■ひめじょおん――女性部から介護職場で組合結成

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0302号08/01)(2015/05/01)

■ひめじょおん――女性部から

介護職場で組合結成、団結拡大へ

長澤 尚子(ふくしま合同労組・緑風園分会副分会長)

 私が勤務する養護老人ホーム「桑折緑風園」は、以前は二市三町で運営する公的な施設でしたが、3・11後の2011年4月に民営化されました。民営化は職員に低賃金、強労働を強制し、施設長のパワハラもあって、多くの職員が辞める事態となりました。人員補充がなかなかされず、利用者さんへのケアも低下しました。
 この動きを止めたいと、7月にふくしま合同労組・緑風園分会を結成し、2012年10月より団体交渉を重ねてきました。
 賃上げ・人員補充を常に要求し、民営化の際の労働契約に夜勤手当1回5000円と明示されていたにもかかわらず、実際は2000円しか支給されなかったことは契約違反であると追及し、夜勤に従事した全職員に、差額分3000円×夜勤日数分を、民営化スタート時に溯って支払わせました。会社側は追い詰められ、2013年春からは団体交渉に一切応じず、しかし、現場の力でついに昨年9月、施設長を打倒しました。
 同時に、分会は動労千葉の『俺たちは鉄路に生きる』『甦る労働組合』や「前進」をもとに同僚との学習会を継続し、国鉄署名や物販オルグ、労働学校や集会への参加を呼びかけてきました。
 介護現場でストレスを抱え、職場を辞めることも頭の片隅にある青年労働者とつながりたいと、合同労組の組合員と共に、バーベキューや芋煮会を開き、バレーボールやボーリングをやりながら、横のつながりを作ってきました。
 職員会議や日々のミーティングで管理職とやりあう一方、同僚の愚痴も含め相談にのる毎日を繰り返す中で、3・8国際シンポジウム、3・11反原発福島行動には、20代の女性労働者が数人連続決起しました。
 彼女たちは2・3弾圧(反原発を闘う福大生に対する政治弾圧)に一旦はひるみましたが、分会長の必死のオルグで分断を乗り越え、怒りを胸に前に進んで行きました。シンポジウムではメモを取りながら聴き、3・11集会では発言に「そうだ!」と声を上げ、デモでは緑風園分会旗を広げて持ち、デモが終わると、分会旗をマントのように身にまとってはしゃいでいました。彼女たちの姿を見て、職場
に動あり反動ありの毎日ですが、やっとここまで来たんだなあと思わせられる場面でした。
 この間、集会や労働学校への同僚の参加、物販への継続した協力、学習会、行事への参加など、仲間が多く増えてきました。
 先日、新年度の労働者代表を選出する選挙が行われました。分会長が2年間代表を務めた実績をもって立候補し、会社側から対立候補も出る中で、47人中29対18で、分会長が3年目の労働者代表に選出されました。5分の3の労働者の信任を受け、責任の重さを受け止めながら、穏やかな団結をより強固なものへと組織していきたいと思います。
 さっそく新しい施設長は職員会議で、残業時間を引き延ばす三六協定を締結したいと言ってきました。現在これとの攻防です。職場の闘いが日常です。共に闘いましょう。