■地平線 動労水戸の被曝労働拒否のたたかいは、自治体労働者の課題となった!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0305号14/01)(2015/08/01)

■地平線 
動労水戸の被曝労働拒否のたたかいは、自治体労働者の課題となった!

織田 陽介(NAZEN事務局長)

 7月19日、NAZEN東京の主催で安倍打倒デモが闘われ、「国を守るな 命を守れ!」「非正規が立ち上がれば戦争も止められる」というデモコールに沿道からも拍手と飛び入りが出る感動的な行動でした。デモ後の集会では、原発再稼働と被曝・帰還をめぐる連合との闘いが報告されました。立川市職労の大畠信子さんの集会発言を以下、転載します。
 安保関連法の闘いで、資本家の為の戦争に動員しようとしても労働者は騙せない、立ち上がると確信しました。15歳の中学生が全学連と話していく、子どもを抱いた30代の主婦が新聞を買っていく、非正規労働者が座り込みに合流、40代の会社員が5千円カンパする。今まで普通に暮らしていた人達が国会前に登場し私達に合流し始めている。
 私は2011年3・11以降、原発反対の集会やデモに参加する組合員と、組合として原発問題等懇談会を立ち上げ活動してきました。執行委員の中には「反原発の学習会をやっても人は集まらない」「組合が反原発や反戦ばかりやっていると若い人から反発がある」という批判がある中、会議の資料に福島診療所建設委員会のサンライズや新聞のコピーを使い、「チェルノブイリハート」「WHOとIAEA放射能汚染を巡って」などを上映しながらメンバーの意識の共有をはかってきました。先日は、3・8被曝・医療福島シンポジウムの報告集の読み合わせ等を行ってきたところです。
 昨年10月に、ふくしま共同診療所・杉井医師の講演会を開催。22人の組合員が参加、楢葉町の帰還強制に対する動労水戸の被曝労働拒否ストライキを知らせることができました。講演会後に、「福島のことをこんなに考えていてくれる医師がいた」と感涙する福島出身の組合員も出て、企画して本当に良かったと思いました。診療所カンパ箱を組合事務所に置くことも出来ました。
 一方で、連合東京から「東京の子ども応援わんぱくプロジェクト」が組合に下ろされました。東北復興応援キャンペーンとして、昨年から全国で開始した連合東京の企画は、7月に福島の子ども達を千葉の富津に呼び、東京の子ども達と交流させ、10月に東京のこども達が福島を訪問するのです。三役の一人が無自覚に職場回覧したのです。私は執行委員会で、子ども達をあえて被曝させ、政府が進める帰還運動を後押しするものと断罪しました。その結果、組合としては、取り組まないことになりました。
 6月30日、原発事故時に避難誘導や物資の輸送にあたる地方自治体職員やバス運転手らの被曝線量の上限を1mSv/hから引き上げる方針が決められました。動労水戸の被曝労働拒否のストライキは、自治体労働者の課題となりました。危機は好機です。職場の団結を拡大し、反撃していきたい。

地平線,連載0305

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