国鉄分割・民営化で解雇から 33 年 2・ 16 国鉄集会へ結集を

『月刊労働運動』2020年2月号掲載

 

 

政治和解から10年

国鉄1047名解雇撤回闘争をめぐる2010年4月の政治和解から間もなく10年です。
当時、政府と与党(民主・社民・国民新党)と公明党の間で政治決着の合意が成立し、国労本部など4者4団体が受け入れを表明、新聞やテレビで大きく報道され、国鉄闘争の終結が世間に強く印象付けられました。前原国交相は「国鉄改革は大きな成果をもたらした。国鉄改革の完遂に全力を挙げる」という談話を発表しました。政治和解は国家的不当労働行為への謝罪も解雇撤回もなく幾ばくかの金銭と引き換えに、政府が〝勝利宣言〟を発するものでした。

国鉄分割・民営化は、戦後最大の労働運動破壊の攻撃であり、これに抵抗して四半世紀に迫る闘争を継続してきたのが国鉄1047名解雇撤回闘争でした。この闘いが次への展望も総括もないまま闘いの旗を降ろすという、きわめて重大かつ深刻な局面にありました。
容易ならざる状況でした。これを突破する道は一つしかありませんでした。政治和解は国鉄闘争のみならず日本の労働運動の息の根を止める大攻撃であることを、国鉄闘争に心を寄せてきた人々に訴え、国鉄闘争を闘う全国的規模の運動として新しく呼びかけることでした。
ここに「国鉄闘争の火を消すな」の呼びかけのもと10年6月13日、東京・文京シビックホールに全国から2千人が集まり、私たちは国鉄闘争の新たな全国運動を旗揚げしたのです。
国鉄闘争の新たな全国運動には、動労千葉のみならず和解を拒否した国労闘争団も合流し、全国各界から多くの方が呼びかけ人に加わりました。以来、全国運動は毎年6月に全国集会、2月に国鉄集会を開催し、動労千葉のJR採用差別裁判(鉄道運輸機構訴訟)を支援して署名運動などを展開してきました。
2011年3・11 東日本大震災をめぐる諸闘争、韓国鉄道労組などとの国際連帯もきわめて重要な取り組みでした。具体的には全国で活発な運動が展開され、最高裁署名は10万筆を達成しました。何度も何度も最高裁に署名提出行動を展開し、ついに2015年6月には最高裁判所をして不採用基準の策定は不当労働行為であることを認めさせる画期的な判決をかちとったのです。

原則を貫いて闘い続けることこそが最も現実的に事態を打開する力となることを実際に示したのです。この闘いは現在、千葉県―中央労働委員会を舞台として「解雇撤回・JR復帰」へ向けた新たな闘いを継続しています。千葉県労働委員会の審理拒否に対して行政訴訟も闘っています。

事態は原点に

国鉄分割・民営化から間もなく33年となります。昨年末には中曽根元首相も死去しました。当時、中曽根は「戦後政治の総決算」を掲げて登場し、第二臨調を司令塔に203高地(日露戦争においてロシア海軍基地のあった旅順港をめぐり激戦地となった場所)になぞらえて、国鉄分割・民営化を最大の決戦場として設定しました。中曽根の攻撃の核心が国鉄労働運動の解体にあることは明確でした。

「203高地がついに落ちた。第二臨調以来6年、決意する者の汗と涙と忍耐の成果である……当時はゼネスト、国会の強行採決、暴力、犠牲を覚悟していた……国労崩壊の前に社会党はなすすべもなく、茫然たる日々であった。第二臨調以来の委員、参与に謝電を打つ」。国鉄改革法を国会で成立させたとき、中曽根は首相官邸でこう記したそうです。
この大攻撃を職場生産点から断固として迎え撃ったのが動労千葉の2波のストライキであり、その後の1047名解雇撤回闘争をはじめとした闘いなのです。中曽根の思惑を打ち破って国鉄闘争は営々と闘われてきました。確かに総評は解散に追い込まれ、社会党も解体されました。橋本行革や小泉改革などを経ていまや安倍一強と言われるような権力集中体制をつくりましたが、その強権では危機と矛盾は何一つ解決できないどころか、いまや破局に向かっていることは誰の目にも明らかです。

いまや安倍政権は差し迫る破局を前に、恐るべき腐敗と政治危機の中で改憲と戦争に突進し、JR東日本における「労組なき企業」攻撃、そして関西生コン支部への大弾圧など、労働基本権の解体と労働組合そのものの絶滅を狙う大攻撃に出ているのです。
再び三度、事態は原点に返っている面があります。社会の根本的な問題として労働運動の復権が求められています。「労組なき社会」攻撃を打ち破ることは事態の根本的な問題になっています。社会の崩壊をもたらすような矛盾と危機、攻撃に立ち向かう中で労働運動を再生することが必要です。

国鉄闘争の旗を掲げ闘おう

国鉄闘争は、ありとあらゆる攻撃と反動を打ち破って闘いを継続してきました。あらためて国鉄闘争の旗を高く掲げて労働運動再生に向けたあらゆる努力を結集していく意義は決して小さくありません。
日本における新自由主義攻撃の出発点である国鉄分割・民営化をめぐる闘争が今なお確固として継続し、それが労働委員会を舞台にして解雇撤回とJR復帰をめぐって熾烈なバトルが今なお展開されていることをあらためて全国の人びとに伝え、もう一度、支援と連帯を呼びかけ、労働運動の情熱に火をつけようではありませんか。
動労千葉の関道利委員長は新年旗開きにおいて、車掌・運転士の職名廃止の大攻撃に対して「決してあきらめず、絶対に許さない闘いが必要だ。団結を守って徹底して闘い抜けば何かをつかむことができる。闘えば道は開ける。動労千葉はそれを実践してきた」と断固たる闘争方針を明らかにし、すべてのJR労働者・関連労働者に共に闘うことを呼びかけています。
鉄道業務の中心をなす職種である運転士・車掌を廃止することは、まさしく分割・民営化型の〝ショック・ドクトリン〟です。JRの労働者から誇りと仕事を奪い、雇用も安全も破壊する大攻撃です。3月ダイ改から4・1職名廃止に対し、動労千葉と支援の力で、国鉄分割・民営化反対の2波のストライキを闘った精神で大闘争をやり抜こう。
2020年、関生支援と国鉄闘争の両輪で労働運動の変革と再生をめざす運動を全国で展開しよう。2・16国鉄集会と6月の全国集会は、国鉄闘争の新たな全国運動の10年の闘いを総括し、新たな闘いの展望を切り開く場です。大結集を訴えます。

白井 徹哉(国鉄闘争全国運動事務局長)

◆国鉄分割・民営化による不当解雇から33 年 2・16 国鉄集会
日時:2 月16 日(日)午後3 時開会
場所:東京・葛西区民館ホール(東西線葛西駅徒歩5 分)
呼びかけ/国鉄分割・民営化に反対し、1047 名解雇撤回を支援する全国運動