■ひめじょおん――女性部から3.11反原発福島行動に向けて

2019年7月31日

月刊『労働運動』26頁(0287号12面01)(2014/02/01)


 

■ひめじょおん――女性部から

3.11反原発福島行動に向けて
 

 

(写真 福島市で開催された「3・11反原発福島行動`13」)

ふくしま合同労組 藤井千賀子
 先日、知人が、東京の息子に「お母さん、もう福島には帰らないから」と宣言されたと涙ながらに話していました。原発事故以来、孫の顔を見る機会が一度もなく、ずっと我慢してきた結果の宣言です。
 今、福島の人々はこの様な形で家族のつながりを断ち切られ、絶望している人がたくさんいます。除染に望みをかけている人もいますが、家の庭が0.8マイクロシーベルトという高線量なのに、除染予定は2年先だと怒っていました。私の家でも除染が行われましたが、雨どいと駐車場の砂利交換だけでした。線量はほとんど下がりませんでした。元請けの除染業者が下請けからさらに下請けへと外注する中で、予算がどんどん削られ、本来の除染がやれていないのです。全くデタラメが横行している福島です。

子どもの甲状腺がんが急増

 そんな中で子どもたちの甲状腺がんが確実に増えて、現在59人にも上っています。私の子どもも高校生ですが、「のどが痛い」「口内炎が痛い」など頻繁に言うようになりました。ふくしま共同診療所で見てもらい、「大丈夫」と言われましたが、それでもいつでも心配になります。福島に住み、日々不安な中で生活していますが、国や県は除染が終わったところから「皆さん安心です。どうぞ帰還して下さい」と避難指示解除を広げています。線量が下がらないからもう一度除染して欲しいという声に対しては、「78億の予算を設けた」と開き直っています。当初、2582億で始まった除染がこの現実なのに話になりません。
 農民は米や野菜が作れなくても、売れなくても固定資産税はしっかり取られ、ますます喰っていけない状況に追い込まれています。漁民は、原発からの海への汚染水漏れが止まらないため、本格的な漁には出られていないのが現状です。

福島抹殺を許さない

 こういう福島に対する抹殺攻撃とも言える現状をぶっ飛ばすためにも、今年の「3.11反原発行動`14」には、多くの方々に集まっていただきたいと思います。
 実行委員会で会議を重ね、呼びかけ人、賛同人を募り、ビラの内容をめぐって、福島の怒りをどう表すか、「忘れられるか!! あきらめられるか!!」「りんごが怒っている絵を入れて欲しい」など、わいわい言いながらビラが出来上がりました。さっそく1月早々に街頭に出て、ビラを撒きながら3.11行動を呼びかけています。職場や仮設住宅への訴えも始めました。
 3.11は火曜日です。今の労働者の働く環境は、低賃金・長時間労働の上に、年休を取ることはかなり難しい状況ですが、ここを踏ん張って、何とか全国から集まっていただきたいと思います。国の総力で福島を圧殺しようとしている今こそ、ここから戦争に向かっている世の中を、労働者が生きられる社会に作り変えていきましょう。