関生支部への弾圧は改憲・戦争攻撃の最先頭の攻防
関生支部への弾圧は改憲・戦争攻撃の最先頭の攻防
全労働者の力で粉砕し、仲間を奪還しよう!
冨山小太郎(関西労組交流センター)
12月8日、大阪市・中央区民センターで、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(以下、関生支部)に対する一連の弾圧を許さないために、「労働組合つぶしの大弾圧を許さない12・8集会」(主催・実行委員会)が600人の大結集で打ち抜かれました。
関生支部への弾圧は、安倍政権による改憲・戦争攻撃そのものであり「共謀罪のリハーサル」(集会決議)とも言うべき労組破壊攻撃です。逮捕された仲間は完全黙秘を貫き、獄外の仲間も裁判傍聴や警察署抗議行動など連日の救援活動を展開して、権力の思惑を打ち砕いています。12・8集会は労組破壊攻撃に対して総反撃する決意を打ち固める決起の場となりました。
労働組合への共謀罪弾圧を絶対に許さない!
集会は実行委員長の樋口万浩さん(全港湾大阪支部委員長)のあいさつで始まりました。そして、一連の弾圧の経過を明らかにしたビデオの上映に続き、関西生コン支部の坂田冬樹副委員長が「経過報告と反撃の状況について」と題して闘いの報告を行いました。
坂田副委員長は、はじめに「1年間で逮捕、再逮捕の累計で40名、家宅捜索は90カ所、異常な状況が継続しています。これは国策捜査であって権力による拉致監禁攻撃、団結権の侵害です」「共謀罪が初適用されるかもしれないが、何があってもおかしくはない」と述べました。そして、差別排外主義者と連携する大阪広域協執行部と、大阪広域協にすり寄り下部組織となった共産党系・建交労、UAゼンセン、連合・生コン産業労組の裏切りを断罪しました。さらに、弾圧の中で「労働組合の権利そのものがないがしろにされている。すべての労働組合、市民運動にしかけられた弾圧であり、国家的犯罪」と強調し、「関西生コン支部は今以上、これまで以上という気持ちで闘う」と表明し、会場の圧倒的拍手で確認されました。
続いて、関西生コン支部刑事弾圧弁護団の森博行弁護士(大阪労働者弁護団代表幹事)が、「警察が、組合員への不当な逮捕、呼び出し攻撃で脱退強要を行っていることは違法であり、不当労働行為だ」と弾劾し、「逮捕を恐れてはいけない。中に入ったら休めるくらいの気持ちで、闘い抜いてほしい。弁護団は全力で闘い抜く」と述べました。
追い詰められているのは資本・国家権力だ!
続いて、11月29日に大阪地裁で行われた勾留理由開示公判で武建一委員長が陳述した意見を、小田幸児弁護士が読み上げました。
この中で、武委員長は、結成以来54年の関生支部の闘いの歴史の中で、4度の大弾圧を打ち破った経験から、「関西生コン支部の運動が大きく前進した時に必ず権力弾圧がある」と、追い詰められているのは国家権力・資本であることを明らかにしました。
武委員長の意見陳述は、関生支部の闘いの歴史をとらえる上で極めて重要です。以下、引用します。
「最初の権力弾圧は1973年です。この時は集団交渉が初めて実行された時で、融資並びに親会社に対して、背景資本に対する責任追及が展開されて大きな成果を呼びました。それから、当時の同盟という労働組合、現在の生コン産業労働組合ですが、これらは会社が作った労働組合で、私どもが労働組合を作ったらすぐに会社が労働組合を作る。労働組合によって会社と差別化をするというような労働組合であった。これが72年から74年の間に、完全に我々の闘いによってそういうことが通用しなくなった。その時、私を始め三人の仲間が逮捕・監禁罪で逮捕されました。(中略)
その次に弾圧があったのは1982年です。この時には、大阪・兵庫生コンクリート工業組合と我々労働組合とが使用者責任を確認して、工業組合が労働団体との交渉団体であることを確認した上で、交渉権、集団交渉という形態をとって、賃金、休日、福祉の問題、労働条件が、労働組合があるところとないところ全て共通する、そういうような制度ができたんです。そのことによって、生コンの労働者は、名古屋、静岡、東京と関生型労働運動が広がったわけです。関西においては、生コンの多くの仲間が結集しただけでなく、出入り業者のダンプの労働者が500人ほど結集し、原発の下請け労働者の組織、国鉄の新幹線保線労働者の組織化、バス・タクシー・トラックなど色々な分野で組織が拡大し、わが組織が3500名までに成長した時期なんです。(中略)
その次の大々的な攻撃は2005年です。大阪府下の17社18工場の、いわゆるアウト、イン外業者を大同団結しようということで、それが実現する手前までいったのですが、この時も大阪府警が中心になって、私をはじめ数名程を逮捕して、結局、大同団結が不発に終わりました。
そして今回は、2015年にいわゆる広域協組が私どもと一緒になって大同団結してゆり戻し値上げが実現し、これが関西一円にずっと広がっていき、そしてその出入り業者のミキサー車の運賃の値上げ、あるいはバラセメントの運賃の引き上げなどなど、大きな成果が得られていたわけですが、このときにまたこのような弾圧です。
関生支部は、こうした不当弾圧を打ち破る中で、劣悪な労働環境であった生コン産業において、中小企業をも団結させる協同組合運動を継続し、大資本の支配する産業の仕組みを変える運動を実現してきました」
関生支部とともに闘う!
集会はその後、ユニオンや反原発を闘う各団体からの連帯発言へと続きます。全国金属機械労働組合港合同の中村吉政委員長は、関生支部を高野豆腐に例えながら、「厳しい環境ほど、指導部が固く団結していく。弾圧は絶対に打ち破れる」と熱烈な連帯を表明しました。
最後に、全港湾大阪支部の小林勝彦書記長がまとめと行動提起を行い、「滋賀県警・大阪府警による連帯労組関生支部弾圧を弾劾する」決議を読み上げ、会場からの万雷の拍手で確認されました。
関生支部の闘いは、全労働者にかけられた攻撃です。職場や地域から弾劾の声を上げ、仲間を直ちに奪還しましょう!