国際連帯特集■11月国際連帯闘争の総括と今後の課題

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0310号04/05)(2016/01/01)

国際連帯特集
■11月国際連帯闘争の総括と今後の課題

山本弘行(動労千葉国際連帯委員会)

外注化・非正規職化との闘い

 動労千葉を通じた国際連帯闘争は2002年から始まり、2015年で13年になる。その蓄積で、今年は国際連帯闘争において画期的地平を切り開いた。
 各国の労働者に共通する闘いは、民営化・外注化・非正規職化攻撃との闘いだ。国際連帯の持つ大きさとインパクトを再度確認した11月集会過程だった。今年は初めてトルコから労働者が参加したが、彼らも新自由主義攻撃と対決しており「闘いの課題は共通だ」と語っていた。

日韓米中の連帯で戦争阻止へ

 そして韓国民主労総との連帯は、東アジアの戦争を阻止していくための基軸的な力であることが明確になった。さらに、日韓労働者の連帯が日米労働者の連帯にも繋がっていることがわかった。先日、米国際港湾倉庫労働組合(ILWU)ローカル52(シアトル)から民主労総への連帯メッセージが届いた。「民主労総への攻撃と同じ攻撃が自分たちにもかけられている。港湾作業のスピードアップによる労災で死亡事故が多発している。また自動化の進展で、それに関わる仕事をILWUから奪う組織破壊攻撃もかけられている。今こそ闘う姿勢を鮮明にする時だ」という内容で、動労千葉を通じて連帯メッセージを送りたいとの要請だった。
 動労千葉の民営化反対闘争をベースに、米韓労働者の連帯の端緒が切り開かれつつある。東アジアの帝国主義戦争を阻止するのは、日米韓労働者の連帯だ。
 さらに、中国の鉄道労働者が、動労千葉を通じて韓国の鉄道労組へ連帯メッセージを送ってきた。日韓米中の労働者に国際連帯が発展しつつある。闘いを通した内実ある連帯で、戦争阻止の大きな力になると思う。

中東の労働者との連帯も

 さらにトルコの労働者との連帯で、中東情勢に大きく関わることのできる関係が開かれた。トルコでも労災への怒りが爆発している。新自由主義は労働者がどれだけ殺されても一顧だにせず金儲けに執着している。
 3回もの軍事クーデターを潜り抜け、資本と闘って、革命的党派と大衆的な労働者組織を建設しつつある。またクルド労働者との連帯を作り出し、クルド解放に向けて闘っている。
 トルコ労働者との連帯は、2011年3・11福島原発事故後の動労千葉を始めとしたわれわれの反原発闘争への連帯から始まった。今年初めて顔を合わせたが、中東における労働運動の拠点だと認識できた。トルコも民営化・外注化・非正規職化との闘いが基軸課題であり、労災と貧困が最大の課題になっている。2016年6・15闘争(記念日闘争)に招待されている。 第4章 独、フィリピンとも連帯
 ドイツ鉄道労組のクルト・シュナイダーさんは、ドイツ機関士労組(GDL)のベルリン都市鉄道支部1100人の支部長になり、支部として11月集会に参加した。民主労総の鉄道労組とも連帯し、訪韓して共に闘った。
 フィリピンの空港地上職員が2011年から外注化と闘っているが、動労千葉もフィリピン大使館やフィリピン航空への抗議行動も行い連帯している。彼らから民主労総へ連帯メッセージが動労千葉へ送られてきた。

動労千葉との信頼が土台

 国際連帯闘争は、国鉄分割・民営化と闘ってきた動労千葉への信頼が土台となって発展している。若い世代の国際連帯での活躍を期待している。

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