役所をいくども包囲した橋下打倒闘争、日教組奈良市の非正規解雇粉砕・奈良市役所前座り込み闘争などをひきついで、職場攻防を徹底的に闘いつつ、自治体・教労こそが改憲阻止の闘いの先頭に旗を立てた闘いに突入しています。
 11・4労働者集会・改憲阻止大行進の成功から、いよいよ自治体労働者・教育労働者が拠点を建設し強大な産別潮流をつくりだし、改憲阻止決戦の先頭で闘おう。