戦争法案の衆院強行採決弾劾!7・15国会闘争に決起!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0305号04/01)(2015/08/01)

戦争法案の衆院強行採決弾劾!
7・15国会闘争に決起!

川添順一(とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局員)

今こそ安倍政権打倒へ!

 戦争絶対反対を貫く労働者の闘いに追いつめられた安倍政権は7月15日、安保関連法案の衆院特別委員会採決を強行した。安倍らは完全に墓穴を掘った。高村副総裁は7月19日のNHK番組で「国民のために必要だと思うことは、多少支持率を下げても進めてきたのが自民党の歴史だ」と居直ったが、内閣支持率は35%に急落、不支持は51%に急増(7月19日、毎日新聞)と大打撃を受けている。「国民は時間がたてば(強行採決のことは)忘れるだろう」(7月15日、首相周辺)と言ったことが報道され、怒りが膨れあがっている。
 7・15をもって安倍打倒の展望が決定的に切り開かれた。「期限内に衆院を通過したことにより、安保法案の成立はほぼ確実」とマスコミは言うが、そんなことは誰も認めていない。集団的自衛権行使容認の解釈改憲とその戦争法案は、これまでの有事法制や軍事大国化攻撃とは次元が違うのだ。そのことを多くの労働者民衆が認識し始めたのだ。決してやむことのない戦争絶対阻止の闘いが始まったのである。8・6ヒロシマ―8・9ナガサキで安倍を迎え撃ち、8・15集会から国会闘争の後半戦を圧倒的に切り開こう。

怒りに追い詰められ強行採決

 衆議院特別委で戦争法案が強行採決された7月15日、国会周辺は万余の人民の怒りで包囲された。全学連(斎藤郁真委員長)と全国労組交流センターが主催する国会闘争が、朝9時から衆議院第2議員会館前の歩道で開かれた。労働者が年休を取って結集し、学生が授業をぶっ飛ばして集まった。
 同時刻、国会では安保法制特別委で審議が始まった。与党が採決強行を予告しているのだから、野党は審議をボイコットするのかと思いきや、全野党が参加していた。野党議員からは「強行採決はしないで審議を続けてください」というお願い発言ばかりが続いた。
 国会前では斎藤全学連委員長が「本日闘われている韓国・民主労総の第2次ゼネストと心から連帯し、われわれも戦争法阻止・安倍打倒のゼネストに向かおう」と提起。法大文化連盟の武田雄飛丸委員長は、「ビラ1枚も自由にまけない大学のあり方をぶっ飛ばし、戦争絶対反対の闘いを全国の学園から巻き起こしたい」と訴えた。
 「与党が昼頃に採決に踏み切る」というニュースが流れた。全学連を先頭に日比谷公園に移動し、霞ヶ関・国会デモの体制に入った。この時、国会前に数百人が残り抗議集会を続けた。
 午後0時25分、怒号の中で特別委員会の採決が強行された。その時、霞ヶ関デモは多くの飛び入りで350人に増え、「強行採決弾劾!」を激しくコールした。国会前で怒りのシュプレヒコールを何度も叩きつけた。
 再びマイクを握った斎藤委員長は、「労働者や学生の動員なしに戦争はできない。ギリシャや韓国をはじめ全世界で労働者学生人民が生きるためにゼネストに立ち上がっている。学生も労働者も安倍を倒すストライキに決起して、誰が社会の主人公なのか、今こそはっきりさせてやろう」と呼びかけた。飛び入り参加の女子学生、国会傍聴から駆けつけた西川重則さんらも烈々とアピールした。
 続いて動労千葉の田中康宏委員長が発言。「今日は、戦争をたくらむこの国の政府を倒す、新しい歴史が動き出す日だ。腐り果てた労働組合のあり方を現場の力で覆し、国境を越えた労働者の団結で戦争を阻止しよう」と訴え、旭硝子資本の労組つぶしと闘うため韓国から来日した3人の労働者を紹介した。
 鉄柵の設置に抗議していた参加者を機動隊が不当逮捕するという暴挙が起こった。すでに議員会館前の歩道は抗議行動の参加者で満杯になり、道路にあふれ出そうとしていた。歩道に入れない多くの人が、議員会館の敷地から集会に参加し、耳を傾け、拳をあげた。
 さらに動労水戸の石井真一委員長、東京西部ユニオンの吉本伸幸さん、NAZENの織田陽介さん、自公総連SKさくら交通労組の河野晃興委員長などが次々と発言した。最後に、全国労組交流センター代表運営委員の辻川慎一さんが、「どんな困難があっても立ち上がる労働者が現場から続々と生まれている。これがゼネスト情勢だ。この労働者たちと一緒に新しい労働組合をつくり、この夏を戦争絶対反対でとことん闘おう」と訴えた。

労働者の力で安倍打倒へ!

 全学連と労組交流センターが主催した7・15国会闘争は、国会議員や知識人・文化人が集会の中心を占める社共のそれとは違って、労働者と学生の力強さと、安倍打倒の展望を感じさせる闘いとなった。それぞれの発言者が職場や大学でとことん闘っていること、労働組合や学生自治会を組織して安倍打倒のゼネストに向かおうとしていることは、国会前に集まってきた膨大な人々にビンビンと伝わっていった。民主労総の第2次ゼネストと衆院採決情勢が重なったことは実に決定的だった。国際連帯の重要性が具体的に示された。こういう国会前集会を開きたいと思っていたものが、端的に実現されたと思う。
 衆院本会議での裁決時、テレビに映った安倍の表情はくもりがちに見えた。安倍の本音は非常に苦しい、とても大変だ、労働者学生の反乱が怖い、ということではないか。勝負の8~9月である。革命的な時代認識を徹底的に広めながら、とことん多くの人民大衆とつながっていって、安倍打倒の歴史的情勢を切り開こう。