11・12交流会 組合とつながれば民営化から学校を守れる セシリー・マイアトクルス(UTLA)
11・12交流会 組合とつながれば民営化から学校を守れる セシリー・マイアトクルス(UTLA)
11・12三浦半島教組有志とセシリーさんの交流会
組合と保護者、生徒がつながれば、教育の民営化から公立学校を守れる
セシリー・マイアトクルス(米ロサンゼルス統一教組(UTLA)首席副委員長)
三浦半島地区教組の姉妹兄弟のみなさん!
みなさんとの話し合いの機会を与えていただき、ありがとうございます。二本柳実さんは、この間ずっと私たちをつないでくれた、すばらしいスポークスマンです。UTLAは、この固い仲間意識を誇りに思います。そして実さんの組合、三浦半島地区教組を訪問することができたことを光栄に思いますし嬉しいです! 今夜ここでお目にかかり、お互いの経験を共有できることは素晴らしいことです。
「ユニオン・パワー」結成は変化のはじまり
組合員たちやUTLAに何が必要か、私たちは2年間かけて討論し、展望やプラン、そして綱領をつくり、とうとう「ユニオン・パワー」というグループをつくることにしました。しかしまだ私たちは、このことが労働運動全体の中で持つ意味も、労働運動の新しいモデルになることもわかっていませんでした。
私たちは、私たちの運動と古い組合との組合員選に、みんなが注目していることもハッキリとは自覚せずに、UTLAの組合員たちのための権力を打ち立てる、長い道のりを歩み始めたのです。すると全国から、あなたたちを応援している、同じ組合にいたら私たちもあなたたちに投票できたのに、という声が寄せられるようになりました。何かが目覚めたのです。UTLAで起きていることに、全国の人たちがつながりを持つようになりました。
私たちは、組合員たちの示してくれた自信、固い団結、団体行動、討論の内容に勇気をもらいました。こうした組合員の反応は、「ロサンゼルスの生徒たちにふさわしい学校づくり(SLSD)」という運動をつくるために是非とも必要なものでした。
全国の教員組合の中で何かが起こったのです。多くの人たちが、2012年シカゴ教員組合のストの中核になった、広範な教育者、保護者、地域、青年の連合に刺激を受けました。ポートランドでは、生徒たちが、1クラスの子どもの人数を減らせ、と教育委員会に押しかけました。セントポールでは保護者たちと先生たちが一緒になって、統一テストの回数を減らそうと行動を起こしました。ヒューストンでは、学校ごとの特色で競争しろといって学校間の競争をあおるやり方は、教育の不公平と不安定を招くといって、先生たちと保護者たちが手を結び反対運動の先頭に立ちました。ミルウォーキーでは、広範な教師と地域の同盟が地方選挙で、話題になっています。教員と公教育システムへの攻撃に直面する中で、組合は変わりつつあり、またその役割をかつてないほど広げています。
UTLAは、この運動の一部を担っています。また、私たちはこれらの地方支部と密接につながっています。私たちの「ロサンゼルスの生徒たちにふさわしい学校づくり(SLSD)」という運動が成功するかどうかは、同じような名称や同じような戦略で闘うシカゴ、セントポール、ポートランドその他の地域での運動の如何にかかわっています。
生徒・保護者・教員が団結すれば勝てる
労働組合は、今までのあり方を変える必要がありました。労働契約をめぐる闘いでも、今までのようなやり方では、勝利の戦略も希望もないのです。このことから、私たちは今までのやり方を再検討し、保護者、地域、生徒との関係を再確立していきました。組合を責任を持って引っ張っていくには、力を持った一人の幹部の声に頼っているようではダメ。多くの声を集めることによって権力を打ち立てることができるようになるのです。保護者や地域住民は、組合が何を必要としているか、また組合が、最終的に彼らやその家族にどんな影響をもたらすか、知る必要があります。そして生徒たちはまだ掘り出されていない宝の山です。彼らは学校づくりの当事者であり、学校で起こることに意見を持っており、どうすればうまくいくかを知っています。これらの人たちと真に、完全につながっていけば教員組合が負けることはないでしょう。
私たちは、組合と保護者、地域、生徒が固くつながれば、新自由主義者の「改革」政策から公立学校を守ることができることに気がつきました。
2013年の春、公教育に歴史的に結びついた、たくさんの全国組織が、「私たちの教育を取り戻す全国連合(AROS)」をつくり、討論を始めました。
私たちの労働組合、全米教育協会(NEA)および米国教員連盟(AFT)も、公教育を守るため、これに参加し、団体として動き始めました。この団体の主要な問題の一つは、この団体と参加者への資金提供です。しかし、この非常に重要な仕事にNEAとAFTの両方が財政援助とオルグの派遣をしてくれることになりました。うれしいできごとです。
先月、アレックス・カプト・パール組合委員長、イングリッドガネル、そして私の3人が(UTLAを代表して)ワシントンDCのAROS会議に参加しました。NEAとAFTは、アネンバーグ教育改革研究所、教育の正義のための連合、民衆の民主主義のためのセンターその他のグループとともに、AROSの協賛団体になっています。AROSは、さまざまな都市や地域で起きている各地の運動を結びつけ、全国運動にしようとういう団体です。各地の運動の主要な要求のうちのいくつかは次のとおりです。
●地元にある、持続可能な学校への全面的財政負担と支援(学校を閉鎖したり民営化したりするな)
●学習時間を保障し、テストを減らせ
●積極的な子どもたちへのしつけを行い、厳罰主義はやめること
●在留資格のない子どもたちも含めて、幼少期から大学までの質の高い、適正な教育を保障せよ
●貧困から抜け出すための生活資金を保障せよ
会議では、30市から集まった、組合や地域住民組織の代表たちが、持続可能な地元の学校、チャータースクールの責任能力、そして「生徒たちにふさわしい学校づくり」の地域の運動について議論しました。私たちは、教育の公正のための全国運動づくりの参考になる討論をじっくり行い、集団としての戦略を練りました。
金もうけのための新自由主義教育との対決
教育をめぐる状況は最近、変わりました。企業のための民営化を推進する連中は、すべての公立学校で教員は失敗し、教育の成果が出ていない。だから公立学校を民営化しなければならないと主張する。こうした金儲けのための学校づくりを狙う連中は、税金をかすめ取り、優秀な子どもたちを公教育から排除しています。彼らは生徒を選別することにより公教育を破壊しています。
教員は一生懸命やっても骨折り損のくたびれもうけ。一般の人たちは、先生の悪口を言って満足する。こんな新自由主義の「改革」に対して、どう立ち向かえばいいのか? 学習、組織化、アジテーション、そして行動です。私たちは組合員たちに、私たちがどういう存在であり、毎日何をすればいいか、組合員を教育しなければなりません。しかし、それと同時に、私たちは(新自由主義改革の)「札付きの常習犯」と闘わなければなりません。教室の中のことだけではなく、外の世界を見ることができるようオルグしなければなりません。組合員たちと、じっくり対話、討論を行う必要があります。最後に私たちは組合員たちに、この教育「改革」を推進する連中が、私たちに何をし、私たちについてどんなことを言っているかを暴露しなければいけません。流れを変え、反撃に打って出ましょう。
教育と政治は複雑に絡み合っています。だから公共の利益のため、あらゆる問題に投票権を行使し、声をあげなければなりません。
私たちは企業のための「改革」運動をたたきつぶし、公教育に対する新自由主義攻撃を今すぐやめさせなければなりません。私たち一人ひとりが行動を起こすときです。労働組合として、私たちは単に給料や手当、労働契約上の利益だけをやっていればいいのではありません。私たちは、もはや地域と私たちの仕事とを切り離して考えることはできません。子どもたちにふさわしい学校づくりに向け、一緒に闘う時がやってきました。私たちの労働条件が、すなわち生徒たちの学習環境そのものであることを肝に銘じましょう!
ありがとう。ガンバッテ!