衆院選挙の最大の焦点は労働運動をめぐる攻防―労組選対の闘い

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0298号05/01)(2015/01/01)

衆院選挙の最大の焦点は労働運動をめぐる攻防―労組選対の闘い

(写真 12月13日衆院選最終日、荻窪駅北口に1000人が結集)

衆院選挙の最大の焦点は労働運動をめぐる攻防
―労組選対の闘い―小泉義秀(東京労働組合交流センター事務局長)

 安倍政権は2014年12月16日に「政労使会議」を開き、春の賃上げと長時間労働の是正などで政労使が一体となって協力していくことを確認する合意文書を取り交わした。また「雇用の7割を占めるサービス業で、労使が協力して非正規労働者の処遇改善や正規化などを進めて」いくとしている。衆院選直後にすぐにこういう合意書を取り交わしていることに示されるように、安倍は心底労働者階級の決起を恐れている。衆院解散・総選挙の最大の狙いは、連合の存在すら許さない労働組合の絶滅攻撃であった。安倍の「アベノミクスは賃上げと雇用確保だ」というデマゴギーとペテンは、連合の全面屈服と裏切りをひきだすことでふりまかれたのだ。
 したがって、今回の衆院選挙の最大の焦点は労働運動をめぐる攻防であった。連合の解体・再編をめぐって激しい攻防が始まったことに我々は国鉄決戦を基軸にして攻勢的に拠点建設に打って出た。国鉄10万筆署名、鈴コンの勝利報告、そして鈴木候補への支持を訴える各種のビラがその武器だ。労組選対はその闘いの先頭になって新たな地平を切り開いた。

※児童館全廃攻撃との闘い

 全国労働組合交流センター事務局を先頭に九州・東北・関西などの仲間も加わり、教労・郵政・自治体・国鉄・医療・合同一般がそれぞれ産別ビラを作成し、約400の杉並区内の全労組、学校、病院、杉並区の関連施設・事業所・児童館などをローラーをかけるように回り、鈴木候補と一体で闘った。その中でも極めて重要な闘いが児童館廃止攻撃との闘いである。労組選対は42の児童館すべてを回り、児童館廃止を訴える労組交流センター自治体労働者部会のビラを配布しオルグした。そうして「児童館全廃(民営化)」攻撃との闘いが核心であることをつかみ取った。
 現場の労働者はほとんど何も聞かされてない中で不安と怒りがある。14年3月区議会で予算をつけて「やれるところからやる」というのが田中区長の姿勢であり、保育所・学校の民営化攻撃と一体の攻撃だ。
 労組が「絶対反対」で闘うならば地域の母親、子どもたちも巻き込んだ決起に必ず発展する。現場には労働組合と地域で児童館を守り抜いてきた誇りがあるのだ。児童館全廃攻撃との闘いは民営化攻防の砦としての位置を有し、首都の現業労働連動の主導権をにぎりしめることができる闘いでもある。この闘いは必ず4大産別に波及する。JR4駅におけるグリーンスタッフ、環境アクセスの対象化も重大な組織化のはじまりである。JRビラではグリーンスタッフの解雇問題をあらためて対象化した。建交労がJR清掃の環境アクセス新宿駅分会を組織していることからも明らかなように、現場には劣悪な労働条件に対する怒りがある。しかし「4・9政治和解」に屈した建交労では絶対にJR資本との闘いはできない。グリーンスタッフと環境アクセスの労働者を動労総連合に組織しよう!
 図書館など自治体の出先、事業所の民間委託が急速に進んでいることもわかった。図書館は指定管理者が運営しているところと、区職の労働者が運営しているところの両方が存在している。公園や運動場もそうだ。特に「4・9政治和解」以降の共産党・社民勢力の総崩れのなかで、清掃は工場の委託から収集の全面委託化へ進もうとしている。「区施設再編計画」として杉並丸ごとの民営化攻撃が進行している。その核心に児童館攻防があるのだ。「児童館全廃反対」の闘いは、これまで進んできた民営化・外注化・非正規化攻撃をひっくり返していく闘いの基軸になる闘いである。その際、あらためて鈴コン闘争勝利のもっている大きさを実感した。労働者は民営化と闘う新し
い労働運動の登場と同時に民営化と闘う新しい党の登場を求めている。階級的労働運動の前進と新しい労働者の党を作り出す闘いは完全に一体なのだ。

(写真 12月7日高円寺駅北口に青年を先頭に500人が結集)

※ダイエー解雇撤回闘争―攻防の巨大な意義

 2014年11月10日に日本の大手小売イオンとUNIグローバルユニオン、UAゼンセン、イオン労働組合の四者が「グローバル枠組み協定」を締結した。これは「日本型協調的労使関係がアジアに広がるよう期待する」(UNI書記長)という声明にあるように、UAゼンセンという御用組合を通してアジアの労働者の日帝に対する反乱を押さえつけようとする恐るべき攻撃だ。
 UNIグローバルユニオンは世界150か国900労働組合、200万人のサービス労働者を組織して2000年1月に結成され、日本では14組織100万人が組織されているという。新自由主義の崩壊に対応した資本と一体の労働組合ならざる組織である。四者のグローバル協定は7・1集団的自衛権行使容認に対応するアジア侵略・翼賛勢力づくりの労使一体の組織として結ばれた。
 連合をUAゼンセンを軸にぶっかいていくブルジョアジーの意向に沿った動きだ。それに対する闘いとして労組選対は合同労組八王子のダイエー資本による解雇撤回の闘いと一体でUAゼンセン傘下の労働者に対する働きかけを開始した。UAゼンセンは150万人の最大組織ではあるが、圧倒的多数の現場組合員はスーパーで働く女性であるとか、魚や肉をさばいている労働者だ。指導部が「原発賛成」といっても現場組合員とは本質的に非和解だ。膨大な非正規と女性を組織して成り立っているUAゼンセンを労働貴族が抑え込むことなどできない。ダイエー資本と闘わないUAゼンセン指導部批判のビラを作成し鈴コン闘争の勝利を引っ提げて、弁護団長の鈴木さんの衆院選の闘いと一体で、オルグに入った意義は大きい。ダイエー攻防は巨大な意義を持つ闘いであり、UAゼンセンに揺さぶりをかけ、合同・一般労組の旗を打ち立てていく契機となる。
 労組選対は現体制を維持したまま、杉並区議選の闘いに突入していく。今後は西部ユニオンを先頭とする各地区合同・一般の仲間、労組交流センターの会員などにも加わってもらい闘いを継続していきたい。