住民から命と生活を奪う 424病院統廃合に絶対反対

全国のみなさん。
11・3全国労働者集会に向けての医療福祉部会ビラです。
医療介護労働者の仲間が職場配布し、また再編・統合の対象となっている全国の病院労組に地域の仲間が届けてください。裏面は、昨年医療介護福祉系5労組が発した「命を守る労働者として、改憲発議に反対します」共同アピール(若干改定しました)です。 よびかけ.PDF(表裏)

労組つぶしと総非正規化、住民から命を奪う424病院統廃合

医療・福祉の民営化・営利化 絶対反対

11・3 全国労働者集会(東京・日比谷)に集まろう

「424病院に『再編検討を』」「厚労省、非効率解消促す」と、9月27日付の日経(図)はじめ各紙は一斉に大見出しで報じました。424病院とは、全国の公立・公的病院の25%! 厚労省はこれを名指しして、「統廃合せよ」と迫ったのです。その規模、やり方、どれを取ってみても明らかに一線を越えています。
これに先立つ9月20日、政府は「全世代型社会保障検討会議」をスタートさせました。初会合では中西・日本経団連会長や桜田・経済同友会代表幹事など資本家たちの代表が顔を揃え、「75歳以上も(自己負担)2割とか、大いに前向きに議論したらいいのではないか」とぶち上げています。結局のところ「全世代型」とは、高齢者からも現役世代からも給付減と負担増で搾り取るということしか意味しません。
大不況と税収減、そして超高齢化にともなう医療費の増大が、「医療・福祉は非営利が原則」など建前としてももはや口にすることができないような現実を、資本家たちに強制しています。医療福祉を資本の利潤追求の残された最後の草刈り場にして、群がり搾り取る。これが、医療福祉の民営化=営利産業化であり、その切っ先が、安倍政権が進める「地域医療構想」にほかなりません。

(2019年9月27日付の日経新聞、画像クリックで拡大表示します)

労働組合解体・非正規化と一体

だが、地域医療構想による医療福祉の大再編は、決して資本家たちの思い通りには進んでいません。厚労省社保審医療部会の会合では、出席した委員から
「地域によって地域医療構想の進捗状況に大きなバラつきがある。国が介入すべきだ」という苛立ちの意見が出たといいます。現在動いている地域医療連携推進法人は全国でまだ11法人(6 月末現在)。そのどれもが当初構想されていたあり方とはまったく程遠い、物品の共同購入等を目的としたゆるやかな連携にとどまっています。「国が強力に介入せよ」というような焦りと苛立ちの根拠はここにあります。そしてその突破をかけて、424の公立・公的病院を名指して再編統合を強引に進めようとしているのです。そして統廃合は間違いなく一旦全員解雇・選別再雇用=総非正規化と一体で進みます。そのために、労働組合の解体が狙われています。公立・公的病院が名指しされているのは、地方自治体の労働組合をつぶす攻撃と完全にひとつのものだからです。

国鉄解体・分割民営化と同じ

424の病院を名指しして「再編統合せよ」と迫る攻撃は、32年前の国鉄分割民営化とまったく同じです。「赤字」を口実に地域から公共交通機関を、そして病院を奪い、人が当たり前のようにそこに住むことすらできなくするというのです。だがそもそも、地域に根差して命と健康を守る公立病院が赤字で一体何が悪いというのか。そして公立・公的病院だけではなく、そもそも医療福祉という分野こそ、労働者民衆がそこで安心して生き、働き、暮らし、そして次の世代へとつなげていく欠かすことのできない存在ではないのか。だから「非営利原則」であり、たとえ建前に過ぎないとしても「儲けの対象にしてはならない」とされてきたはずなのです。
危機にあえぐ新自由主義の攻撃は、社会全体を崩壊させてしまおうとしています。生きていくことさえ許さない医療福祉の破壊に対して、私たち医療福祉労働者・労働組合が軸となって地域住民の怒りや思いを真正面から受け止め、その先頭に立ち、はね返していく闘いが、全国各地で始まっています。
労働組合の存在と闘いこそ決定的です。「よりよい地域医療構想」などと絶対反対の立場を投げ捨て、現場での闘いを放棄してすべてを議会内の取引に流し込む既成の医療福祉労働運動の潮流を乗り越え、職場から闘いを起こそう。
労働組合が団結を崩されずに闘いの旗を掲げれば、絶対に勝てます。
11月3日、東京・日比谷野音に集まり、ともに声を上げよう。一緒に銀座デモをやろう!

集会案内

11・3 全国労働者集会(東京・日比谷)

11月3日(日)正午 日比谷野外音楽堂

呼びかけ団体

◎全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
◎全国金属機械労働組合港合同
◎国鉄千葉動力車労働組合
◎国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動(国鉄闘争全国運動)

集会終了後、日比谷・銀座をデモ

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病院再編「住民は不安」 名前公表 知事らが国批判

東京新聞(10月5日)より抜粋

●厚生労働省が全国424の公立病院や日本赤十字社など公的病院の名前を挙げ、「再編統合に向けた議論が必要」としたことに波紋が広がっている。四日には全国知事会など地方三団体と政府との協議が東京都内で行われ、地方自治体側が「住民は不安に思っている。リストを返上してほしい」と厳しい言葉で迫る場面もあった。

●「病院に就職しようとしていた看護師さんが、やめようかと言い始めている。大変な影響が地方で生まれている。リストを返上できないなら、民間病院も含めたリストを出してもらわないと先に進むことができない」。冒頭だけ公開された協議の場で、全国知事会で社会保障を担当する鳥取県の平井伸治知事は訴えた。

●10病院が公表された東京都内では、島しょ部唯一の町立八丈病院(八丈町)も入った。町の担当者は「他の病院は都心にしかない。距離を考えれば住民の不安は大きく、統廃合は受け入れられない」と話す。
ほかにも「統合しようにも近くに相手がいない」との声や「過疎地域では学校と病院が最後の砦」といった声が上がる。

●厚生労働省が全国の公立・公的病院の再編統合を進めようとするのは、団塊世代の全員が後期高齢者となり、日本人の4分の1が75歳以上となる2025年度に向け、「効率的な医療体制への早急な転換が必要」と考えるからだ。

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医療・介護・福祉労働者の共同アピール

命を守る労働者として、改憲発議に反対します!

安倍首相は、10 月4 日に開会した臨時国会において自民党改憲案の提出と改憲発議を行おうとしています。
「戦争放棄」と「戦力不保持」を定めた憲法第9条に、自衛隊を明記した「9条の2」を加え「緊急事態条項」を新設することによって「戦争ができる国」に変えようとしています。私たちは命を守る医療・介護・福祉労働者として、憲法改悪に絶対反対です。
戦争は、わずか「1%」の資本家のためであり、「99%」の私たちが国や民族の違いによって殺し殺される理由などありません。戦争によって命を奪われるのは、他でもない私たちです。戦争が始まったら私たち医療・介護・福祉労働者は真っ先に戦場に送り出され、傷ついた兵士の治療や介護を行い、回復した兵士をまた戦場に送り出さなければならない立場になります。自分の労働を通して戦争の加担者になってしまうのです。同時に、障害者・高齢者を「戦争には役立たない」「生産性が低い」と切り捨てる「命の選別」の加担者にされることです。
しかし、軍事物資を作るのも、運ぶのも、戦地で戦わされるのもすべて労働者なら、それを止めることができるのも労働者です。ベトナム戦争のさなかには沖縄の基地労働者がストライキに立ち上がり、ベトナムに爆弾が落とされなかった日がありました。イラク戦争の時にはアメリカの港湾労働者とイラクの港湾労働者がストライキに立ち上がり軍事物資の搬入出を止めました。労働組合の国際連帯の力が戦争を止めたのです。この社会を動かしている労働者が国境を越えて団結し立ち上がったとき、戦争は止められます。
安倍政権が進める「命よりも金儲け」の社会保障解体、「儲ける医療」への転換のなかで、命を守る私たちの職場そのものが既に「戦争」状態です。医療・介護・福祉の職場で闘うこと、患者・利用者の命と生活を守ること、そして戦争・改憲に絶対反対することはひとつのことです。私たちは、医療・介護・福祉労働者の誇りにかけて、改憲発議に断固反対することをここに宣言します。
全国の医療・介護・福祉労働者のみなさん。組合として、また有志でこの共同アピールに賛同してくださることを心から訴えます。
2018年10月9日(2019 年10 月改定)

呼びかけ:一陽会労働組合(東京都練馬区)/高槻医療福祉労働組合(大阪府高槻市)/八尾北医療センター労働組合(大阪府八尾市)/高陽第一診療所労働組合(広島県広島市)/徳島医療福祉労働組合(徳島県徳島市)

賛同連絡先 〒168-0074 東京都杉並区上高井戸1-32-40
全国労組交流センター医療・福祉労働者部会
FAX 03-5933-2347
メール iryouhukusibukai@yahoo.co.jp

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全国労働組合交流センター 医療・福祉労働者部会
東京都杉並区上高井戸1-32-40 都革新気付  電話 03-6914-0487  FAX 03-5933-2347
メール iryouhukusibukai@yahoo.co.jp
私たちは闘う医療・福祉・介護労働者の全国ネットワークをめざして、全国で闘いを進めています