新しい運動を起こそう 8・12集会に550人が参加

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0342号04/01)(2018/09/01)

改憲と戦争をとめる新しい運動を起こそう!
―アベを倒して改憲とめよう!8・12集会に550人が参加

米山 良江(全国労組交流センター教育労働者部会・元葛飾区教組)

 「憲法は国益と排外に屈するのか」をテーマに1995年以来毎年開催されてきた「8・15集会」が、今年は8月12日に曳船文化センターで開催され、550人が集まりました。
 主催者あいさつで葉山岳夫弁護士が「9月臨時国会での改憲発議を阻止し、安倍を倒そう」と訴えました。連帯アピールでは、築地市場の仲卸の仲間と武内更一弁護士が豊洲移転反対を訴えました。
 日本近代史研究者の伊藤晃さんが講演を行い、「日々の資本との闘いの中で反改憲運動を築き上げなければならない。排外主義と一体の天皇制攻撃と闘おう。私たちの闘いの中に新しい社会の芽がある」と呼びかけました。
 幅広い方々が参加する集会で、恒例になったコメディアンの松元ヒロさんのコントは「国中 歯ぎしり!!」で、盛り上がりました。
 来日した韓国・民主労総ソウル地域本部のクジャヒョン副本部長が、「ろうそく抗争でパククネを打倒したが、労働者の生活は変わっていない。民主労総200万人時代へ、職場から暮らしを変え、韓国社会を根本的に変えるための闘いを開始します」と発言。
 動労千葉の田中康宏委員長が「職場から労働組合がなくなった時に戦争にいく。乗務員勤務制度の解体にストライキで闘います」と宣言しました。
 秋に予想される改憲発議を前にした大事な集会でした。
 私が基調を頼まれた時は、正直躊躇しましたが、「教育労働運動を闘ってきた者としてここは頑張らねば」と、意を決して引き受けることにしました。

基調提起をめぐるやりとり

 オーソドックスな基調提起を作って事務局に送った時に「教育労働者OBとしての訴えを期待している」と注文が返ってきました。
 「そうか」と納得して、一から書き始めると、今度は膨大な長さになって収拾がつかなくなりました。15分の発言時間に盛り込む内容をしぼるのに、何回も手直ししました。
 勤評闘争のリーダーの著書からの引用は外したくない、主任制反対のストライキの教訓もどうしても入れたい、「教育勅語」については生の文言を入れてほしいなど、ぎりぎりまでやりとりして、基調提起を作りました。
 痛感したのは「内輪の用語じゃわかってもらえない」ということです。これからの改憲阻止闘争にとって、みんなに伝わる言葉を編み出す努力が、本当に大事だと思いました。

アメリカの教育労働者に続こう

 8月5日に広島で開催された国際反戦反核集会に、UTLA(ロサンゼルス統一教組)のアーリーン・イノウエさんからメッセージが寄せられました。そこには「最悪の大統領の登場が労働者の激しい闘いを爆発させている。民営化に反対する立場を鮮明にして闘う団結した労働者の国際的な運動が必要だ。できるすべてのことをやる時が来た」という言葉があります。胸を打たれました。私たちに対する最大のエールだと思いました。
 そして集会当日の12日の朝に「当局との交渉が決裂、スト権投票に入る」という情報が届きました。本当に「労働者は一つ、敵も一つ」を実感し、俄然奮い立ちました。

集会の基調の一部を紹介します

 私は前半で、教育労働運動の歴史と今日の状況について話し、後半に、改憲阻止闘争に向けて訴えたいことをしぼって発言しました。
 ①改憲阻止闘争の主人公は、国会議員ではなく、私たち労働者市民です。安倍は、9月のUAゼンセン大会で、「9条改憲賛成」を掲げさせ、連合を分裂させて、戦争反対の労働組合をつぶそうとしています。戦前の産業報国会の道をくり返すわけにいきません。
 民営化絶対反対で30年を超えて闘い抜いている動労千葉を中心に、動労総連合が改憲阻止闘争の先頭にたっています。労働組合が改憲阻止の声をあげていきましょう。安倍が「目の敵」にしている自治体労働者と教育労働者はその先頭に立ちましょう。
 ②改憲を阻止する闘いは、戦争絶対反対の闘いです。戦争でしか生きられない資本主義社会をひっくり返して、人間が人間らしく生きられる社会をつくる闘いです。戦争で利益を得るのは「1%」の大資本家であり、犠牲になるのは私たち「99%」の労働者人民です。戦争がなぜくり返されるのか、改憲を阻止するためにどう闘っていくのか、大いに学び合い、議論を積み重ねていきましょう。それが改憲阻止闘争の出発点だと思います。そして安倍政権への広範な怒りの声と結びついて、「改憲阻止」のうねりをつくり出していきましょう。
 ③安倍政権は、9月自民党総裁選で安倍の3選を果たし、秋の臨時国会で国民投票法改定と改憲の国会発議を強行しようとあせっています。安倍は、天皇代替わり・オリンピックという国策を総動員して、改憲反対運動を圧殺してくるでしょう。国民投票法は労働組合が団結して闘うことを禁止し「公務員、教育者」を名指して懲戒処分の対象としています。だから今から改憲と戦争を本当に止められる新しい運動を起こしましょう。
 私も、「改憲・戦争阻止!大行進」運動を大きな運動にするために、その先頭で全力で闘います。そして最後に「各地域・職場で一緒に参加してください」と訴えました。
 仲間の皆さん! 全国で「改憲・戦争阻止!大行進」運動を全力でつくり出しましょう。