闘う合同一般労組 新賃金表導入阻止で闘って、展望をつかんだ

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0345号08/01)(2018/12/01)

闘う合同一般労組
新賃金表導入阻止で闘って、組織拡大できる展望をつかんだ!

(写真 職場内で仲間と一緒に記念写真)

坪井 静(一陽会労働組合委員長)

大幅賃下げの新賃金制度

 私たち一陽会労組のある東京練馬区にある陽和病院(精神科が母体で介護老人保健施設との併設)では、赤字と病院の建て替えを理由にした定期昇給の凍結が今年4月に強行され、そこから大幅賃下げの新賃金制度導入が狙われています。
 新賃金表は、現行より定期昇給6割カット、基本給・一時金・退職金も大幅減の生涯賃金ガタ減りの攻撃です。これに体制内労組一部幹部は資本と一緒になって「このままでは病院が潰れる」「自分の職場が無くなる」と吹聴し、一気に新賃金表10月導入に持ち込もうとしました。
 しかし、翠会資本は年俸制の役員の総額も明らかにせず、役員報酬も一切返上しないで、賃下げと人減らしで労働安全を無視、一切を労働者に責任転嫁しています。

一陽会労組の決起

 これを暴露し「これで命を守る仕事などできるのか!」とビラで訴え続けました。連日の昼休み展開に職場の雰囲気が変わりました。そこで新賃金表導入についてのシール投票を実施。これで各部署の労働者の怒りや疑問の声と直に結合でき、病院と介護施設全体の政治地図が見えました。
 こうして勝ち取った176票という圧倒的反対を、更に10月導入阻止の行動に組織しようと、9月27日にストライキと院内デモを決行しました。委員長である私の2時間の指名ストでしたが、昼休み集会には、体制内労組の組合員も組合に入っていない労働者も合流して「賃下げだけはやめてくれ!」と発言してくれました。こうして体制内労組の中から、新賃金制度導入絶対反対で幹部を追及する組合員が生まれることで、10月導入を阻止したのです。これは職場説明会での資本の導入プランを覆す大きな勝利でした。

体制内労組との闘い

 しかし、11・4全国労働者集会の直後から、体制内労組一部幹部は、新賃金制度丸呑みありきの「投票」に入りました。それは、「労働条件に関する最重要案件のため、組合大会にゆだねられる」という組合規約を無視した上で、「現行給与を守るために、原告となる裁判闘争に賛成」か「新賃金表を受け入れ、練馬地区の再建に向けた交渉を行うことに賛成」という2択で、「自分が裁判の原告になる決意がなければ新給与表を受け入れるしかない」と誘導する卑劣なものでした。
 この局面で、私たちも現場に何を訴えどう闘うかが問われました。しかし「労働者を信じること」「絶対反対で登場し続けて闘うこと」に賭け、開票日と翌日の体制内労組大会日に連続昼情宣を行い、「こんなデタラメな投票は無効だ」と訴えました。開票で新賃金表賛成「多数」という結果に、一緒に闘ってきた体制内労組内の仲間が、開票追認・妥結の組合大会への参加を当日はあきらめるような状況でしたが、私たちは必死で「御用幹部のデタラメさを見届けよう」と呼びかけました。そうしたら、たった一人、でも決定的な一人が、抗議の意志をもって組合大会会場に駆け込んでいったのです。その姿を見た時、「労働者は必ず立ち上がる」と本当に感動しました。そして翌日は一陽会労組団交で「こんなデタラメな投票で強行すれば、資本側も問われることになる」と徹底追及しました。
 投票後、「過半数組合」を標榜する陽和労組から脱退する組合員も出てきており、資本・体制内との攻防戦はまだまだ続きます。

(写真 職場前でストライキ突入を宣言)

新賃金制度導入阻止の核心

 この新賃金制度導入阻止闘争の核心は、以下の4点です。
 一つ目に、闘う労働組合の連日の登場で「闘えば勝てる」という労働者の意識変化を作り出したことです。「少数派の絶対反対派が多数派を獲得することができる」という動労千葉の闘いに学び、徹底的に職場に登場し続けることで、9月ストも闘うことができました。
 二つ目に、「労働者を信じきること」です。信じることができなければ、労働者・労働組合の団結を形成することは不可能です。闘いが激化するほど、一致したと思っても明日には違う考えになってしまうこともあり、闘いの方向性を団結を軸に立て直すことの難しさを知りました。自分自身がまず、隣りの仲間を信じること、そしてその仲間が自分を信じて、その人の立場になって全力で闘うこと、そうやって団結を守りきることで、本当に資本との激闘に闘うことができるのです。
 三つ目に、「どんな困難な闘いでも全力で闘うこと」です。少数派の労働組合がここまで闘えたのは、時代認識から闘いを形成していくことができたからです。2018年4月に、医療報酬と介護報酬のダブル改定、病院や介護施設も加算を取って金儲けを考えなければ倒産する時代です。報酬引き下げの中、病院経営が生き延びるためには労働者の賃金を減らすことでしか成り立たないのです。だから、新賃金表導入を強行し、賃下げ、人減らし、労働安全を無視し、患者さんや利用者さんの生活、労働者の生活がズタズタにされる。これに闘うことができなければ、私たち労働者の生活や命は保障されない。生きるために闘おう! 命を守る医療・福祉の労働現場は金儲けの道具にされてはなりません。
 四つ目に、地区の交流センターや医療福祉産別の仲間と一体となって闘ったことです。連日のシール投票行動に合流してくれ、ビラの内容も論議しながら闘いました。少数でも地区や産別の団結で、ストライキを打って闘うことだってできることを証明できました。逆に言えば、団結なくしてストライキは打てない!本当にそう思いました。

多数派への展望開く

 一陽会労働組合は、絶対反対を貫くことで、多数派になる道が切り開かれることを新賃金表導入阻止の闘いの中でつかみました。自分の職場で徹底的に闘うことにこだわること、何よりも一緒に闘う仲間を一人作りだすことに執念を燃やすことです。今後は、勉強会や懇親会などを計画し、組織拡大を目指します。
 新賃金表導入阻止の闘いで、多くの共感と団結が生まれたことに圧倒的な確信があります。目的意識的に組織化を目指し行動することで本当の多数派労働組合になろう!