動労東京を6月1日に結成―首都に新たな拠点を作りだす

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0316号03/01)(2016/07/01)

国鉄東京動力車労働組合(動労東京)を6月1日に結成!
 ― 首都に階級的労働運動の新たな拠点を作りだす ―

 労働者の深く激しい怒りがデモやゼネストとなって世界を駆けめぐっています。戦争と貧困の社会、一握りの金持ちのための腐敗した政治を終わらせるための新たな闘いの始まりです。
 私たちはこの時代の転換の中で、6月1日に国鉄東京動力車労働組合(略称・動労東京)を結成しました。動労東京は、JRとそのグループ企業の労働者、正規労働者と非正規労働者が同じ労働組合のもとに団結し、JR東日本会社と闘う労働組合です。
 結成を決断するにあたり、委員長を引き受けてくれたのは、国鉄分割・民営化に絶対反対を貫き、長年国労の中でJRと国労本部を相手に闘ってきた労働者でした。
 労働者はその人生の選択や決断の中に歴史を刻みます。今から30年前の1986年2月、動労千葉は国鉄分割・民営化反対の2波目のストライキを闘いました。すでに闘いの中で処分が出ているため、次にストライキをやればどうなるかは誰もがわかっていたなかでの決起でした。しかし動労千葉は、分割・民営化攻撃はこれまでの延長ではないことをはっきりさせ、執行部を先頭に労働者階級全体の未来をかけて渾こんしん身のストライキに立ち上がったのです。一方、当時の動労本部委員長・松崎明は分割・民営化に徹底的に賛成することを資本と国家権力に表明するために動労を解散させ、自分を守るために労働組合を私物化しました。
 労働組合とは何なのか、労働者とはどういう存在なのかという根本をめぐって「動力車労働組合」を資本・国家権力との死闘に一歩も引かず守り抜いてきたのが動労千葉です。動労千葉の存在と闘いは、団結した労働者は決して負けないという日本の労働者階級が持っている力そのものです。東京に新たに「動力車労働組合」を結成する歴史的な意味は、首都・東京の労働者が自らの力を甦らせることにあります。
 国鉄分割・民営化反対の30年の闘いは、今なお日本の支配階級と労働者階級の力関係を規定しています。安倍の改憲・戦争への動きと一体で、連合が大分裂を開始しました。同時に安倍は「一旦全員解雇・選別新規採用」で正社員をゼロにする戦後労働法制の抜本的解体を狙っています。この攻撃の先頭にJRがあり、その最火点に東京があります。動労東京は国鉄分割・民営化の決着をかけて職場から闘いに立ち上がります。
 (国鉄東京動力車労働組合)

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国鉄東京動力車労働組合結成宣言

 労働者は怒りに奮えて立ち上がっている。6月、韓国・民主労総は、戦争と非正規化を進めるパククネ政権打倒のゼネストに立ち上がる。フランスの労働法改悪反対のゼネストは、ついに原発労働者のストライキに広がった。日本でも、米軍属による女性暴行・殺害事件を契機に、沖縄の我慢ならない怒りが「全基地撤去」の闘いとして、6月19 日の県民大会から全島ゼネストへと向かっている。
 労働者人民から徹底的に搾取し、収奪してきた「1%」の資本家、それを支える腐敗した政治家どもの支配を終わらせ、世界から貧困と戦争の苦しみを一掃する新たな闘いの始まりだ。社会を根底から変えることができるのは労働者の団結した闘いだ。我々はこの歴史的使命に燃えて、ここに国鉄東京動力車労働組合(動労東京)の結成を宣言する。
 死ぬほど働いても人間らしく生きていけない世の中は我々の望む社会ではない。この時代に、もう一度労働者が団結を取り戻し、労働運動が力を取り戻すために、我々は「1047 名解雇撤回、国鉄分割・民営化絶対反対」を掲げて闘う。動労千葉の30 年におよぶ国鉄分割・民営化絶対反対の闘いは、最高裁決定で解雇の法的責任がJRにあることを明確にさせ、いよいよ敵の本丸であるJRに直接1047 名解雇撤回と採用を求めて闘うところまで到達した。闘えば勝てる。闘いはこれからだ。
 さらにいま、安倍政権によって戦後労働法制が根本から解体されようとしている。国鉄分割・民営化以来の社会の大転換をなすような攻撃の中で、国鉄闘争がますます重要な意味を持っているのだ。
 攻撃の核心は「正社員ゼロ・解雇自由」の社会を生み出すための雇用と労働政策の歴史的転換だ。「いったん全員解雇・選別新規採用」という形で、3年、5年で労働者が使い捨てにされる社会が生み出されようとしている。安倍や経団連は、「限定社員」などと言って、いつでも解雇でき、時給1000 円にも満たない労働者がこれからの「正社員」だと言うのだ。
 これから起きることは国鉄分割・民営化の比ではない。しかし、もう労働者は黙ってはいない。どんなに小さな闘いでも、全体の利害を体現し、職場で団結を求めて闘う労働者が登場したらすべてが変わり始める。非正規の仲間たちの闘いがそのことを示してくれた。動労東京はすべてをかけて決起する。
 いま、東京に新たに「動力車労働組合」を結成することは、国鉄分割・民営化反対闘争が切り開いた勝利の地平の上に、いよいよ、安倍政権を支える最悪の企業として名乗りを上げたJR東日本との闘いを本格的に開始し、1000 万労働者階級人民の怒りを根底から解き放つ階級的労働運動の拠点を首都・東京において作り出す歴史的な挑戦だ。
 我々は、動労総連合の仲間と共に、青年と共に、JRとJR傘下のあらゆる職場から、全面外注化阻止・非正規職撤廃を闘う。労働者の命と鉄道の安全を守るために資本と闘うことこそ、鉄道で働く労働者、労働組合の崇高な任務である。また、「3・11」の現実に真っ向から立ち向かった動労水戸の被曝労働拒否の闘いが全国に広がっている。いま、この闘いがもっとも求められているのは東京だ。動労水戸、動労福島とともに、常磐線全線開通阻止・被曝労働拒否の闘いを巻き起こす。
 そして、闘う中から「鉄道を動かしているのは労働者だ」という誇りを取り戻し、正規・非正規の分断のみならず、全ての職種・職能・人種・性別などの分断をこえて「労働者階級はひとつ」の団結と共同性を奪い返す。我々は狭い利害に立つのではなく、全労働者、農民や子ども達の未来のために闘う。
 我々は、強大な鉄道産別労働組合の建設に向かって新たな一歩を踏み出す。動労東京は、すでに全国で動き始めた「動輪」の軸となるべく、全国の仲間と団結して闘うことを決意する。

 2016 年6月4日 国鉄東京動力車労働組合

特集0316

Posted by kc-master