『国鉄分割・民営化と闘って30年 労働運動の変革をめざして』を読んで

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0332号12/01)(2017/11/01)

『国鉄分割・民営化と闘って30年 労働運動の変革をめざして』を読んで

未来は闘って勝ち取るもの

新井 佳世子(泉陽会労働組合委員長)

 「未来は闘って勝ち取るもの」
 第7章「労働運動の変革をめざして」を読んでそう強く感じました。この章は動労千葉のこれまでの闘いの紹介ではなく、それがどういう攻撃だったのか、そこで指導部が何を問われたのか、困難な状況の中でどのように団結を維持し闘い抜いてきたのか、それらの闘いの中で何を切り開いてきたのか…などがギュッと凝縮されていて、学ぶことだらけの内容でした。
 特に、313ページからの「動労千葉の教訓」は必見です。すべての労働運動がこのように闘えたらもっと日本の労働運動は魅力あるものになるでしょうし、労働者であることに誇りを持てるのではないかと思いました。
 国やJR資本からの様々な攻撃に対して一度でも闘うことをやめたならば、今の動労千葉はなかったでしょうし、動労千葉がないということは日本の労働運動も国際連帯もなかったと思います。もうとっくに総非正規職化されていたでしょうし、戦争が始まっていたかもしれません。動労千葉労働運動が切り開いてきた歴史的意義は計り知れず「これまで闘い続けてきて下さって本当にありがとうございます! 」と改めて思いました。
 動労千葉は「国策には勝てない」という常識を打ち破り、数々の国策と対決し勝利してきました。そして、組合員だけでなく労働者階級全体の利益、労働運動の前進という観点を忘れずに、地域を丸ごと組織しながら団結を拡大してきました。労働運動が持つ可能性は無限大であり、労働組合とは地域の人々が共に生きるための団結体なんだということを示していると思いました。
 「団結さえ崩されなければ必ず展望は生まれる」「労働者を軽んじ、蔑視する立場に陥らないこと」「労働者を徹底的に信頼すること」「展望は最初からあるわけではない。闘いの中で切り開くということ」「分岐・衝突を恐れない。それをチャンスと考える」「資本と闘うことは自分自身と闘うこと」「一人ではできないが、一人がいないとできない」などなど…名言は尽きませんが、それらすべて問われているのは指導部だということです。
 安倍がいう「この国を守れ」の国は「資本主義社会」のことですし、そこで守られるのは資本家たちです。「国(資本家)のために自らの命をかけて戦え!」というのが安倍政権ならば、私たちは「この国に革命を!」と団結して立ち上がる時です。「歴史に(を)学べ」と言うなら、今こそ産業報国会化、大政翼賛会化を阻止する闘いを全国で組織し、始まる前に戦争を止めることだと思います。
 日本が70年間戦争をしないでこられたのは「高齢者」と呼ばれる労働者があらゆるところで連綿と闘ってきたからです。その「高齢者」の命を粗末に扱うことなど絶対に許せません。そして「若者」も戦争で死ぬために生まれてきたのではありません。
 動労千葉労働運動に学び、実践に変えて、私たちの未来は私たちの闘いによって勝ち取っていきたいと思います。共に闘いましょう!

レポート,記事0332

Posted by kc-master