公立病院が「赤字」で何が悪い! 都立病院独法化に絶対反対します

2020年3月9日

都立病院独法化反対 医療福祉部会ビラ改定

全国労働組合交流センター医療福祉部会ビラ(2020年1月28日発行号)

医療・介護・福祉現場に働く皆さん。地域の皆さん。
昨年末の12月25日、東京都は都立病院の独立行政法人化に向けた「改革ビジョン」(素案)を公表しました。2月7日まで意見公募し、意見を踏まえて年度内に報告書を完成させるとしています。
12月都議会の所信表明で、小池都知事は、都立8病院と都保健医療公社が運営する6病院をすべて都から切り離して別法人化する独法化方針を打ち出していました。そこから7月都知事選を前に一気に「丸ごと民営化」に突っ込んできたのです。
しかし、都内全14病院の独法化方針は、何も決まってなどいません。公立病院つぶしと全職員の非公務員化に対して、現場からは怒りの声が噴出しています。
何よりも、病院独法化は、都労連の先頭に立ってたたかってきた都庁職病院支部・衛生局支部など労働組合を解体しようとするものです。私たちは、都立病院・公社病院の現場で働く労働者と連帯し、独法化絶対反対で闘います。

全国424病院統廃合の先駆け

小池都政による14病院独法化方針は、安倍政権による公立424病院の統廃合の先駆けです。
『週刊東洋経済』(1月11日号)が「病院が壊れる」との特集を組むなど、マスコミを使った「都立病院は毎年約400億円の赤字」「公立病院で『隠れ赤字』が膨らみ税で穴埋め」「公費投入が増えると効率化が遅れる」「公務員の看護師は人員配置や給与体系を柔軟に変えられない」など、悪質な宣伝が行われてきました。
厚生労働省は昨年9月、全国の公立・公的病院424を名指しして「医療費・人件費が効率的でない」と決めつけ、病院の再編・統合、病床削減について結論を出すよう求めました。これに対して、全国の自治体から「住民は不安に思っている。リストを返上してほしい」と激しい怒りの声が上がっています。
公立病院つぶしは、住民が必要な医療を受ける権利、生存権を奪う医療破壊、地域破壊です。地域住民の絶対反対の声があがるのは当然です。
こうした中で、小池都知事は安倍政権のお先棒を担して、公立病院つぶしの先駆けとして、都立・公社の全病院独法化に踏み出そうとしているのです。

生きるための不採算医療担う公立病院潰しは許されない

小池知事は12月都議会所信表明で14病院独法化の理由として「安定的かつ柔軟な医療人材の確保や機動的な運営を可能にする」と述べています。
しかし、都立8病院と公社6病院は、いずれも救急医療やがん治療、周産期、小児科、難病、結核、精神科救急、島しょ医療、リハビリなど、不採算分野ゆえに民間病院では困難だが地域に絶対に必要な医療を担っています。都立8病院の病床は5千床を超え、医師や看護師など正規職員だけで7千人近い。公社6病院の病床は2千、常勤・非常勤職員は5千人弱に達します。地域医療を支えるため、毎年約400億円が都の一般会計から繰り入れられているのは、公立病院として当然のことです。生きていくための医療・福祉を住民から奪う病院独法化は許されません。

国鉄分割・民営化と同じ

都立・公社14病院、また公立424病院を名指しして「赤字だから民営化しろ」「再編統合せよ」と迫る攻撃は、32年前の国鉄分割・民営化の時の手口とまったく同じです。「赤字」を口実に地域から公共機関や医療を奪い、人が住むことすらできなくする地域崩壊です。小池都知事や安倍政権は、危機にあえぐ新自由主義の延命のため、社会全体を崩壊させてしまおうとしているのです。
国鉄分割民営化に対して、JRの労働組合である動労千葉は、2波のストライキを打ち抜き、1047名解雇撤回闘争を続け、最高裁で「不当労働行為があった」ことを認定させました。安倍の意を受けたJR東日本による「労組のない社会」化と真っ向から対決し、20春闘を闘っています。
労働組合の団結こそが民営化・独法化を打ち破る鍵です。

全面的な社会保障制度解体に反撃を

安倍政権は昨年12月19 日に「全世代型社会保障検討会議」で中間報告を出し、「75歳以上でも、一定の所得以上の方については、医療費の窓口負担を2割とする」と打ち出しました。「全世代型社会保障制度」とは、高齢者からも現役世代からも給付減と負担増で搾り取るということです。
大不況と税収減、そして超高齢化にともなう医療費の増大が、「医療・福祉は非営利が原則」など建前としてももはや口にすることができないような現実を、資本家たちに強制しています。
医療福祉を資本の利潤追求の残された最後の草刈り場にして、群がり搾り取る。これが、医療福祉の民営化=営利産業化です。

労働組合の反撃が独法化を阻止する力

小池都知事の都立病院独法化は、必ず打ち破ることができます。14病院独法化は、国鉄分割・民営化がそうであったように、病院勤務の都職員と公社職員全員を非公務員にして組合を破壊し権利を奪う大攻撃です。実際に、2009年に独法化された都健康長寿医療センターの労働者の生涯賃金は1千万円規模で切り下げられました。
しかし、小池都政のやり方は、あまりに労働組合の力をみくびっています。都立・公社病院に働く看護師、医師、薬剤師、研究員、事務など直雇用だけで1万2千人近くの労働者の力、都庁職員労組(都庁職)・病院支部の組合員3千人、都立病院職員を含む衛生局支部の組合員2300人の団結した力を、一方では強行的に押し通そうとしながら、他方では恐れているのです。

全国の仲間が連帯しています!

全国でも医療福祉の労働組合が民営化や新自由主義医療と闘っています。
「地域医療構想」の中軸としての「岡山大学メディカルセンター構想」に対して、岡山大学職員組合の仲間は「非正規職一斉解雇・強制出向反対」を掲げて闘い、ついに頓挫させました。
高槻医療福祉労働組合は、昨年12月18日、組合員13人を指名して冬季一時金ストライキに立ち上がりました。「労働者を無視した『安定経営』などありえない! 金もうけ優先の経営方針を転換させよう」「職員と患者・利用者さんが大切にされる職場をつくろう!」を掲げ、「命よりカネもうけ」の新自由主義医療に反撃しています。
私たちは14病院で働く仲間と連帯して闘います。独法化を撤回させよう!

 都立8病院 主要医療課題
●広尾病院 ER/島しょ/心臓病/脳血管疾患
●大塚病院 周産期/小児/こう原病系難病/障害
者/リハビリ/救急/小児精神
●駒込病院 がん/感染症/造血幹細胞移植/救急
●墨東病院 ER/周産期/精神科/感染症/難病
(リウマチこう原病系、特定疾患)/リハビリ
●多摩総合医療センター ER/周産期(産科部門)
/結核/精神科救急/がん/難病/造血幹細 胞移
植/障害者歯科/心臓病/脳血管疾患/リハビリ
●神経病院 脳神経系難病
●小児総合医療センター ER/小児精神/周産期
(新生児部門)/小児結核/小児難病/小児造血
幹細胞移植/小児臓器移植/思春期/障害者歯科
●松沢病院 精神科救急/精神科身体合併症
 公社6病院 主要医療課題
●東部地域病院 救急/循環器
●多摩南部地域病院 救急/がん
●大久保病院 救急/生活習慣病
●多摩北部医療センター 救急/がん
●荏原病院 救急/脳血管疾患/集学的がん