■闘う合同一般労組 分会長の「解雇無効」完全勝利命令勝ち取る!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0302号07/01)(2015/05/01)

■闘う合同一般労組

ハナコ分会長の「解雇無効」完全勝利命令勝ち取る!

4月5日に初ストライキ! 仲間を増やすぞ!

富田 翔子(東京西部ユニオン アメリカン・アパレル分会書記長)

(写真 組合員と職場の仲間たち)

 東京西部ユニオン・アメリカンアパレル分会です! パワハラ・首切りなんのその、やりたい放題ブラック企業のAmerican Apparel Japan㈲が、ハナコ分会長を不当解雇にしてから2年、3月23日、東京都労働委員会で「解雇無効」の完全勝利命令をもぎり取りました! 雇い止め解雇も、団交拒否も不当労働行為。
 「会社は、ハナコ分会長との雇用契約が平成25年4月1日付けで更新されたものとして取り扱い、同人を原職又は原職相当職に復帰させるとともに、同日から復帰させるまでの間(約2年間)の賃金相当額を支払わなければならない」(【命令主文】より)
 「会社が、本件解雇の撤回(2012年8月31日1回目の解雇)の経緯等に係る団体交渉(2012年11月8日申入れ)を3か月余も延期した上、組合の再三の求めにもかかわらず、団体交渉においてもその見解を示すことを避け続けていたことに加え、分会長が団体交渉や情宣活動といった組合活動を行っていたこと、分会長の雇用問題は組合の最大の懸案事項であったことも考慮すれば、(中略)合理的な理由の認められない本件雇い止め(2013年3月31日2回目の解雇)は、不正利用などを口実として、会社が分会長を排除するために行ったとみるのが相当である。(中略)本件雇止めは、組合の分会長であるが故の不利益取扱いに該当する」(【当委員会の判断】より)
 組合が1回目の分会長・解雇撤回の直後から、「雇い止め許すな!」の闘いを開始し、仲間を増やしながら団交や社前行動をアグレッシブに闘い抜いてきた一方、会社は団交から逃げ続け、ハナコさえ雇い止めにすれば組合は潰せると思い上がってきた鼻っぱしらをへし折ってやった、痛快な勝利命令の内容です。

原職復帰を求めてストライキ

 これを何としても現実の解雇撤回・原職復帰とするために、息つく間もなく「ただちに命令履行を!」と追撃しました。3月25日には渋谷本社前行動、オフィスでは責任者キャサリンを組合員が囲んで直に追及。いつになく顔面蒼白(そうはく)で孤立しながら、「私にはもう権限がないのよ」と半ベソで責任逃れ。首を切った責任者がどうして職場に戻す責任をとれないのか! ふざけるな! 完全にひっくり返った力関係に震え上がったアメアパ資本は、組合の抗議・要求に回答もできない状況、団交申し入れに対しても議題を選別して拒否し続けており、「対応不可能」状態にあります。「他組合員の賃上げ要求等の団交には応じるが、ハナコ分会長の解雇撤回・職場復帰に関しては『LA本社と協議中の為』、団交に応じることはできない」そんな安易な分断にやられてたまるかと、4月5日には、渋谷店現役従業員の副分会長が「ハナコの原職復帰」「仲間のため」の初ストライキに決起しました。
 当日は、東京労組交流センター、動労水戸や福島からもアメアパ渋谷本社前に駆けつけて下さり、40人を超える支援の仲間と共に抗議スト闘争に立つことができました。

仲間の団結を反撃の軸に

 解雇当該にとって労働委員会闘争は特にしんどかったと思います。会社側弁護士から、徹底した過激派・犯罪者扱い、細かくてムカつくことを山ほど準備書面に書かれ、反論する際も、思い出したくもないくだらないことを無理やり思い出す…深い知識や緻密(ちみつ)さを必要とする慣れない作業にも悪戦苦闘。ユニオンの先輩たちとの団結が不可欠でした。
 当初は、経験も自信もなく、皆さん忙しそうで、萎縮してなかなか意見も言えず。でも、団交、街宣、スト、集会、デモ、花見、選挙など行動を共にする中で、デコボコで個性豊かなおっさんたちが、お酒飲んだりケンカしたりしながら、どうやってこの階級的労働運動を作ってきたのか、その闘いの中でこそ作られていく人間関係が愛おしいと思うようになり。私たちも、労働者として立ち上がる闘いにおいては、格好いいおっさんたちと同じ土俵に立てるのだと思えるようになったのでした。
 ようやく労働委員会闘争の後半あたりから、西部ユニオン10年超の実績と、分会の発想力と現場感覚が、思い切った提案や踏み込んだ議論の中で結びつきはじめました。現場の非組の仲間が書いてくれた組合差別に関する陳述書を提出したり、従業員割引の不正利用とされたボトムスの実物を調査に持っていくなど。
 審問のときはたくさん議論したからこそ、自信持って堂々と臨めました。「ほんとに不正したかったら、現場にしかわからない方法はいくらでもある」「ハナコはめちゃくちゃ仲間に信頼されてる」など、現場労働者の感覚と仲間の団結を反撃の軸にすることができました。

今こそ攻めまくろう!

 いま現場労働者は「ハナコが戻ってくる! 会社が負けた! 組合すげえ」というムードにあります。一連の猛攻により、会社が中労委への再審査申立を断念するところまで追い詰めました。会社は「命令取り消し」を東京都に求める行政訴訟をやってくるのではないか、というのが組合側の予測です。しかし会社がどう出ようが、「今こそ攻めまくろう!」が分会方針。がんがん団交申し入れ、拒否したら社前抗議、と、鈴コンの兄貴たちの闘いに習って攻めまくりたい。
 また、都労委命令書や最終準備書面などをもとに、アメアパ分会の闘いを客観的事実から明らかにしたパンフレットを製作し、英訳もして、職場に、街頭に、世界に「団結して闘えば勝てる」非正規職撤廃の闘いを、日本の労働者階級が誇る動労千葉派・労働運動が「仲間と一緒に生きてく道」なんだと伝えたい! そんな壮大な計画も分会会議で出されています。
 何よりこの過程で、どんどん組合オルグをして仲間を増やすこと。今まで少し躊躇(ちゅうちょ)していた仲間も、この間、組合加盟しました。これまでに出会った大事な仲間たちと、もっともっとつながるために、向き合って、踏み込んでいって、とにかく組織拡大。団結への執念をますます燃やしていきます!