関西のたたかいの中から! 大阪市教組に絶対反対派を

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0333号07/01)(2017/12/01)

関西のたたかいの中から! 大阪市教組に絶対反対派を

(写真 9月9日大阪で、関西の全産別・地区の労働者が結集し、「主流派として躍り出て、職場丸ごとの決起をつくろう」と討論)

関西のたたかいの中から!

大阪市教組の中に改憲・民営化絶対反対派を結集させる闘いを

沼田 祐子(関西労組交流センター教育労働者部会)

 大阪市教育委員会は、政令市への権限移譲をテコにして、大阪市立学校の教職員への「6段階制給与表」「新人事評価制度」の2018年4月導入を狙っています。全国的にも突出したこの制度は、安倍政権による「働き方改革」・労働法改悪による解雇自由、総非正規化、団結破壊と軌を一にする攻撃であり、戦争・改憲・民営化を推し進めるために労働組合の解体・団結破壊を狙う絶対に許すことのできない攻撃です。
 大阪市では2011年に登場した橋下前市長による数々の労働組合解体攻撃に対して、公務職場の労働者は反撃に起ちました。私たち交流センター教育労働者部会の仲間は、その先頭で真っ向から橋下打倒を掲げて闘いぬきました。2012年3月、卒業式での君が代起立斉唱の職務命令に対して、橋下市長による団結破壊と組合解体の攻撃であることをはっきりとさせ、これを許さない闘いとして卒業式での不起立を闘いました。現場の教育労働者の怒りを代表し、絶対反対で闘う労働組合の真の姿を体現する闘いでした。
 橋下市長は都構想の住民投票に敗北しただけでなく、結局何一つ労働組合を解体することができずに打倒されたのです。
 今日、安倍・トランプによる朝鮮侵略戦争が現実のものとなりつつあるとき、労働組合を残し、無準備のまま戦争に突入することはできません。大阪市教委、吉村現市長は、「教え子を再び戦場に送るな」と戦争動員に立ちはだかる教育労働者の労働組合をなんとしても解体する狙いをもって、次のような攻撃をかけようとしています。
 一つ目は、「6段階制給料表」という労働者分断の新給与制度の導入です。今までの教諭(給料表2級)を、「新たな教諭の職」と「教諭」に分断し、「新たな教諭の職」は人事評価の結果等を使って「選考」し、選考不合格の場合は37歳で昇給停止というものです。原資は増やさず、教育労働者同士で金を奪い合わせるとんでもない制度です。評価制度の本質があからさまになりました。同じ仕事をする教諭を競争と分断にたたき込むことで働く者の誇りを奪い、自主退職や解雇に追いやることがねらいの賃金制度は、絶対に認めることはできません。
 さらに新人事評価制度は教職員一人ひとりの「業績・能力」を数値化し、学校園ごとに教職員を相対評価し、第1区分(SS)5%、第2区分(S)20%、第3~第5区分(A、B、C)75%に割り振るというものです。
 事務職員には、本年度から大阪市の行政職給与表に準じた給与表と新評価制度が導入されました。「小中連携(共同実施)」の関連学校の事務主任が、同僚の職員を評価する制度に対して、現場の事務職員から、共同実施に対する新たな怒りの声が広がっています。 
 そもそも私たちの職場は教職員が協働することによって成り立っています。「ミスや失敗」「学級がうまくいかない」など、誰にでもあることです。経験の多い人も少ない人も知恵を出し合い、教職員みんなで助け合うことで教育活動が成り立っています。「公平・公正な評価」「めりはりのある賃金制度」で「職員のモチベーションを上げる」「教職員を育成する」等は私たちを愚弄(ぐろう)する大ウソです。どの府県でも導入されている人事評価制度の本当の狙いは、職場の団結を破壊し、個々人をバラバラにし、労働組合を解体することです。
 この制度導入に関する大阪市教組の緊急集会は、昨年度からすでに4回も開かれています。毎回、会場の席が不足するほど各分会からの参加があります。「7年の間に選考試験に受かったらいい」「ふつうにやっていたら、ふつうに昇給できる」「教職員の給与を守るために制度導入は仕方がない」等の耳を疑うばかりの執行部説明に対して、参加者から激しい怒りと失望の声が沸き起こりました。「執行部は闘う前からすでに、新制度を受け入れようとしているのか」「市教委になりかわって、組合員をごまかそうとするな」等、現場の組合員は、この攻撃の本質が職場の団結を破壊する制度だと見抜いています。
 執行部が押さえ込もうとしても、組合員の怒りや闘いの意志は消すことはできないばかりか、今、まさに労働組合としての闘いの方針を求めていることがはっきりと表れています。
 戦後再び始まった朝鮮戦争に直面した日教組の先輩たちは、「教え子を再び戦場に送るな!」のスローガンを決議しました。そのころ政府が導入しようとした勤務評定に対して「勤務評定は戦争への一里塚」と、「二度と戦争を繰り返さない」という熱い思いと教育労働者の誇りにかけて、絶対反対の闘いに起ちあがりました。職場・労組での討論を積み重ね、何度もの集会や休暇闘争=ストライキを行いました。ストライキ権を奪われている中で、激しい弾圧や処分を受けながらも、10割休暇闘争=全国一斉ストライキにまで上り詰めました。その闘いは、今日まで勤務評定を形骸化させてきたばかりではなく、日教組の団結を守りぬいてきたのです。それゆえに「自治労と日教組を解体せずして改憲はできない」と櫻井よしこ等に言わせているということです。彼らが恐れているストライキの力を、今、発揮する時です。
 10月には、大阪市の闘う労働者の結集軸として「民営化・改憲・戦争を阻止するためにストライキで闘う労働組合を甦(よみがえ)らせる会」が結成されました。労働者階級全体にかけられている団結破壊の攻撃に対して、ゼネストで闘う労働組合を甦らせる必要があります。改憲・戦争、「働き方改革」をめぐる階級決戦は、一人からでも職場に絶対反対の旗を立てれば、膨大な労働者が決起する情勢です。その怒りを束ね、大阪市内を席巻する闘いを作り出していくのです。
この闘いの中に、戦争・世界戦争に火をつけるトランプ・安倍を打倒し、改憲・戦争を止めるチャンスがあります。
大阪市教組の中に、絶対反対派を結集する闘いを開始していきます。

教労,記事0333

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