『非正規が闘って、勝った!』は団結と実践の塊だ!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0310号11/01)(2016/01/01)

『非正規が闘って、勝った!』は団結と実践の塊だ!

坂野康男(東海合同労働組合執行委員長)
 東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の闘いの生々しい記録を綴った『非正規が闘って、勝った!』が出版されました。176頁もある本を、僕は一気に読み通しました。「鈴コン分会ワールド」(16頁)へ引き込まれるものがあったからです。

※団結のすばらしさ

 そこには団結の素晴らしさが描かれていました。「鈴コン分会は、〝お涙ちょうだい〟や〝浪花節〟ではない。裁判や労働委員会は、『向うの土俵である』という考え方に立って、労働者の団結権を押し立てて裁判を徹底的に闘った」(154頁)「3か月雇用契約ということ自体が、労働者をバラバラにする団結破壊の攻撃だ。それに対して労働組合をつくって闘って団結する。これをやらせないことそのものが、最大の不当労働行為であるととらえた」(155頁)。こうした考え方は、わかったつもりも実践となると壁が立ちはだかります。鈴コン分会の素晴らしいところは、その壁を労働者魂で突破したところにあります。東海合同労組も見習うべき姿があります。

※故田口組合員解雇の無効命令は画期的勝利

 次に、故田口組合員の解雇無効命令を8月26日に東京都労働委員会で勝ち取ったことです。「鈴コン分会の闘いは正しかった!  鈴コン分会は結成からずっと田口解雇撤回を貫いてきました。この分会の団結の勝利です」(18頁)僕は、田口解雇撤回闘争の意義を読んでつかむことが出来ました。

※青年にぜひ読んでほしい

 「鈴コン分会は、特別な労働者ではありません。どこにでもいる普通の労働者の集まりです。分会会議が始まれば、激論になり、お酒を飲めばけんかもします。義理人情に熱い生コンドライバーたち」が「若い人たちに本書を読んで欲しい」(3~4頁)と訴えています。全国労組交流センターの青年にぜひ読んで欲しい一冊です。

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 動労総連合大会は、青年を先頭に新しい息吹のみなぎる大会だった。今年で結成30年を迎えるに当たり、3桁の組織拡大を宣言した。国際連帯闘争も新たな地平を開いた。民主労総のゼネストに連帯し、戦争阻止、非正規職撤廃へ闘う勝負の年だ。 (S)

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【お詫びと訂正】

先月号の30頁、「ひめじょおん」の清水孝代さんの肩書は(自治労 越谷市職)です。編集者の責任です。お詫びして訂正します。
編集後記