反撃の狼煙を上げた 11・3全国労働者総決起集会の総括

2019年12月24日

月刊『労働運動』34頁(0357号02/02)(2019/12/01)

安倍政権の労組解体と改憲攻撃に対し、反撃の狼煙を上げた!
11・3全国労働者総決起集会の総括

(写真 青年労働者の律動)

11・3全国労働者総決起集会の総括 白井 徹哉(国鉄闘争全国運動事務局長)

東京・日比谷野外音楽堂で11月3日、関西生コン支部、港合同、動労千葉、国鉄闘争全国運動、改憲・戦争阻止!大行進の5団体の呼びかけによる11・3全国労働者集会&改憲阻止!1万人行進が全国・海外から3900人の参加で開催されました。

●労働組合つぶしとの闘い

国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さんは開会あいさつで「安倍政権は労働基本権をめぐり新しい段階を開こうとしている。関西生コン支部への弾圧とJRでの労働組合の存在を抹殺する攻撃がそれを示している」と述べました。
昨年から続く関西生コン支部への弾圧とJR東日本における労働組合つぶしは、国鉄分割・民営化攻撃以来ともいうべき労働運動への重大な反動です。この労働運動をめぐる困難な状況に立ち向かい、次の闘いの展望をつかみとることが今回の獲得目標でした。
国鉄闘争を結集軸に「闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう」を合い言葉に関西生コン支部・港合同・動労千葉の3労組の呼びかけで始まった11月労働者集会の真価が問われる局面でした。
数年来の減少傾向を打破することはできたとは必ずしも言えない困難な状況のままではありますが、全国各地で新しい闘いが始まり、新たな結集も始まっています。関西生コン支部弾圧への危機感を持った広範な人びと、広島の教職員100人声明や神奈川や千葉の改憲・戦争阻止!大行進などが集会を牽引しました。安倍政権の労組解体と改憲の攻撃に対して、反撃の狼煙を上げることはできたのではないかと思います。
今後、職場・地域から新たな闘いを作り出し、新たな仲間と結合する議論と実践、変革を具体的に開始することがこの集会の実践的総括です。
関西生コン支部への弾圧は、憲法も労働組合法もすべて無視した無法な攻撃です。この間、話題となった佐野SAストに対して資本の側は3億円超の損害賠償請求を行い、公然と労組委員長の退職を要求しています。本当にデタラメな攻撃が展開されています。
しかし逆にいえば、この組織壊滅型の攻撃をうち破った時、敵の攻撃は巨大な矛盾と弱点をはらんだものとなります。猛烈に危機感を持つ人びとは全国に大勢います。関西生コン支部には必ずこれをうち破る力があります。この弾圧をうち破ることは労働基本権と労働運動の未来をかけた闘い(動労千葉の関道利委員長)です。こういう矛盾に満ちた権力の攻撃が吹き荒れるときこそ、労働運動再生の大きなチャンスに転ずることができる。そう考えることもできるはずです。
関生支部の荒川勝彦執行委員は「弾圧に決して負けない。勝利まで闘う」と決意を述べ、港合同の中村吉政委員長は「関生支部への弾圧と闘うことは改憲という安倍の悲願をつぶすことにつながる」と訴えました。
金元重さんは「職場・地域での一人ひとりの行動が大きな世論をつくる」、花輪不二男さんは「関生支部に続く運動を関東でつくることが弾圧への最大の反撃だ」と語りました。

●国際連帯闘争の新たな地平

海外からは、韓国民主労総ソウル本部、ドイツから機関士労組ベルリン都市鉄道支部組合員、台湾から鉄道産業労組代表、桃園市空服員職業労組代表、消防員権益促進会代表が参加しました。
民主労総は今年4月、組合員数が100万人を突破しました。2017年1月の79万人から2年で27%の増加です。公共部門・非正規雇用・青年・女性の組合員が大幅に増加しています。労働組合の結成の契機は、賃金や雇用不安、職場内いじめ、暴言や暴行、セクハラなどの不当な待遇など、日本であれば個別労働紛争にとどまるテーマで10万人単位の労働者が労働組合へと組織されているのです。
台湾では、官製の企業内組合をのりこえて数年前に産業・職業別の労働組合として台湾鉄道労組が設立されたそうです。人員不足などを理由に修理もせずに運転を強要したあげくの脱線事故を弾劾して闘い、動労千葉との強い連帯を求めて来日しました。台湾では航空や鉄道などで活発な労働運動が展開されています。
香港から連帯メッセージも寄せられ、東アジア全体の激動情勢と連帯して、日本の労働者階級の名において労働運動の再生と、改憲・戦争阻止を闘い抜くことを改めて決意しました。
11・3集会に先立ち東京駅丸の内の三菱重工本社前で「三菱重工は判決に従い謝罪・賠償しろ!」の横断幕を広げて弾劾行動を行いました。民主労総ソウル本部を先頭にドイツ、台湾、日本の労働者ら100人を超える行動となり、重要な国際連帯闘争の実践となりました。

●JR大再編攻撃との闘い

JR職場では、自動運転導入・ワンマン運転拡大、運転士・車掌の職名廃止など激しい攻防の最中にあります。JR大再編攻撃との闘いの決意を動労千葉・動労水戸が語りました。1047名解雇撤回闘争をめぐっては、千葉県労働委員会の申し立て却下・千葉地裁の不当判決を弾劾し、新たな闘いを宣言しました。
国鉄闘争と関西生コン支部への支援を全国に訴えることは、あらためて労働運動の基軸的テーマです。
「働き方改革」との闘いとして、東京・過労死を考える家族の会の中原のり子さんが「過労死は社会的な殺人です」と訴え、コンビニ関連ユニオンの河野正史委員長が「正月ぐらい休ませろ!」の年末年始のストライキを宣言しました。郵政や自治体、医療の各産別から職場からの闘いが力強く呼びかけられました。

●改憲・戦争阻止への決起!

第2部の改憲阻止!1万人行進は青年労働者の律動と歌で始まり、広島教職員100人声明が全国に闘いを呼びかけ、神奈川や千葉の大行進、百万人署名運動、表現の自由を市民の手に全国ネットワーク、三里塚芝山連合空港反対同盟、沖縄大学学生自治会、福島診療所建設委員会、星野全国再審連絡会、全学連、憲法と人権の日弁連をめざす会が改憲阻止闘争への決起を訴えました。
改憲と戦争への根本的な怒りを広範に結集して、韓国のロウソク革命や香港の闘いと連帯して、真正面から安倍政権と対決する改憲阻止の闘いを開始しようではありませんか。来年11月労働者集会に向かって闘おう!

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Posted by kc-master