高線量地帯に向かって列車を走らせるな 9・22水戸集会に結集を
高線量地帯に向かって列車を走らせるな 9・22水戸集会に結集を
高線量地帯に向かって列車を走らせるな!
9・22水戸集会に結集を!
石井 真一(動労水戸委員長)
常磐線全線開通の動き
2020年東京オリンピックに向けて、常磐線全線開通の動きが激しくなってきました。
JR水戸支社は、7月5日常磐線特急列車であるひたち号とときわ号を来年3月までに仙台駅から品川駅まで走らせることをマスコミに発表しました。
これは、福島第一原発事故以来不通区間であった富岡駅から浪江駅を開通させ、常磐線を全線開通させるということです。
双葉駅、大野駅、夜ノ森駅は、双葉町と大熊町にあり、今も年間50ミリシーベルト以上の帰還困難区域です。
こんなところに列車を走らせて安全なのか。誰もが思うことです。
5月27日、JR東日本と動労総連合が行った団交で本社は、「列車が走る線路と駅は除染されて年間20ミリシーベルト以下だから大丈夫だ」「来年3月には、帰還困難区域が解除される」と言い放ちました。
また、「周囲は帰還困難区域が広がっているが、放射性物質が車両に着いて、仙台から東京・品川まで拡散するのではないか」との質問には、「車両には放射性物質は付着しない。だから測定もしない」と回答しました。とんでもない回答です。
じゃあなぜ車両を洗浄機で洗浄しているのか。洗浄しない車両は埃で真っ黒になるのです。
7月初めに福島第一原発の近くで現地調査した茨城労組交流センターの仲間は、6号線と福島第一原発の間の中間貯蔵施設の箇所に、ダンプカーが20台ぐらい鈴なりになってフレコンバックを運び、袋から汚染土を出して埋めて、ローラーをかけているところを見ています。海から風が吹き付け、土埃が飛んでくるのは明らかです。それを吸い込み、内部被曝し、健康被害が起こることは容易に想像できることです。
9・22水戸集会のよびかけを決定
動労水戸は、この問題に対し9月22日、水戸市において反対する集会とデモ行進を呼びかけることにしました。労働組合としてこれを看過することは出来ないし、これまで被曝労働拒否闘争を継続してきたことからも許すことはできません。
JRの各労働組合や、県内の団体、人士に実行委員会形式で呼びかけました。7月7日、20名が集まって第1回実行委員会を開き、9月22日に水戸市駿優会館で集会とデモ行進を行うことを決め、集会名も検討して「高線量地帯に向かって列車を走らせるな」と決定しました。7月20日には初めて水戸駅前で街宣を行い、ビラの受け取りもよく、署名する人や討論の輪が広がりました。手応えは十分です。
7・17水戸支社の提案
7月17日にJR水戸支社から常磐線全線開通について提案がありました。それは、これまでの運用の常識を覆し、いわき運輸区の運転士・車掌は、富岡駅までしか行かないとし、いわきから仙台までを原ノ町運輸区の運転士・車掌が担当するというものです。
3・11東日本大震災前は、いわき運輸区は原ノ町駅まで乗務していました。しかし今回の提案では、富岡駅で乗り継ぐことになります。福島第一原発の脇は全て原ノ町運輸区の運転士・車掌が乗務することになり、いわき運輸区の運転士・車掌と分断し、原ノ町運輸区の労働者に被曝することを押し付けるものです。本当に悪辣なやり方です。そこまで、労働者を分断しながら、誰も住んでいないところに列車を走らせる必要があるのかということです。
JRは労働組合のない会社へ
JR東日本は、労働組合のない会社を目指しています。国鉄分割・民営化や外注化にも率先協力してきたJR東労組をも切り捨て、労働組合ではない社友会を育成しようとしています。社友会主催のイベントを開催し、会社の常務取締役を呼んで講演させ、そこに来た社員に加入届を書かせるというやり方です。社友会に入ることは、労働組合を脱退することになるため、会社ぐるみの不当労働行為です。
社友会を育成することで、好き勝手に職場を外注化し、要員を合理化するということです。すでに、車掌の合理化が全面的に進められています。その典型がワンマン運転で、車掌廃止の攻撃です。今ワンマン運転できるのは2両編成までですが、5両編成やそれ以上にもワンマン運転を拡大しようとしています。運転士はAIによる自動運転、車掌はいない、駅は無人化で、駅員がいても外注化で別会社、そんな鉄道会社にしようとしています。
今こそ職場に労働組合を!
労働組合をなくして、労働者の抵抗する術を奪おうとする攻撃に屈してはなりません。今こそ職場に闘う労働組合が必要です。声を上げることが必要です。9・22水戸集会に集まってください。
集会への賛同もよろしくお願いします。