闘う合同一般労組 都労委と職場の36協定めぐる攻防で勝利の展望

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0335号11/01)(2018/02/01)

闘う合同一般労組
都労委と職場の36協定めぐる攻防で勝利の展望を切り開いた!

(写真 2018年1・21東京西部ユニオン旗開き)

吉本 伸幸(東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会書記長)

職場からの闘いで、改憲と戦争、「働き方改革」攻撃を粉砕しよう!

▼我々は負けない!

 我々、鈴木コンクリート工業分会(以下、鈴コン分会という)は、鈴木一族(以下、東豊商事という)のやりたい放題の悪行三昧(解雇、賃下げ、恫喝等々)と個別分断・団結破壊から2009年7月5日、怒りの限界を超えて、職場の仲間10人で声を上げ労働組合を結成した。
 時代は社会をリーマン・シ
ョツクが覆い尽くし、解雇の嵐が吹き荒れるときだった。
 会社は、鈴木富美子社長が中心となり東豊商事・悪辣(あくらつ)弁護士と一体で、解雇・団結破壊・切り崩し・懲戒処分等、数限りない組合への不当労働行為を繰り返し続けた。
 田口守組合員が組合員であるが故の不当な解雇を受けて、今年で10年となる。2015年8月26日、東京都労働委員会(以下、都労委)から命令書が出た。「組合員田口守に対する2009年11月10日付け雇い止めをなかったものする。労働組合法第7条第1項及び第3号に該当する」。田口組合員が解雇されてから6年目だった。そして、田口組合員が2011年8月16日に急逝し、4年目の命日から10日後の勝利だった。

▼1人はみんなのために、みんなは1人のために

 東豊商事は、都労委命令を不服として、中央労働委員会(以下、中労委)へ再審査請求を行った。鈴木富美子社長はじめ東豊商事は、やったことに対する謝罪も自己批判も出来ないふざけた連中だ。
 2011年9月27日、故田口組合員への解雇撤回と謝罪、精勤・解禁手当廃止は不当だと、鈴コン分会は職場で1日ストライキを闘った。そのストライキへの報復として、内尾分会長(当時)、吉本書記長、鈴木(善)会計(当時)を「ストライキは無断欠勤だ」と出勤停止の懲戒処分とし、出勤停止処分中の街宣を東豊商事への名誉毀損と会社への信用失墜行為として解雇した。その解雇撤回の闘いは、田口組合員への都労委勝利命令が出た1か月後に勝利した。
 2015年9月30日、東京高裁(以下、高裁)にて、「東豊商事は雇い止めの意思表示を撤回し、解雇者3人は雇用契約上の権利を有する地位にあること。雇用条件は従前と同一とする各雇用契約を改めて締結し就労する。そして、鈴コン分会の解雇者3人に対し、自ら(東豊商事)又は鈴木コンクリート工業(株)をして、法令の定める不当労働行為に当たると認められる行為を一切行うことのないように最大限努めることを確約する」ことを高裁で和解条項に明記させた。我々は仲間への弾圧・解雇を絶対に許さない。1人の仲間の為でも全力で闘う。故田口組合員は我々鈴コン分会のかけがえのない仲間だ。今でも田口さんは我々と共に闘い、一緒にいる。

▼新たな職場闘争の始まり

 解雇撤回(2014年11月17日)し職場に戻り、東豊商事はまた不当労働行為を繰り返してきた。2015年1月に入り、出勤時間差別と会社都合休みを鈴コン分会の組合員に始めた。我々だけを9時、9時30分の遅出出勤にして残業を全くさせない。そして、仕事が暇なときには、組合員だけを会社都合で休ませ仕事をさせないことも行ってきた。舌の根も乾かないうちに、本当に懲(こ)りない会社だ!
 職場では、帰るはずがないと言われていた解雇者3人が復帰して、天と地が引っくり返る騒ぎとなっていた。会社を守り支える会(以下、SJK)もガタガタに震え、動揺していた。このことに会社も相当危機感があったと思う。
 職場の仲間からは、「また懲りずに会社は組合への差別を始めたな」と言われた。都労委での田口組合員解雇撤回の命令が出たことも職場の仲間には伝えてあった。そこに我々解雇者が復帰した。会社は焦っている。仲間からは声がかかる。「今こそチャンスだ。SJKも潰せる」と感じた。職場での春闘を闘い、都労委に救済申し立てを行った。このことで、2017年11月29日都労委で「残業時間等差別事件」の命令が出た。
出勤時間差別での遅出強要は棄却されたが、「会社都合休みの組合員への強要は不当労働行為」という勝利命令を勝ち取り、「謝罪文の掲載」命令も勝ち取った。直ぐさま春闘の始まりの団体交渉を申し入れ、12月15日に行った。この団交での会社の言い分が惨めだ。「弊社は組合に不当労働行為を行っていると考えていませんので、中労委へ再審査請求をしました」との回答だ。謝罪もない、鈴コン分会に負けたと絶対に認めたくない哀れな野郎だ。ふざけるのもいい加減にしろ! 鈴コン分会をなめるな! 職場闘争での春闘開始だ。

(写真 多数の職場アンケートを掲げる鈴木善弘委員長)

▼職場闘争から闘う春闘へ

 団交後、36協定代表者選出の職場アンケートを開始した。会社はSJKが職場での過半数を有する組合だとまだほざいている。既に動労千葉物販も始めていた。今までにない驚くべき結果が出た。「36協定代表を選挙で決める」という職場アンケートに、SJKの会員や書記長はじめ半数の仲間が賛同してくれた。そのことを知ってか、慌てた会社は、2018年1月9日にSJKの花石代表名で労基署に36協定提出を強行した。職場では毎週1回ビラを出し、仲間に配布している。面白いことになってきた。
 この勢いでSJKを叩き潰す。職場の声も上がり始めた。めったに会社に来ない鈴木富美子社長が工場に来ていると、我々が外の現場に出ている時でも仲間が知らせてくれる。卑怯(ひきょう)に逃げ回る社長だ!鈴コン分会が怖いようだ。
 戦争と改憲・「働き方改革」攻撃には、徹底した職場闘争で反撃だ。官製春闘をぶっ飛ばし、我々労働者の団結した力で賃上げ、労働条件改善を勝ち取り、戦争を止める闘う春闘に攻め上っていこう。どんな小さな職場でも仲間の決起を信じ、闘い、職場闘争から闘う春闘、闘う労働組合を甦らせていこう!
 鈴コン分会は負けない。職場で断固闘い、闘いから団結の拡大を勝ち取っていきます。