関西のたたかい 保育の民営化絶対反対

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0342号09/01)(2018/09/01)

関西のたたかいの中から!
保育の民営化絶対反対は、組合破壊と改憲・戦争攻撃との闘いだ

赤田 由行(大阪市職員労働組合)

●7・28保育集会が成功

 7月28日、第3回目の関西保育集会を開催しました。集会に向けた「保育の民営化反対」のビラまき・署名集めでは、保護者は皆、署名をしてくれます。民営化反対は「当たり前」なのです。
 一方、多くの労働者は「(自治体)職員だから署名はできない」と断ります。この状況を作り出しているのが自治労本部です。「職員として、決まった民営化は止められない、協力するしかない」と言い回って、屈服を迫っているからです。「民営化絶対反対」を奪われた職場では、民営化に最も怒っている保育士が「民営化の話をしてはいけない」とされているのです。
 しかし、民営化の波は公立保育所に押し寄せています。22時までの夜間保育を「売り」にしている市立保育所では「この後、次の仕事に行く」という保育士に出会いました。結局、非正規・低賃金・強労働が民営化の実態であり、保育所民営化はすでに破綻しているのです。
 だから全国保育集会の会場となった大阪国際会議場前では、ものすごい結合がありました。自治労本部が弾圧してくる目の前でも多くの労働者が次々と署名に応じました。「民営化反対で闘いましょう」と言えば大きな声で「はい!」と応える労働者。東京都内の労働者は「来年から自分の所が民営化の対象」と怒りを表明。地方でも民営化が始まっています。その怒りが労働組合の方針を求めています。

●戦争反対の保育労働運動を

 第3回目の関西保育集会のテーマは「戦争反対の保育労働運動を作り出そう」です。 戦争・改憲にむけて、無準備のまま突入した安倍政権は、断崖絶壁であり、だから全ての攻撃は労働組合の解体にあります。
 しかし今、そのやり方はあまりにも一方的で、労働組合執行部をも納得させることができません。体制内の労組執行部は、「雇用の確保を勝ち取ることだ」と、民営化に合意し現場を黙らせてきましたが、もうそのやり方も限界です。今までやっていた労働と労働者の存在をないがしろにする政府・当局に対し、労働者の中から「いい加減にしろ」と根底的な決起が始まる時です。
 2015年に公立保育所の解体のために、「子ども子育て新制度」がつくられ、激しい民営化攻撃が続きました。しかし、まだ各自治体には公立保育所が多く存在し、地域の子育ての軸となり、仲間を大切にし、子どもたちを守る保育を行っています。これを解体することなしに、自治労を潰せないし、戦争はできません。むしろ、「今こそ戦争反対で自治労が甦ってしまう」と安倍政権は知っているのです。だから、保育所攻防が重要です。我々が、現場の保育労働者の保育に対する思いや、攻撃への怒りと結びついた時、労働組合は一夜にしてひっくり返る。ゼネストへ向かう攻防です。

●自治労本部との闘い

 今回の関西保育集会は、同日に自治労本部が開催した全国保育集会に対して、真っ向から中身で勝負しました。
 大阪市では橋下市政の時代に「保育士給料表」がつくられ、大幅賃下げと試験による分断が行われてきましたが、本部はほとんど闘っていません。自治労本部は保育を労働運動から切り離したのです。
 一方、私たちが集会ではっきりさせたのは、現場では保育そのものと労働運動が一体で進んできたということです。「いい保育をするには、自分たちの労働条件を勝ち取らなければならない」と言って、特に休暇取得にこだわってきました。自分の体が元気でなければいい保育はできない。代替要員の確保にこだわってきたし、生理休暇を取り続けてきたのも、保育現場でした。
 子どもの配置基準も、国基準を上回るように交渉を積み重ねて勝ち取ってきました。国との力関係がここにあります。
 また、保育内容においても、競争ではなく、仲間の痛みをわかり、団結で共に生きる保育(集団保育・仲間づくり)を守ってきました。差別、戦争反対の保育を地域も巻き込んで行っています。
 また、保護者の様々な問題(貧困、虐待、子育て困難など)を、子どもの姿を通して話し合い、時にはぶつかったり、苦情になったりしながらも、解決していくことが今では仕事の大きなウエートを占めています。この保護者の問題は、単なる個人の問題ではなく社会の問題であると、保育労働者は知っています。そのことを、自分が一人の人間としてどう考えるのかが問われます。だから反戦運動、狭山闘争などを、労働組合として取り組んできたのです。
 保育労働者の誇りはここにあります。保育労働運動を切り離した自治労運動など、終わりです。むしろ保育労働者は、自治労そのものをひっくり返すことができるのです。

●安倍―吉村市政との闘い

 吉村市長は8月2日、「学力テストの結果を、教員の人事評価と一時金に反映させる」と発表しました。さらに、「子供達は社会に出たら切磋琢磨を求められる。しかし、教員側は自分達が少しでも切磋琢磨を求められたら、強烈な拒絶反応を示す。いかに聖域なのかよく分かる」などと、橋下ばりの現場への攻撃を始めました。絶対に許せません!
 これは労働者の闘いが、吉村市長と安倍政権を追い詰めた結果です。国鉄分割・民営化でも、橋下市長の攻撃でも、大阪市の現場の団結はつぶされていません。
 大阪市の下水道や交通の民営化では、組合本部が民営化を推進するという大変な状況の中でも、現場労働者は闘い抜きました。市立学校への税源移譲による教員に対する団結破壊に対しても、大阪市教組は繰り返し集会を開き、反撃を叩きつけてきました。この絶対反対の闘いに追い詰められ、吉村市長がなりふり構わない反動攻撃に出たのです。
 学校で働く労働者も、保育労働者と同じです。子どもたちに「人を思いやろう」「差別や戦争を許さない人になろう」という人間としてあたり前のことを、真剣に教えてきました。
 吉村市長は、そういう労働者の想いや団結をなんとしてもつぶし、戦争に向かいたいのです。しかしこれは、全ての怒りをひとつにして戦争反対の大運動を作り出す決定的なチャンスの到来です。
 大阪市労組交流センターは、関西保育集会で作り出した地平をもって、吉村―安倍打倒の闘いに全力で立ち上がり、「改憲・戦争阻止!大行進」運動の最先頭で闘います。