■闘う合同・一般労組

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0292号10/01)(2014/07/01)

■闘う合同・一般労組

反合理化・安全闘争で必ず仲間は増える

永野佳世子(東京北部ユニオン泉陽分会分会長)
 私は2013年11月の『月刊労働運動』に「オンコール撤廃闘争と国鉄署名で職場が見えてきた!」を投稿しました。あれから7ヵ月の間に、安倍政権は特定秘密保護法の制定を強行し、集団的自衛権の行使容認、武器輸出、原発再稼働など…民衆の怒りを無視して戦争ができる国づくりに一気に舵を切りました。
 しかし、その攻撃は労働者階級が労働組合の下に団結して闘えば絶対に粉砕できます。今年の6月8日の国鉄集会は実に感動的でした! 全国で闘う仲間たちの意気揚々とした発言。この仲間たちと一緒に闘っていけば安倍政権はぶっ飛ばせる! そう確信しました。
 ブラック企業という言葉がありますが、そもそもブラックじゃない企業などあるのでしょうか。とりわけ介護の業界は国が定めた制度の下に運営されていますが、人員配置基準ひとつとってみても、こんなんじゃ現場は回らないという基準です。当然基準以上の人員を配置しなければなりませんが、人員を多く配置すれば人件費がかかります。職場の資本だけを相手にしていても勝てません。今こそ介護労働者は職場を越えて団結し、ブラック国家安倍政権と闘う時です。

都労委の審問をやり抜いた

 私は東京にある社会福祉法人の特別養護老人ホームで看護師をしています。2010年に同施設で働く訪問看護ステーションの非常勤看護師が、職場の問題を解決するために組合員となり約9か月間団体交渉を重ねました。しかし、組合の拡大に恐怖した資本は35人の利用者を地域に振り分け、訪問看護ステーションを休業(廃業)し、共に闘った4人の非常勤看護師を全員雇い止め解雇しました。 この闘いについては、現在東京都労働委員会で係争中です。足かけ3年、ついに審問までこぎつけました。訪問看護ステーションの休業(廃業)を非常勤看護師の責任にし、不当労働行為はなかったと居直る法人幹部を、主尋問・反対尋問で徹底的に追い詰めました。勝利命令を勝ち取るまで闘います!

残業代の集団申告署名に9割が連名

 私が勤める職場では昨年11月まで、10時に退勤する夜勤者が、10時から出勤の遅番者に申し送りをしていました。この件で介護士から「本来10時までが労働時間なのに、10時からの申し送りは時間外労働ではないのか」という意見をもらい、過去2年間に遡って残業代を支払うよう要求しました。
 残業代を支払いたくない資本は「リーダーを通じて職員に確認したが、残業代を申告する意思がある人はいなかった」と嘘をつきました。リーダーが職員に確認した事実はなく、組合が独自に呼びかけた残業代の集団申告署名には対象者の9割が連名していたのです。 法人幹部のウソを徹底的に暴き、資本を追及した結果、ついに「残業代を支払う」と言わせました。確実に残業代が支払われるまで闘いを進めていきます。

希望者全員の正規雇用を勝ち取った

 また昨年、正規雇用同様にフルタイムで働いている非正規の職員から「ここで働いていてもなかなか正規になれないし、給料も上がらない。辞めようか悩んでいる」という相談を受けました。私は「ここには労働組合がある。他に行かずここで一緒に職場を変えていきましょう」と返しました。その結果、その方は残って働くことを決断し、正規雇用を希望しました。
 しかし資本は「正規雇用するのは希望者のうちの若干名だ」と言いました。ふざけるな! 私たちは「正規を希望する職員全員を正規雇用しろ!!」とガンガン追及し、希望者全員の正規雇用を勝ち取ることができました!
 ところがその内実は「初任給は初等級(一時金のポイントが一等級の半分に設定されている等級)」というものでした。同じ仕事をしているのに一時金が半額なんて絶対に許せません。そこで組合は当該職員と連絡を取りながら初等級制度を撤廃する署名を集め、現時点で65人の方が署名してくれています。初等級制度撤廃まで闘いを進めていきます。

オンコール協力拒否を継続中

 夜間の看護師呼び出し制度(通称オンコール)撤廃闘争(詳細は2013年11月号掲載)は、オンコールの協力拒否を貫き続け「まずは永野だけでもいいので夜勤看護師として配置しろ!」と要求しています。
 しかし、資本はオンコールに協力している一人の看護師に365日を任せ、いまだに夜勤看護師を配置していません。労働者の安全よりも法人の利益を優先する資本とは非和解です。夜勤看護師の配置は多くの介護士が望んでいることでもあります。介護士と連携しながら夜勤看護師の配置を実現していきます。
法人全体の組織化が始まった
 このような闘いを進める中で、法人内の他施設で働く職員から「人員不足、過重労働で職員が定着せず、休憩も満足に取れない」という相談を受けました。今まで自分の職場だけを対象にビラを撒いてきましたが、これを機に、他施設の職員にも労働組合があることを伝えようと思いビラ撒きに行きました。
 するとそこの職員から「職場の不満をどこにぶつけたらいいかわからなくて悩んでいた時に、労働組合のビラをもらった。この職場に労働組合があるとは知らなかった。○○について組合で取り組んでほしい」と連絡がきました。鳥肌が立ちました。やはり労働組合は求められていたのです。ついに法人全体の組織化に向けた闘いが始まりました。

ブラック国家安倍政権と闘おう!

 解雇・非正規職化・外注化・民営化・安全無視…など、その一つひとつはブラック国家の下にある企業の利益を追求するための新自由主義攻撃・合理化攻撃です。この攻撃に対して、今こそ反合理化・安全闘争を闘える労働組合が必要です。とりわけ介護や医療の現場では労働者の安全より利用者の安全が優先される傾向にありますが、単なる安全闘争では労働者が犠牲にされます。
 動労千葉の反合理化・安全闘争は「労働者の生活と安全を守れ!」「労働者の安全なくして利用者の安全もない」という立場です。 この間の闘いを通して、反合理化・安全闘争で必ず仲間は増えることを実感しました。法人全体を組織し、介護産別の労働運動復権を目指して闘っていきます。