’15春闘にむけて 医療福祉の全面民営化と闘おう 医療福祉労働者部会

2019年7月31日

月刊『労働運動』48頁(0300号04/04)(2015/03/01)

’15春闘にむけて 医療福祉の全面民営化と闘おう 医療福祉労働者部会

(写真 岡山大学メディカルセンター構想の概要)

医療福祉の全面民営化と闘おう

全国労組交流センター医療福祉労働者部会

 フランスの1・7襲撃事件に続く1・20人質事件、そして2・1人質殺害の事態に対して、安倍政権は「罪を償わせる」として、中東侵略戦争への一層の踏み込みを宣言した。議会内勢力と既成の体制内労働運動は、安倍が鼓吹する「テロ弾劾」の大洪水の前に、雪崩をうって総屈服を開始している。
 世界史はついに後戻りのない大恐慌と世界戦争の過程に突入した。日本帝国主義の中東侵略戦争参戦に対して、レーニンの「社会主義者は戦争によって作り出された危機を資本主義の打倒のために利用する義務がある」(第2インターナショナル、1907年)という立場に立ち、帝国主義打倒へ突き進む時だ。
 問われているのはやはり労働組合だ。階級的労働運動こそ、侵略戦争を阻止する最大の力だ。
 全国労組交流センター医療福祉労働者部会に結集する労働者は、安倍政権の医療・福祉解体攻撃、非正規化・民営化を粉砕して大幅賃上げをかちとる今春闘を、国鉄闘争を軸に階級的労働運動復権の春闘として、侵略戦争に反対する労働者の巨大な隊列を形成するために闘う。

〈医療・福祉の民営化と闘う〉

 安倍政権は今、侵略戦争遂行に向けた総翼賛体制構築とともに、社会保障制度の大改悪を強行しようとしている。
 医療保険制度改革として、混合診療の解禁、紹介状なしの大病院受診への負担金新設、75歳以上の高齢者向け保険料軽減特例の段階的廃止、健康保険組合などの保険料率上限の引き上げなどを狙っている。
 また、来年度介護報酬改定では2・27%引き下げが決定された。一方で「処遇改善加算」で職員一人当たり1万2000円賃金増と宣伝されているが、事業者の収入減に対して賃金を下げて処遇改善加算報酬で穴埋めすることも容認されており、介護労働者の賃上げ、労働条件改善に結びつくことなど到底考えられない状況だ。
 これらの背景にあるのは、世界大恐慌のさらなる深化のもとでどん詰まりの危機にあえぐ新自由主義が、その生き残りをかけて医療・福祉に群がって食い尽くす攻撃にほかならない。
 昨年6月に閣議決定された新「日本再興戦略」は、「岩盤規制に風穴」「稼ぐ力の回復」を真っ向から掲げて、医療・福祉を徹底した利潤追求の草刈り場にすることを宣言した。「医療・福祉で儲けてはならない」という大原則が曲がりなりにも貫かれてきた医療・福祉分野は、資本家たちにとってこれまで手をつけたくてもできなかった「最後の聖域」だった。安倍成長戦略は後がない新自由主義の最後の延命策として、これに全面的に襲いかかろうとしている。
 その第1の柱は、株式会社の病院経営の全面解禁だ。岡山大学病院が真っ先に名乗りを上げた「非営利型持ち株会社制度」の導入による基幹病院の経営統合、そしてそのもとに中小医療機関から介護関連事業所まで傘下に入れる大再編構想はその典型。「非営利」など名ばかり、医療・福祉の全面民営化、営利事業化そのものだ。
 そして第2の柱として、この医療・福祉の全面民営化と一体で、公的医療保険外のヘルスケア産業の活性化、混合診療解禁が狙われている。行き着く先は国民皆保険制度の解体だ。
 こうした攻撃の突破口としてあるのが、国家戦略特区(第3の柱)。岩盤を砕くとして混合診療禁止原則や医療法人規制、さらには労働規制の撤廃を東京圏(東京・神奈川・成田)、関西圏(京都・大阪・兵庫)、兵庫県養父市、新潟市、福岡市、沖縄県の6特区で行おうとしている(とりわけ関西圏特区は医療イノベーション拠点として位置付け)。

〈国鉄決戦には力がある〉

 医療・福祉に対する攻撃の激しさは、安倍・新自由主義の強さではなく、実は崩壊の危機におびえる姿そのものだ。
 戦後社会保障制度、医療・福祉をめぐるあり方は、労働者階級を革命に立ち上がらせないための予防反革命政策としてあった。いまブルジョアジーがそこに手をかけてきたということは、革命と引き換えに労働者階級に一定の譲歩をしてきた余裕も力も完全に失っているということの現れであり、それを支えているのが既成の労働運動勢力の総屈服だ。新自由主義の医療・福祉破壊、社会保障制度解体攻撃をめぐる一切は、革命の問題、労働運動の問題に絞りあげられた。
 階級的労働運動をすべての医療・福祉職場で甦らせよう。中東侵略戦争参戦と、これと一体の賃下げ・合理化、民営化攻撃、すなわち「外に向かって侵略戦争、内に向かって階級戦争」の攻撃と対決する基軸は国鉄決戦にこそあることを、改めてはっきりさせよう。
 28年前、当時の中曽根政権が「国鉄労働運動を解体して総評をつぶし、戦争ができる国へ」
を狙って強行した国鉄分割・民営化と唯一真正面から闘い、その完遂を阻んできた動労千葉・動労水戸、動労総連合、そしてわが労組交流センターを先頭にした国鉄闘争の力が、いま戦争突入の情勢下で再び労働組合をめぐる決戦を最大の焦点に押し上げたのだ。
 そして今春闘の只中で、医療・福祉産別において影響力を行使してきた日本共産党・医労連と
対決し、打倒しよう。医労連の春闘方針は、相も変わらず内部留保吐き出し論と署名・請願による選挙運動流し込み路線だけ。「私たち労働者のみならず、医療経営団体、農水漁業者、年金生活者、すべての国民が要求を掲げて立ち上がる、文字通り『国民春闘』への期待が高まって」いる(東京医労連・15春闘方針)という方針の帰結は、長時間労働、低賃金、非正規化、安全破壊に対する現場の怒りを労働組合の名で押さえ込むことでしかないのだ。

〈階級的労働運動復権へ〉

 時代をどうとらえ、どう闘えば勝てるのか。今ほど私たち交流センターの路線と時代認識がストレートに労働者階級の中に響く時はない。私たち闘う医療福祉労働者は、15春闘を階級的労働運動復権の春闘として、全国の拠点職場・拠点労組での組合権力の奪還と確立をかけて闘う。
 一人の獲得が全体を獲得することに確信を持ち、組織拡大に全力を上げよう。