国鉄分割・民営化から27年

2019年7月31日

月刊『労働運動』26頁(0287号04面01)(2014/02/01)

国鉄分割・民営化から27年
 

 

(写真 動労千葉が最高裁へ抗議行動【1月22日】)

 東京・北海道・九州での2・16集会を成功させ、最高裁で解雇撤回を!
 1987年の国鉄分割・民営化で、7628人の国鉄労働者がJRに不採用となってから27年目になる2月16日、国鉄闘争全国運動は、東京・北海道・九州で集会を開催します。
 国鉄分割・民営化は不当労働行為であったと認めさせた動労千葉鉄建公団訴訟控訴審判決(9・25判決)が国鉄改革法そのものを打ち砕く闘いとして発展しています。
 2・16集会は国鉄闘争勝利に向けた決定的集会です。各地のアピールを掲載します。

「国鉄改革の真実」を暴き、10万筆の署名運動で最高裁を包囲しよう!

2・16東京集会に集まろう

 国鉄闘争全国運動事務局
 国鉄分割・民営化に反対する組合に所属する労働者を狙い撃ちにした事実上の「指名解雇」に対し、「解雇撤回・JR復帰」を掲げ、四半世紀を超える闘いが続いてきました。
 昨年9月25日、動労千葉の鉄建公団訴訟の控訴審において東京高裁の難波裁判長は、国鉄当局が動労千葉組合員を不利益に取り扱う目的・動機(不当労働行為意思)のもとに不採用基準を策定し、名簿から外したことを明確に認定しました。
 国鉄分割・民営化は不当労働行為であった―国鉄分割・民営化の核心を、地裁に引き続いて東京高裁に認定させたことの意義ははかり知れません。
 2010年の4・9政治和解をこえて闘いを継続する中で、ついに不当労働行為を明確に認定させたのです。これは決定的な地平です。国鉄闘争に心を寄せてきた全国の人びとにこのことを伝え、新たな闘いを呼びかけることが私たちの使命です。

国鉄改革法の核心に迫る攻防

 裁判内外で、国鉄改革法の核心に迫る攻防が続いています。
 難波裁判長は不当労働行為を認定する一方で、国鉄とJRは別法人であり、JRには「採用の自由」があり、仮に「採用候補者名簿」に原告の名が記載されていても「直ちに同社(JR)に採用されることを意味するものではない」と言い逃れをはかり、「解雇撤回・JR復帰」を拒否して500万円の慰謝料のみを命じました。
 JRの責任を回避し、国鉄改革法を正当化する一方で国鉄の不当労働行為を認定するという、矛盾に満ち満ちた判決の内容になっているのです。
 しかし現実の展開において、国鉄側が用意したとされる名簿記載者は全員例外なくJRに採用されています。「採用の自由」を言うならば、「そもそも国鉄改革法とは何だったのか」という話になります。
 国鉄分割・民営化とは、国鉄とは別の新会社(JR)を設立するという「仮象」によって2人に1人の国鉄労働者を職場から追放する史上空前の整理解雇でした。この希代の大陰謀を〝合法化〟するために国鉄改革法は制定されました。
 そこでは採用をめぐる国鉄と新会社であるJRの権限を分けるという「虚構」を作ったのです。JRに責任が及ばない二重三重の仕組みです。〈名簿を作成したのは旧国鉄だ。JRは名簿に記載されている労働者を全員採用した。だから仮に国鉄に責任が及ぶことはあってもJRは関係ない〉と言い逃れを続けてきたのです。
 難波裁判長がいうように「採用の自由」を真正面から主張するのならば、そもそもJRが解雇の張本人ということになります。JRや自民党でさえ言えないことを裁判所が言い始めたのです。国鉄改革法は全面崩壊に直面しているのです。
 他方、動労千葉と弁護団はこの裁判の過程で、井手や葛西ら国鉄幹部とJR設立委員長である斎藤英四郎(経団連会長)が一緒に相談して不採用基準を作成し、その場に運輸事務次官も居合わせたという決定的な事実を明らかにしました(『国鉄改革前後の労務政策の内幕』)。
 これまで〝説明〟され、国鉄改革法で〝正当化・合法化〟してきたことは、事実の問題としてまったくウソであり虚構であったことを当事者である井手自身が「証言」しているのです。
 この裁判は、地裁において「動労千葉組合員12人は、当初は採用名簿に記載されており、葛西によって排除された」(伊藤証言)ことを明らかにさせ、「名簿不記載基準が策定されなければ、名簿に記載されてJRに採用されていたはず」という判決を出させました。
 続く控訴審において高裁・難波裁判長は、不当労働行為を文言としても明確に判決に書かざるを得ず、国鉄改革法の矛盾を全面的にさらけだす判決を強制されたのです。

10万筆署名で最高裁を包囲

 国鉄改革法を粉砕する闘いは、完全に核心に迫りつつあります。ボクシングに例えるならば、固いガードを崩して敵はノーガード状態。後はクリーンヒットをお見舞いできればノックアウトできるところに来ています。国鉄改革の真実は暴かれ、国鉄改革法は丸裸になりつつあります。
 結局、国鉄分割・民営化とは、労働組合を解体し、20万人もの労働者を職場から追放するために、新会社JRをデッチあげ、国鉄を偽装倒産させたにすぎないのです。文字通り大陰謀であり、不当労働行為そのものなのです。一片の正当性も正義もありません。それを「採用の自由」などで正当化させることはできません。
 「採用の自由」論は何重もの意味でペテンです。そもそもデッチあげ会社が「採用の自由」を言うことがインチキそのものであり、裁判所が言うように、国鉄側が不当労働行為を行ったのならば、それをJRが行えば不当労働行為となるのは当たり前です。
 地裁・高裁の闘いを通して、「国鉄改革法は粉砕できる。その可能性は充分ある」という気運が生まれました。国鉄闘争に関わってきた人びとが注目し、労働運動に志を持つ多くの人びとを励ましています。
 力関係は逆転しつつあります。これまでの裁判闘争は、国労が国鉄改革法を承認するか否かをめぐる攻防であり、重さがあったことも事実です。しかし、今回の裁判闘争の画期性は、国鉄改革法粉砕の可能性を押し広げながら闘われていることにあります。
 国鉄改革法と難波判決の根本矛盾を徹底追及し、国鉄とJRが共謀して、不採用基準と名簿の作成を行っていた「国鉄改革の真実」を暴いて、10万筆の署名を集めて、最高裁を包囲しよう。

新自由主義のすべてを覆す闘い

 JR北海道の現状は、国鉄分割・民営化が何をもたらしたのかを端的に示しています。JR北海道は、データ改ざん問題で5人の現場労働者を解雇しました。23歳の青年や定年間際の現場労働者を解雇したのです。20年以上、部署全体の75%でデータ改ざんが行われてきました。経営陣を先頭にJR北海道の根本矛盾を糊塗するために行ってきたことの責任を、現場労働者の犠牲でごまかすことなど断じて認められません!
 業務外注化における動労総連合の出向無効確認訴訟をめぐってJR東日本は「JR北海道のことは他社のことで関係ない」と言い放ち、偽装請負についても「しょせんは労働者派遣法違反の問題」と言ってはばかりません。
 JR北海道問題は断じて北海道だけの問題ではありません。まさしくJR東日本が外注化で進めている現実です。千葉鉄道サービスの清掃不正問題が端的に示しています。労働者をモノのように右から左に出向させて金儲けをするあり方を「しょせんは派遣法違反」などと平気で言わせ続けるわけにはいきません。
 国鉄分割・民営化、そして外注化や非正規雇用化をめぐって、国鉄闘争はすべての労働者の未来をかけた闘いになっています。韓国の鉄道労組の民営化反対の23日間のストライキもそれを示しています。
 あらためて国鉄闘争の再生・再構築をかけ、解雇撤回・JR復帰の最高裁判決をかちとる10万筆署名運動と、全国の職場・地域から民営化・外注化阻止、非正規職撤廃の闘いを作り出すことを訴え、2・16集会への結集を呼びかけます。

(写真 JR北海道のレール点検数値改ざん問題で、2人の現場労働者が懲戒解雇、3人が諭旨解雇など、75人が処分された【1月22日付朝日新聞】)

安全でないならJRは運行をとめろ! 不当労働行為なら解雇を撤回しろ!

2・16北海道集会へ

 国鉄闘争全国運動・北海道は、自交総連北海道地連(堀川委員長)と札幌圏連帯労組を中心に実行委員会を重ね2・16集会を準備しています。
 不当労働行為の認定は高裁判決でも不動で、「JRの採用の自由」で改革法23条は崩れました。JR・旧国鉄の一体性で突破口を開いたのは決定的です。葛西を出廷させて証拠文書を活かさなかった国労本部にはあきれます。不当労働行為による解雇は撤回あるのみ、裁判で負けても労働組合は闘いをやめないと上記2労組が運動の中心になっています。
 JR北海道は利潤優先・安全軽視だけではなく、レール異常データの改ざん、下請け業者からのリベートなどモラルまで崩壊しています。分割・民営化後の外注化の帰結です。大事故が心配で利用者が1割減、安全問題が北海道新聞の昨年道内10大ニュースの1位、新卒者の人気企業はJRが2位から8位に転落です。1月、2代目社長で現JR相談役の坂本氏の遺体が発見されました。中島社長(当時)自殺から2年半、闇は底なしです。
 労働組合の責任も重大です。分割・民営化にも外注化・非正規職化にも協力してきたJR総連は「A級戦犯」です。政治解決路線でJR・JR総連と闘わず、「4・9政治解決」後は御用組合に純化した国労も許せません。

あの日を忘れるな! 27年目の2・16

 実行委の議論の中心は訴える内容です。安全への関心は高いものの、青年の多くは「分割・民営化」どころか「国鉄」も知りません。道内の労働者はまだ国鉄闘争を覚えていますが、今後のために青年にも分かるものが求められます。道内の労組組織率は17%、組合員の多くも組合を頼らないのが現状。「労働組合潰し」を前提化せず、安全を切り口に団結の必要性、労働組合の再生を訴えようとなりました。
 160キロのレールを交換させた動労千葉、被曝労働拒否の動労水戸・国労郡山工場支部の闘いは決定的です。昨年8月、日刊動労千葉が25年も使ったエンジンで130キロ運転は無謀と主張した2日後、JRは減速を口走りました。昨春の自治労スト情勢では、当該は大幅賃下げで労組潰しが始まったと直感しました。動労千葉が国を相手に26年も闘って団結を守っているというビラで展望が見え、ストに向う抵抗闘争で団結が急速に回復していきました。国鉄決戦こそ労働組合再生の道だと確信します。
 集会名称はシンプルに「2・16北海道集会」、スローガンは「あの日を忘れるな! 27年目の『2・16』 国鉄労働者1047名の解雇撤回! 新10万筆署名で最高裁決戦に勝利しよう!」と「安全でないならJRは運行をとめろ! 不当労働行為なら解雇を撤回しろ!」。
 タクシー業界で企業体質を疑う事故があれば直ちに営業停止処分。国土交通省が「JRは公共性が高い」と運行を止めないのはおかしい。国とJRはグルだ! 許せん! ということです。集会で宣言文を採択し、国交省北海道運輸局鉄道部やJR北海道本社に抗議に行きます。労働運動全体を甦らせるべく2・16を闘います。