■闘う合同一般労組 ダイエー閉店=全員解雇に第3波スト決起

2019年7月31日

月刊『労働運動』48頁(0300号11/01)(2015/03/01)

■闘う合同一般労組 ダイエー閉店=全員解雇に第3波スト決起

■闘う合同一般労組

ダイエー閉店=全員解雇に怒りの第3波ストに決起

 2月15日午前9時、ダイエー八王子店前に赤旗が翻る。店頭にはこの日解雇となる合同労組八王子の組合員を先頭に、支援の労働者32人が結集した。「一人の首切りも許さないぞ!」「ダイエーは職場を保証しろ!」「下請け労働者を差別するな!」。シュプレヒコールが叩きつけられた。
 この日、ダイエー八王子店は44年間営業を続けてきた幕を閉じる。昨年11月に明らかにされたダイエー八王子店閉店をめぐり、これまで①雇用の保証、②労働条件維持を原則に団体交渉を続け、組合の団結を軸に2月1日と11日にそれぞれ第1波、第2波ストを決行して断固闘ってきた。そして閉店当日になっても、まともな回答を行わないダイエー資本に対する怒りの第3波ストライキが闘い抜かれた。
 解雇当該のパート労働者は「18年間まじめに働いてきてお客様にも感謝されてきたのに一片の紙切れで解雇された。ダイエーは『直接雇用関係がない』と団交議題にすること自体を拒否している。断じて許せません。絶対に雇用責任をとらせる」と怒りをこめて語った。
 この日はストライキに決起した当該組合員も2・15国鉄集会に結集し、当日のスト報告と決意表明を堂々と行った。ダイエー労働者が国鉄1047名解雇撤回闘争に感動的に合流した。

労働者を団結させないUAゼンセン

 2月15日、ダイエー八王子店閉店にともなって正社員は異動となり、多くのパート労働者は解雇となった。100人もの労働者が系列店・他店への雇用を希望したが、半数以上が退職を余儀なくされた。
 ダイエー八王子店には、139人の労働者が働いているが、正社員はたった25人で、大半はパートなどの非正規労働者だ。
 ダイエーのパート労働者はほとんどダイエーユニオン(UAゼンセン)に組織されている。ダイエーユニオンは、すでに「スクラップアンドビルドに関する覚え書き」なる協定を取り交わしていて、解雇されても団結して闘うなど、あらかじめ放棄されているのだ。たった1か月分の「慰労金」で解雇となり、他店への雇用を希望した場合でも、就労が斡旋されるだけだ。運良く採用されても東京都の最低賃金での新規採用扱いだ。
 実際ダイエー八王子店では、解雇されるパート労働者の半数が、やむなく職を離れるしかなくなっている。闘う労働組合に入り、団結して雇用を闘いとるしかないのだ。

下請け労働者を差別扱いするな!

 合同労組八王子は「一人の首切りも許さない」「直雇い・下請け労働者で差別扱いするな」を掲げて、計3波のストライキを闘ってきた。
 店舗を閉め、労働者を解雇するというのは、まさに整理解雇そのものだ。経営者が店舗を閉めるのは勝手だろうが、会社の一方的都合で労働者を解雇などできない。言うまでもなく企業には雇用責任がある。勝手にクビにされてたまるか!  
 しかも非正規労働者の中に、さらなる分断がある。直雇いと外注先の下請け企業に雇用されている労働者だ。下請け企業の労働者は、「雇用斡旋」「慰労金」もなく、「直接の雇用関係にない」と団体交渉にも応じない。ダイエー八王子の清掃労働者は「私は18年もここで働いてきた。もともとはダイエーの直雇いだったのに、本人の了承もなく、今や4次下請けです。そうしておいて『あなたとは直接雇用関係にない』と差別するのか! 断じて許せません」と訴える。4次下請けの㈱ワークスタッフは、そもそも労働組合対策のために使われた企業だ。本社は名古屋にある。あらかじめ遠隔地で押しかけにくいように仕組まれているのだ。下請け企業の労働者だからといって、同じ労働者だ。ダイエーは団交に応じろ!

全国2万数千のダイエー労働者の決起を

 ダイエーは昨年11月に臨時株主総会を開催し、2015年1月をもってイオンの完全子会社となることが決定している。イオンとの株式交換により、ダイエーの株はすべてイオンに移り、昨年末株式上場が廃止された。今後、業績の上がらない店舗は廃止され、順次再編されていくことになる。ダイエー八王子店の閉店は、再編の第1号なのだ。
 イオンは、ダイエーグループ内のスーパー事業のリストラを加速している。イオンの社長は「ダイエーは過去10年、リストラに次ぐリストラだった」と語り、ダイエーを首都圏と京阪神エリアで食品に特化した店舗として再生させるとしている。しかし、「これでイオンは茨の道に入った」と言われるように、業績の低迷から抜け出せないのはイオンも同じだ。ダイエーの2千億円もの負債を抱え込むことになるからだ。今後全国285店舗がスクラップアンドビルドされ、2万数千人のダイエーグループの労働者が解雇にさらされることになる。ダイエー八王子店のパート労働者のストライキ決起は、全国のダイエー労働者への体を張った檄である。
 ダイエー労働者の闘いは、まさに1%の資本家のみが生き延びるためには労働者はどうなってもかまわないという、今の安倍政権の倒産・大量解雇攻撃との対決だ。
 解雇撤回! 合同労組八王子は、〝生きさせろ〟の闘いを闘い抜く。

 末松隆司(合同労組八王子・書記長)