満腔の怒りで自衛隊内の性暴力事件を弾劾する! 防衛省申し入れ 東京女性部

(写真 10月20日、「改憲・戦争阻止!大行進」、全学連、在日ビルマ市民労働組合の仲間とともに防衛省に申し入れ抗議行動)

防衛省 防衛大臣 浜田靖一殿

申し入れ書

2022年10月20日

労働組合交流センター東京女性部

(1)満腔の怒りで自衛隊内の性暴力事件を弾劾する! 事件を隠蔽して作成した「はじめての防衛白書2」をただちに回収・廃棄せよ!

昨年8月、陸上自衛隊在職中に性暴力を受けた五ノ井里奈さんは、直後に被害を申告したが認められず、やむなく今年6月に実名で告発して事実の解明を迫りました。

一方、防衛省は、昨年に続いて今年7月に「はじめての防衛白書」第2版を作成、販売し、ネット上で現在も公開しています。そこでは中高生を記者として動員し、現職自衛官にインタビューさせる企画があり、女子中学生が女性自衛官を取材。「かっこよくて憧れる女性自衛官」というタイトルで、女性自衛官という職業をピーアールしているのです。

五ノ井さんの告発を1年間の長きにわたり無視して彼女を苦しめ、その最中に、この第2版を作成していたことの中に、今回の性暴力を隠蔽してなかったことにする防衛省の意図が見え見えではありませんか! 絶対に許せません。

この度、省として彼女に謝罪したのなら、当然にも第2版は廃棄されるべきです。セクハラと謝罪のマスコミ報道は子どもたちもみている。そんな中でこの第2版を子どもたちに読ませて恥ずかしくないのか!?

(2)危機を煽って南西諸島を戦場にするな!

かつて沖縄の米海兵隊員だったダグラス・ラミス氏によると、海兵隊では上官の命令で躊躇なく殺人を行うことが徹底して訓練されるそうです。かつての日本軍もそうでしたが、軍隊とは「人権」と隔絶した場所であり、「人間性」を失わなければ「戦争」はできないということなのです。

性暴力の背景には、人権や人間性の否定があります。今、対中国を想定して軍備を増強し、米軍などとの共同演習も激化する中で、自衛隊員の様相が海兵隊や日本軍のようになっているのではないかと懸念されます。

自衛隊員も労働者です。他国の労働者と殺し合わせてはなりません。実戦さながらの軍事演習で戦争を煽るな! 南西諸島へのミサイル配備反対! 辺野古新基地建設を中止せよ!

(3)軍事費2倍化に向けた来年度概算要求を弾劾する

防衛省の来年度概算要求は、過去最大の5兆5947億円とのことです。それに100項目を超える事項要求を加えると、「GDP比1%」の枠など無視し、完全に青天井化しています。

私たち女性部には、多くの医療労働者、介護・福祉労働者、保健所を含む自治体労働者がいますが、コロナ禍の中、命がけで働いてもほとんど賃上げはなく、ここ2年半のコロナ対策も、医療や介護労働者の人員増には「財政難」を理由に予算は使われずに来ました。だから、社会保障費を圧迫する軍事費2倍化は、到底容認できません。

労働者民衆の命を守っているのは「長距離ミサイル」や「空母」ではない、私たちだ!

以上