交流センター結成30年、改憲阻止で荒々しい階級闘争の復権を
結成30年、改憲阻止で荒々しい階級闘争の復権を!
結成30周年、改憲阻止で荒々しい階級闘争を復権しよう!
★2019年新年アピール
田中 康宏(全国労組交流センター代表・動労千葉委員長)
◆結成30周年の節目の年
2019年は、全国労組交流センターにとって30周年という節目の年になります。激動情勢で全国労組交流センターの飛躍が問われていて、交流センター運動を発展させる年にしていきたいと思います。
全国労組交流センターが生まれたのは、国鉄分割・民営化が強行され、総評解散・連合結成の1989年でした。ナショナルセンターが解散するという日本労働運動の全歴史の中で最大の転換点の年でした。労働運動の後退の中で、われわれに何ができるのか、中野洋前代表と佐藤芳夫さんが相談して立ち上げたのが全国労組交流センターでした。
動労千葉は国鉄分割・民営化反対ストライキを闘いました。他方、動労・革マルは、新自由主義の手先となり、首切りの先兵になりました。国労は闘いの方針を出せず24万人いた組合員が4万人になるまで崩れました。われわれ自身がこうした事態を乗り越えていくために全国労組交流センターを作ったのです。30年間小さくても時代の困難に立ち向かって、よく闘ってきたと思います。
しかし、1989年から後退した日本の労働運動に立ち向かって頑張ってきたという確認だけではダメで、これからの新しい歴史へ一歩を踏み出すことが必要です。
連合は、本質的には階級対立を否定した運動で、労働運動ではありません。連合に抗して全国労組交流センターを結成したことは大きかったと思います。今、関西地区生コン支部、港合同、動労千葉の3労組陣形があるのも交流センターがあったからです。国際連帯闘争も韓国、アメリカ、ドイツなどの労働者との共闘で、動労千葉が国鉄戦線や千葉という地域だけでなく、全国全産別の運動と結合して階級的労働運動を形成してい
ることを彼らは本当に評価してくれています。交流センターが生み出した階級的労働運動の姿にもっと会員自身が自信を持って確認していいと思います。
その上で、2019年に交流センターが問われている課題があります。それは労働運動は階級闘争だということです。階級闘争の中心的大黒柱が労働運動だということです。労働者階級こそあらゆる階級的解放を軸にあらゆる勢力を団結させて進み社会主義へと変革していく存在だということです。日本の労働運動の中に階級闘争の考え方を復権させなくてはならないと思います。
世界では、韓国、フランス、イギリス、アメリカで労働者が生きていけなくなり、階級的激突が起きています。日本の中に階級闘争の思想を復権しなくてはいけないと思います。これが交流センターの課題です。
2018年は全力で闘いぬいた地平があります。「改憲・戦争阻止!大行進」運動が新たな大衆的運動を切り開きつつあります。しかし、日本の護憲運動は、政府と労働者が非和解的関係にあって実力で激突する情勢であるにも関わらず、戦争法や反動法案が国会を通過しても野党を応援することだけが運動になり、「立憲主義」だけが抵抗する手段だとしているのです。だからこそ「改憲・戦争阻止!大行進」運動で職場闘争を軸に階級闘争を復権する時だと思います。階級闘争の復権とはマルクス主義の復権です。
自らの職場からの闘いを軸に改憲・戦争を止める闘いを作り出すことです。安倍政権に対する政治闘争をやり、階級闘争の思想を復権することが課題であり、それは交流センターの組織拡大と表裏一体の課題です。多くの職場で労働組合の存在そのものが失われている中で、労働運動を復権させることで、交流センターの組織拡大を実現していくことだと思います。
◆11月集会が開いた地平と課題
11月集会は、各職場、各諸戦線、各地で奮闘したと思います。だからこそ総括が大事です 。
労働運動、様々な運動は、改憲を正面から見据えることなしに成立しません。そういう時代、情勢です。一昨年の11月集会を2部構成にしたことは、一つの重大な決意でした。3月25日の大行進運動の立ち上げ以来8か月あまり、1年間の目指した飛躍は、大きかったと思います。3労組は、国鉄闘争を土台に継続してきたましたが、一つこえて改憲・戦争ということで真正面から訴えました。この下に何人かの賛同者が集まってくれました。全国各地で新しい踏み出しがありました。本当に、自らのあり方の変革、取り組みがあり、つかんだ可能性は、各地の討論と運動そのものにあると思います。それを普遍化し全体化して、11月集会が培った大きな可能性、改憲・戦争を絶対に止める今の時代におけるもっとも本質的な課題をめぐって、この安倍政権、日本帝国主義にたいして、運動体・組織をつくっていきましょう。すべての闘い、人生をかけて決断しようという絶対必要な出発点をつくったと思います。
3労組は、階級的労働運動をつくり直す闘いに立ち上がっています。職場が困難で、どうしていいのかわからない中でも、3・25から改憲阻止に命をかけてでも闘うという思いが、11月集会を作り上げた。 11月集会を成功させた上で、問われる課題、各地が立ち向かってきた課題は何か。
大事なことは、我々自身の中にしか可能性はない。10、20年継続して闘ってきたことに確信を持ちきることです。権力の攻撃で分断され、労働運動が簡単には通用しない。僕らに可能性はあるが、今までのようなあり方ではだめです。力があるとしたら、これまでのあり方を転換することです。全存在かけ、発想の転換に踏み出す。これが時代の要請です。
改めて改憲とは何か。それぞれの地域で、憲法講座とか様々な形で、真正面から改憲との闘いをすえて変わろうとしている。労働運動の現状や既成の体制内的な護憲運動は惨憺たる現状です。こういうものじゃないものをつくる。国会前は、徹底した実力闘争の否定でした。こんなので階級闘争になるのかということです。フランス、韓国では、生きるための実力闘争・運動が呼びかけられている。労働運動とは、荒々しいもの、怒りの爆発です。われわれが労働者を獲得する力をもつことが求められています。
◆教労と自治労が立った
国鉄と教労、自治労が立ち上がりました。国民投票法で、一番の攻撃、解体の対象の産別です。ここがまず声を上げた。それが一段階です。広島、神奈川、千葉で、獲得力をもった運動が始まりました。「自分の人生でやり残したことがある」という人たちが結集してきています。次は青年層の獲得です。これがいけば、運動は一気に進みます。ここまでは11月集会で切り開いたと思っています。
いくつかの具体的なことを話します。広島の教労が立ち上がりました。改憲が出てきて、本気になって踏み出し、広島の教育労働者改憲反対の100人声明。これは地区の仲間たちの総意で始まりました。すでに100人を超えて、広島発の全国の教育労働者への呼びかけが始まろうとしています。
神奈川では、三浦半島教組の教育労働者が改憲・戦争に立ち向かう運動が始まりました。横須賀の改憲阻止のデモに150人が結集。その中心には、共に現場から闘う野本三吉さんが立ってくれています。春に1000人集会をめざしていると聞いています。自治体・教育・医療の産別で踏み出す一歩を11月集会は開いたと思います。千葉も12月16日に教育労働者集会を行いました。沖縄の授業での教師が作った資料を回収され、教育委員会が介入してきた。しかし、千葉高教組は、この問題を取り組まないと決めた。それで、僕らは慎重に議論を重ねて、先日の実行委員会では、ある教師が「千葉県高教組再生運動」と言い始めました。本気になって踏み出せば、自らの運動のなかから、新しいものが生まれてきます。
この過程で、23区特区連でマイナス人勧との闘いが大きく発展し、ついに実施を阻止しました。本当の意味での組織化が求められています。11月集会で、結集は増えたわけではない。しかし、改憲・戦争阻止大運動は、新たな可能性を生み出していると総括していいと思います。
星野文昭さん奪還闘争も次元が新たなレベルに発展し、前進しています。全戦線で、こうしたことが起きていると思います。11月集会・大行進運動でかちとられた地平に全体で確信を持ちましょう。集会自体も、新しい領域にふみこみました。関生弾圧粉砕、国鉄闘争、日教組、自治体、過労死家族の会など新たな内容。それぞれを発展させていくことが課題です。これから若い力をこの運動のもとに結集させれば本物になると思います。
◆改憲をめぐる情勢
臨時国会が閉幕しました。何よりも安倍は政権として体をなさない危機にあります。メイやマクロンとまったく同じです。傷だらけの内閣で、憲法審査会も凶暴だけで腐敗まみれ、人材がいない。しかし、本気で自民党改憲案を提出する。入管難民法のやり方は、支配する側の人間のやることではないです。しかし、野党がだらしがないから通る。支配の崩壊ですが、反動的に突進しています。沖縄の辺野古に土砂を投入しました。これ自身が改憲で、ナチスの非常事態と同じです。通常国会で、改憲を強行していくしかない。天皇問題があっても、改憲をやると踏み切ると思います。今こそ武装解除することなく闘いをやる時です。
戦争の危機、根底にあるものは、リーマン・ショックを数倍するようなバブルの崩壊です。中国の想像もつかない民間部門が全部崩壊しています。米中貿易戦争が始まっています。世界経済は収縮し、利害をつらぬくためにかつてのようなブロック化が世界を覆います。こうした情勢が安倍に改憲をさせようとしている根本にあります。フランスで起きている事態、ホンジュラスの大行進をどう見るのか。すべては社会の変革以外にないのです。フランスでは暴動が起きています。ベルギー、オランダに波及。マクロンの支配は崩壊しています。イギリスのメイ首相も打つ手がない。この現実はメルケルも同じです。支配が完全に 崩壊して労働者が階級として登場することが求められています。
日本も改憲という問題の裏では、戦後の社会のあり方が根底から覆ろうとしているのです。すべてが新自由主義の破産です。
水道法の改悪で、根底から社会が破壊されます。2019年には、大阪で小中学校、公設民営の学校が一気に広がります。公設民営、チャータースクールは、点数で補助金が変わるのです。教育じゃなくて資本の利益のための教育産業になるのです。米のウエストバージニアで起きたことが日本で現実に起こります。年金問題 、増税問題、これが戦争を生み出す根本でああり、人を人とも思わない政治です。
その中心が労働運動、現代の産業報国会攻撃です。しかし、今なら勝負できる。真剣に立ち向かうことを訴えます。
◆国鉄闘争をめぐる情勢
JR東労組すらつぶす第2段階の攻撃がきています。3月ダイ改のプレス発表がありましたが、組合には提案しない。社員にタブレットが渡されて、一方的に2千数百件もの情報を送ってくる。何かを検索しても15分くらいかかる。本当に労組解体攻撃です。
さらに11月下旬、深沢社長は、グループ会社の労働組合に「東日本労連から脱退しろ」と指示しました。「12月19日に東労組の臨時大会を開け」と会社がやっている。まだ対抗的な部分を統制処分し、今の執行部もつぶすつもりです。東労組をつぶして純粋御用組合を作るといううわさもあります。労組破壊撃を本気になってやっています。
職場では秋葉原、千駄ヶ谷駅などを無人駅にする。電力など、新幹線以外を外注化していく。 これに立ち向かう勝負をやりきるつもりです。新たな闘いを展開します。新たな裁判闘争も開始します。
◆拠点をつくる議論を
労働組合の拠点、運動をつくる、それは全責任をとるということです。階級的なことが、全部具体性で問われます。上からかっこいいことを言えばいいということではありません。拠点ということに関して、真剣な議論をしませんか。これが大事だと思います。
入管難民法との闘いは昨年末にデモを行いました。
通常国会、開会日に行動を行いましょう。3月には、全国の大行進運動集会を杉並で行いたいと思います。改憲・戦争阻止運動にかけて選挙もやっていきましょう。全国の大行進運動の拠点をつくるための選挙にしたいと思います。洞口ともこさんが大行進運動を自分で構想し、自分は人生をかけて拠点を打ち立てると訴えることだと思います。労働組合は信頼関係です。拠点といっても、労組をまわっていれば拠点ができるというものではありません。選挙の集会ではなくて大行進運動として開催したい。3月改憲戦争阻止大行進の1周年、杉並で、方針を練ってもらいたい。
5・1メーデーは全国結集でやりたい。大阪に行って3労組と話します。本気になって呼びかけましょう。われわれだけ で「階級的だ」と言っても、もう通用しない。大行進が中心になって天皇即位に負けるわけにはいかないです。天皇即位こそ改憲攻撃です。
医療産別も、中規模病院、経営コンサルタントが入り、民営化、新自由主義攻撃が始まっています。敵は一致してかかってきているのです。セコムが病院経営の中軸になっています。医療制度改悪をめぐって産別で議論になっているのは明らかです。
◆階級闘争で組織拡大へ!
2019年は、安倍政権が改憲・戦争に突進する中で、労働運動の解体、現代の産業報国会化をめぐる攻防に勝てるか否かが勝負になっています。それは、関生支部への大弾圧を見れば明白です。安倍政権は労働運動解体にかけています。関生支部弾圧粉砕の闘いは全労働者の課題です。
JRも同じです。執拗(しつよう)に新自由主義の尖兵(せんぺい)だったJR総連を解体する攻撃に出ています。日教組・自治労への解体攻撃も激化しています。東京都23区のマイナス人勧攻撃も明らかに自治労解体攻撃です。新人事賃金制度で最低賃金にしていく攻撃です。これに立ち向かえなかったら労働組合の存在意義が感じられなくなる。日教組つぶしの攻撃も激化しています。入管難民法が国会を通過した翌日から、UAゼンセンが外国人労働者が多く働いている日高屋の労働者1万人を組織化しました。UAゼンセンは9月全国大会で「武力行使を含めた平和維持のための行動ができるよう」改憲論議を進める必要があると打ち出しました。
こういう情勢に抗して、連合や全労連、未組織の現場から交流センターの会員が組織化していく意味は決定的だと思います。
階級的労働運動は、拠点を定めて職場闘争を展開していけば、闘いは具体的に問われてきます。それは逆に言うと困難でもあります。前進すればするほど、多くの人が結集してくればくるほど、前進することがもっと大変になります。その困難に立ち向かうことこそが課題です。
特区連のマイナス人勧との闘いですが、春に特区連の執行部が新人事賃金制度を呑んだことでマイナス人勧になることは明らかだったと思います。しかし、組合員にも明らかにせず職場討議にもかけなかった。率直に言って機能を失っていると思います。私たちが取って代わらなくてはいけないところに来ていると思いますが、口で言うほど簡単なことではありません。何をなすべきか。できることを必死にくらいついていくことだと思います。現場組合員のマイナス人勧への怒りは大きいので、組織方針が問われています。
こうしたことはあらゆる職場で起きています。社会が崩壊し、矛盾が噴出する中で、一つひとつ現場で闘ってくらいついていくことが必要です。労働運動の拠点をつくるために、必死の格闘が求められています。
動労千葉も内房線と外房線を守る会の運動が地域ぐるみ闘争に発展して、勝浦地域で病院、学校、観光協会などから1万2千筆もの署名が集まりました。列車が削減されると地域が崩壊して生きていくことができなくなるからです。階級的労働運動を発展させていく可能性があるのですが、この中で格闘して何ができるのかです。CTSでも230人の職場で147人から支持されて動労千葉の関副委員長が職場代表選挙に勝利しましたが、職場の中で何をなすべきかです。年末のボーナスが少し上がったのですが、職場の仲間から関副委員長に「ありがとう」と声がかけられています。
職場の拠点をつくるということは大きな責任をもつ覚悟が必要です。
改憲・戦争と立ち向かうということは、真正面から権力・右翼と衝突することになります。私たちの闘いは、そういう力を引き出して階級闘争を復権する闘いです。だから実際の力をつくりだして形にしていくことです。右翼と激しく闘っていく。そういう階級闘争、マルクス主義の復権を具体的闘いを通して切り開いていくのです。立憲主義の批判だけでは何も始まらない。多くの人が闘いを求めています。改憲阻止闘争を階級闘争として発展させていくことだと思います。職場闘争と社会全体を変えていくことは一体で進みます。改憲阻止の運動の前進が職場の青年たちの意識を変えていくと思います。安倍政権の攻撃は、階級意識を解体していく攻撃です。だからこそ粘り強く闘って現実の闘いを組織することです。階級闘争は、一挙に大量に階級の意識を変化させます。全国労組交流センター結成30周年を迎えて、改憲阻止を軸に、荒々しい階級闘争を復権させていく年にしていきましょう。
(以上の文章は、12月18日の11月集会総括会議で田中委員長が提起した内容を加筆・修正して新年アピールとしたものです。文責は編集部)
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
全国労働組合交流センター第26回全国総会
●日時:2019年2月2~3日
●場所:千葉市内
全国労働組合交流センター結成30周年記念レセプション
●日時:2019年2月2日(土)18時30分開会
●場所:千葉DC会館