関西生コン支部への大弾圧を粉砕しよう―関西生コン支部、港合同、鈴コンの座談会

2019年8月28日

月刊『労働運動』34頁(0353号06/01)(2019/08/01)

関西生コン支部への大弾圧を粉砕しよう―関西生コン支部、港合同、鈴コンの座談会

関西生コン支部への大弾圧を粉砕しよう
―関西生コン支部、港合同、鈴コンの座談会

7月5日、関西地区生コン支部会館で、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部への大弾圧を粉砕していくために座談会を行いました。参加していただいたのは、関西生コン支部の武谷新吾書記次長、全国金属機械労働組合港合同の木下浩平執行委員、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の吉本伸幸書記長です。
実は、7月5日には午後から急遽、武建一委員長と湯川裕司副委員長の勾留理由開示公判が京都地裁で入り、午前10時からは京都府警の家宅捜索もあり、そして2日前に亡くなった組合員の通夜の直前での座談会でした。関西生コン支部の武谷さんは、弾圧の現状や組合員の状況、これからの闘いの課題と展望、そして支援運動への要請を率直に話して下さいました。全国労組交流センターは、改憲と戦争に向けた労組破壊を許さず、国鉄闘争と関西生コン支部弾圧粉砕の闘いを2つの柱に、11月集会に向けて全力で闘いぬいていきたいと思います。(文中、敬称略)

○司会 関西生コン支部の『ストライキしたら逮捕されまくったけどそれってどうなの?』の本を読んでものすごい怒りを感じました。普通の労働組合活動に対して「恐喝」などと言って共謀罪的な弾圧をかけ、国策による組合つぶし、改憲と一体の産業報国会化で関西生コンをつぶす攻撃だと感じました。
関西生コン支部への弾圧を打ち破ることができるかどうかが、日本の労働運動を決する闘いだと、ぜひ座談会をやりたいと思いました。
今日は裁判に行かせていただいて、武建一委員長の意見陳述を聞いて「国策捜査だ」と言われていましたが、本当にそう思いました。裁判長も木で鼻をくくったようなことしか言わなくて、絶対に武委員長を出さないという、これも権力意志だと思いました。
未曽有の弾圧なので、組合の団結をどう作っていくのかについて格闘されていると思いますが、率直に話していただければと思います。

★関西生コン支部への弾圧の現状

○司会 関西生コン支部への弾圧の現状を教えて下さい。

○武谷 現状から話します。今日は、ガサで京都府警が55人武装装備をしてきた。それも機動隊をわざわざ用意してカマボコ2台と乗用車で来ました。6月19日の強要未遂事件での捜査を口実にして来た。わかりやすかったのは、報道陣が前に陣取っているんです。こちらもやりとりする
じゃないですか。立ち会いは何人やとか、いろいろやったのですが、警察は報道陣の撮影の準備ができてからガサ状を読み上げるんです。まさにキャンペーンのために弾圧してきている。
この間のみなさんのご支援で、滋賀県の弾圧は対応がメチャメチャで、電話持ったら「押収や」とか激しかったんです。今日は京都府警ですが組織犯罪対策課で、10時前に来た。2時間くらいのガサです。大したものは残っていない。滋賀県警が持っていっているから。今日は夕方のニュースのために関生の悪いイメージを報道するためのキャンペーンだと思います。とっとと撮影していなくなった。持っていったものは7つでダンボール1つです。今日は大津地裁で公判があり、午後から京都地裁で勾留理由開示公判があった。でも行かれなくなった。しかも昨日からは韓国から民主労総の訪日団が7人来ていたんです。警察は、一昨日、組合員が亡くなったことも
知らなかったみたいで、やいやい言ったら「そのお通夜の会場を先にやらせてもらいます」と言っていた。そういう弾圧が昨年7月から始まっていまだに続いている。もう1年経った。滋賀、大阪、京都、和歌山にも広がっている。現状はそんな状態です。
滋賀では公判が進んでいて、保釈された方もいます。この前も一番先に逮捕された執行委員が保釈されました。ビラをまいただけで逮捕された組合員も保釈されました。
武委員長を引っ張るために5回も逮捕されました。ちょうど夏くらいには保釈になるだろうと言っていたが、その前の6月19日にまた逮捕した。
話は変わるが、2015年に僕も逮捕された時に、検察が言っていたけれど、「あんたら有罪になろうが無罪になろうがええんや。運動できんかったらええんや。社会におらへんかったらそれだけでええんや」。今回はとにかく長期勾留するんだということです。人質司法です。6月19日の京都の事件は、サンケイ新聞に出ていたが、アルバイトが正規雇用にしてくれと声をあげたことが強要で恐喝だという弾圧です。結局労働組合運動があかんということです。
勾留理由開示公判で、弁護団が「勾留した理由を述べよ」と言った時に、「憲法28条の労働組合の規定を知っているのか」と聞いた時、裁判官が「私、勉強していないんです」と、こんなやりとりですからね。

○吉本 今日の京都地裁の裁判官は、それ以下ですよ。

○武谷 警察が逮捕して、検察が起訴し、裁判にかける。でもこれにOKを出すのは裁判所です。司法は独立しているとなっているが、独立なんかしてませんよ。原発の差し止めとか再稼動をめぐっても、伊方原発などもそうですが、一審や二審で差し止め決定しても、結局は最高裁でひっくり返す。判事が「統治行為論」みたいのを出して、原発は国の政策だから認める。今回の労働組合弾圧も名古屋の市民運動の人たちや弁護士が危惧しているのは、「安倍が労働組合はいらないと言っている」と。だけど労働組合だけではない。まずは見せしめ的にビラをまいたら逮捕する。立川基地自衛隊監視テント村のビラまき弾圧と同じです。安倍政権が本腰を入れて反対勢力をつぶして、改憲・戦争に向けてやろうとしている。彼らには失敗するわけにいかないから、自分らは守られるからええやろうけどね。

(写真 ストライキが犯罪か!3・10大阪集会に600人が結集)

★大阪広域協組や建交労の状況

○吉本 こういう状況の中で、関生に対して反動的なことをやってきた大阪広域協組や建交労とかはどうなっているのですか。

○武谷 大阪広域協組は、いまだに攻撃の手を緩めていません。でもね、これはええ格好言わしてもらえば「怖い」んですよ。関生の芽をつんでおかないと復活した時にやられるから。本に書いてあるけれど、執行部の4人組だけじゃないですか。1立米(立方メートル)単価が1万8500円。それを鈴コンの経営者に言ったら「すごい」と思いますよ。平均単価だから。
今年の3月に大阪広域協組の経営側の集まりですが、臨時総会があったんです。理事長の木村という人がいろんな提案をするけど、「建交労は日雇いも用意せえへんし、あんなんは労働組合じゃない」と言ったらしいです。どうも大阪広域協組の窓口はオーナー会で、そこからのお金が4月から止まったらしいんです。それはなんでかと言うと『結』という冊子を出していたんです。その名目料で、関生を利用するのと広域協組を崇拝する内容です。建交労、産労、UAにもいくらか払っていたみたいです。でも止まっている。4月号、5月号も出ていない。その広域協組の副理事長が建交労の顧問を呼んで「理事長がこう言っていたぞ。正社員を全部日雇いにせい」。さすがに建交労の顧問も「いやー」と言ったら、「その返事が来るまでお前とはもの言わん」と。そんなことは最初からわかってたことですよ(笑い)。
それとね、建交労というよりも、さっきから言っているけれど、生コンの単価が2014年から比べたら倍になっている。昔は9000円だった。今は1万8500円でしょ。そしたらね、めちゃくちゃ儲からないけれど、採算ベースでいうと上向いている。未組織の、労働組合に入っていない運転手さんが何を言っているかといったら、賃上げして日当1万5000円のところが1万6000円、日当1万6000円のところが1万7000円、1万7000円のところが1万8000円、要は1000円しか上がらない。「えっ、関生は2万円から2万5000円もろてて、なんでうちは1000円しかあがらない。どうなってるんや」と。生産があがったら4000~5000円を払う業者はあるんです。パイを増やしたらいいよという話でしょう。その力が、大阪では弱まっているからです。何が始まったかというと、サービス残業です。
広域協組の木村が、産労と建交労とUAとの集団交渉で、ワンマンショーやったらしい。何を言うたかというと、「これからは土曜も動いてもらう」と。シュート袋洗い、現場でドラム缶とかバッカーに入れて洗うのだけれど、袋洗いを率先してやらんとあかん。お昼も、要は現場の要望があれば、ご飯食べずにずらしていかないかん。要は、ゼネコンの言いなりになれ、協力してもらわないかんということです。「そこまで言うんやったら、百歩譲って協力するわ。その代わり賃上げ2万円くらいせいよ」ということですよ。でも賃上げはゼロです。
そういうのがあって、お昼時間はしっかりとらんとあかんやないですか。確かにね、現場はどうしても30分くらい食い込むことがあるんです。それと、生コンは生ものやから途中でやめたらあかんような時の現場もあるんです。その時に「協力するわ」と、そしたらお昼の1時間は時間外手当を支払われるわけです。それが今どうなっているかというと、広域協組の木村が集団交渉で言うたのは、要は「置きじまいにしたるか」、やりじまいだから「お前らも早よ帰ったほうがええやろ」と言うて、3時に終わりにする。車を走らして「良かったな。5時に帰るところが3時に帰れて良かったな。お疲れ」と言うて、帰ってみたら1時間の買い上げはついてない。1日1000円あがったけれど、生コン支部の水準で言ったら、残業手当は2000円か2500円くらいです。でも今は、労働条件は悪くなってます。

★組合員の状況 仕事はどうなっていますか

○司会 組合員の状況、仕事はどうなっているか教えて下さい

○武谷 警察のやり方が露骨なのは、安倍が労働組合はいらんという、わしの言うことをきかん奴はいらんいう話ですよ。警察が脱退者の動きを見ているわけです。そういうのを任意出頭させたりするんです。そこから口コミで広がる。それと現役の組合員で、ストライキや争議の現場に行っていない組合員に電話をかけて呼び出すんです。「お前、関生やめへんかったら何ぼでも呼び出すぞ。逮捕するかもわからへんで」と露骨なんです。さすがに一般の組合員は怖いですよ。家族もいて大変なんですよ。大阪の都会の真ん中ならいいんです。でも、田舎だと近所の人が「○○さんところはパトカーが止まってるんやで」とうわさするんです。「彼はね、労働運動やってね、頑張っているんだよ」と言ってもね、「悪いことしてなかったら警察が来るわけないでしょ」となるんです。和歌山とか滋賀とか、田んぼで農業やっているんです。地域のコミュニテイがあって水路の掃除とか、みんなが出て来て話をするわけで、昔の村八分みたいなことになるんです。子どもにも影響してくる。
仕事はどうなっているのかという質問についてですが、今でも大阪エリアでは、関生の日雇いは使わない。関生の組合員が行っている生コン会社は使わない。徹底してます。

○司会 集中的に組合員を狙って攻撃をかけてくるんですね。

○武谷 大きな弾圧は3回目です。82年の弾圧、だいぶ逮捕されたんですが、それに勝ちきった。次は2005年、僕も逮捕された。そこから長期勾留が始まる。それにも勝ちきって、2010年に大ストライキをやった。向こうもアホちゃうから勉強しますやん。幹部ばっかり逮捕してもあかんなと。幹部は地すべり的に逮捕して、委員長とか幹部は長期勾留する。
労働組合は2人おったらできる。それに支援する仲間もいる。しかし、この攻撃を跳ね返さんことには、憲法28条もなくなってしまう。組合結成通知をしただけで刑事事件になる。ビラまきだけで逮捕された組合員もいます。

★闘いの展望と課題

○司会 これからの闘いの展望と課題を話していただきたい。

○武谷 関生は、弾圧対策や家族対策、逮捕された組合員の差し入れとか、内部の意志統一とか、団結強化のために力を入れて時間をとられていて、権利侵害の反対闘争をできてなかったんです。
要は、弾圧に便乗した不当解雇とかしてる経営者もいてるわけです。労働組合と経営者との力関係ですからね。今まで関生の力が強いからちょっとぐらい我慢しようということだったけれど、関生の力が弱まったからと、今はちょっと遅刻したくらいで解雇したりするんですよね。それの反撃が弱かったということで、5月連休明けくらいからしっかり闘っていこうと。
不当解雇した経営者のところに宣伝行動に行ったりとか、ビラまいたりしているんですよ。私も現場が好きやから。そしたらね、労働者は元気になるんですよ。経営者は慌てふためいて「関生はこんな元気あったのか」とビデオ撮ったりしてね。経営者は報告せなあかんから、相変わらずですわ。運転手さん、手を振るんですよ。
萎縮している組合員もいるけれども、その中で組織拡大せなあかんと。権利侵害と労働条件下がっていることをうちが把握したから、今すぐに公然化できへんけど、弾圧が収束したら組合結成通知をするための仕込みをやっているわけです。情報を得て、路上に座っている人たちに向けてオルグ宣伝しているんです。女性の声を録音して、「ちゃんと時間外手当をもらってますか」とかを宣伝カーで流すんです。すると、特に年配の運転手さんが、身体を乗り出して「頑張れよー」と手を振ってくれるんです。「お前のとこは弾圧で大変だけど、頑張ってくれよ。お前のところが下がったら、わしらの条件は下がるからな。一緒にはできへんけどな」と声をかけてくれる。弾圧があって半年くらい現場行動ができへんかったんやけど、行くと未組織の人に歓迎されているんです。それやったら僕らも元気がもらえます。
それと、オルグ宣伝に行っているのに、経営者は出てくるんです。今まで「連帯さん、連帯さん、関生さん、関生さん」と声をかけていた経営者が、こういう弾圧状況になると知らん顔をするわけです。不当解雇する経営者もいますが、広域協組から何を言われるかわからないということで気持ちはわからなくはないです。
僕らは建交労とは違うので、しっかり宣伝するのです。建交労はすぐに帰りよるが、うちは最低30分は会社の周りぐるぐる回ってやるからね。そうすると社長が出てきて挨拶しに来て、いろいろ会話になる。「今はちょっといろいろあるけど、力関係変わったら挨拶に行くから」と言うと、「はい、はい」と言ってくる。たぶん広域協組には「武谷に言うてやった」と報告すると思いますが、それでいいんです。
何が言いたいかというと、僕の反省点ですが、確かに組織防衛が大事だけれど、権利侵害を受けている仲間のこと、人権侵害ですからね、それを理解しなかったら労働組合じゃないですよ。それを忘れていたんで、気持ちを切り替えてやったんです。そのことによって、組合員の元気が出てきたんです。内部で「何してんねん、執行部は」「武谷、何しとんねん」と言ってたわけです。行くと、がらっと変わって「武谷、やっと出てきたか」と言ってくる。「武谷さん、俺も宣伝カーに乗せてくれ」と「わしも行く」と、「あ、これ忘れとったんや」と本当に反省してるんです。本当に三役含めて委員長はじめたくさん持って行かれて、この前も「せっかくみなさんのおかげで保釈されたのに、また逮捕された」。そういう苦しい、困難な場面もあるんだけれど、警察の前の宣伝で、「労働組合無視や。憲法無視や」と言っているんだけれど、その無視をしている個別企業との対応をしっかりできてなかった。すると、組合員は「なんや関生って」「そこまで骨抜かれたんか」。それを執行部が反省をして、しっかり闘わないとあかん。そのことが求心力を保つ力です。
それとね、関西の運転手はやんちゃ者ばかりです。やんちゃ者というのは、やはり反権力というものを持っているわけです。貧乏で、片親だったりとか、どうしても悪いことをしてヤクザになるか、関生に入って合法的に闘うか、そういう人はおるんです。関生は合法的にするわけやないですか。それが魅力で集まっている組合員さんが多いんです。それやのに、執行部が腰が引けとったわけです。それを改めて、確かにぎょうさん持って行かれてますからね。保釈されても条件付けられて大変で、組合に来れないわけです。「保釈されても、武谷と接触したらあかんとか、組合事務所に入ったらあかん」とかあるんです。仕事するしかないんです。そういうことで言うと人は不足しているんですけれど、それでもしっかりやっていこうということです。やんちゃな組合員が「やっと執行部は動き出したか」「わしらもやろうかい」「これこそわしらが求めた関生や」ということですよね。
まだまだ萎縮している組合員もいます。でも執行部が先頭に立って背中を見せんことにはね。それは警察の攻撃もあります。中には「あほちゃうか」という人もいるし、よく見てますよ。でも別に関生だけでなくて、労働組合が首切りされて、首切りをした企業への攻撃がなかったら、労働組合の幹部はおさまりませんよ。そのことをせえへんやったから脱退者が出ているということですわ。そういうことを執行部が改めて考え直してやっています。

(写真 5・15大阪地裁を包囲!組合つぶし許さない大阪座り込み集会)

★集団執行体制での取り組み

○吉本 実質上、これだけ逮捕されて入っているじゃないですか。武谷さんはここにいますが、弾圧との闘いはどうやっているのですか。

○武谷 集団指導体制で、週1回、しっかり現状分析して、方針出しています。

○吉本 やはりうれしいのは、現場に行くということですね。街宣カーを出して、別に抗議行動というだけでなく、回ってやっていることが、釈放されて関生の事務所にも行けない、誰にも会えない中で働いている組合員にとっては最大の援軍だと思います。

○武谷 さっきの建交労の話ですけれど、建交労の関西支部の委員長は、専従じゃなくて非専従だからミキサーに乗っているんですよ。さっき言った建交労に事情があったでしょ。非正規になれという。俺が「それ、違うか」と言うた時に、オルグ戦で建交労の委員長のところに宣伝カーで行ったんです。その時に、普通は今までやったら委員長やから「こら武谷、うちの神聖な職場に来るな」というのが普通でしょう。ところがどういう対応したのか。下で手を振っているんです。

○木下 厳しい時に、そこに向かって出るということが大事だと思ったのは、やはり大阪府警本部前とかで、次の世代が中心になっている。

○武谷 あれは支援してくれている全港湾、全労協、反原発を中心にする仲間です。そういう人たちが中心になってやってくれているんです。全港湾は兄弟組合で、同じように生コンで闘っている。全港湾は先輩組合です。産別運動で言ったらね。1976年にも団交めぐってゼネストやって先輩が2人逮捕されて、判決文は「産別運動は認めるけれど、やりすぎや」という内容だったんです。業務妨害したから罰金5万円ということなんかもあるけれど。全港湾や全労協などは、「今まで自分らの行動に宣伝カーに乗って旗持って来てくれた。ここで恩返しせな、どないすんねん」というところと、後は自分らに関わってくる問題だということです。先にやってくれているということですよ。 第6章 ★支援の現状
○司会 支援の現状について話して下さい

○武谷 この前、東海の集まりに行ったんです。小谷野さんもおった。大爆笑だった。えらいすみませんて謝ってきた。懇親会でも頼みますわと言ったんです。「親父は麻生炭鉱の現場監督やっとんたんです」と話して、それがまた受けてね。真面目な人たちでした。質が高いんですよ。会を作ってくれはったんですわ。会は一回で終わるのではなく、会費を集めて、名前は「関西生コン弾圧を許さない会」という会です。しっかり総会を開かれて、議論するわけです。そういう総会というのはだいたいシャンシャンと終わりますが、ところが真剣に議論するんです。本当に学ぶことが多かったです。建設的な意見が多く出ました。レベルが高いですね。

○司会 何人くらい集まったのですか。

○武谷 130人です。連帯ユニオン関西生コン支部のホームページの後援会のところにアップしているのでそこに詳しく出ています。恒常的にカンパを毎月送金してくれる。個人はいくら、団体はいくらと決めて取り組んでくれています。集会やってカンパを集めて関西生コンに渡すのではなくて、恒常的に毎月会費を集めて送金してくれる組織だった取り組みです。
滋賀の勝手連ということで、これがすごいのは、毎週土曜に朝10時30分から大津署に抗議行動をしてくれています。その後、ビラ撒いて街頭宣伝してくれています。「関生さんは忙しいから無理して来んでええ。俺らやるから」と言うて、「関生勝手連」という名前をつけてやってはるんです。「傍聴も大変やろ」と言うて大津公判に来てくれています。

○司会 大津の勝手連はどういう人たちが中心でやっているのですか。

○武谷 フェイスブックかブログに載っていますが、中心は反原発の運動をやっている方で、年配の方たちが多いです。結構やってくれています。大津は西山さんが入っています。大阪府警本部は、大阪城の近くで外国人観光客も多いので、外に向かってアピールできるんです。
でも滋賀は、そういう県警本部は土曜なんかはシーンとしているんです。大津署は最初は武委員長も入っていた。前にデパートなんかもあるので、やってくれているんです。
話は変わるのですが、沖縄の山城さんが来て言ってたんですが、「全港湾や全労協も応援してくれるけれど、武谷さん、怒らんといてや。外から見ると同じやんか、産別運動の労働組合は。それよりも自分が逮捕されて勾留された時の支援者は、滋賀勝手連みたいな、あまり関係ないところから出てきた運動でそれは大事にしてほしい。私の場合は、そういう支援者がいてくれたから出てこれたんだと思う」と言ってました。よく分析してはるなと思いました。
○司会 関生支援の運動を全国に広げていくことが今、一番大事だということですね。

○武谷 確かにそうですけど、広げるためには「当該なにしよんや」ということで、しっかり闘わなという話です。弾圧を受けて立つ、だからと言って萎縮もしない、今やるべきことをやる。特に、権利侵害を受けている仲間への闘いを続けていくことで、その時に仲間を取り戻し、弾圧を粉砕した後に、体制を整えて巻き返しをはかるということです。

(写真 大阪労働学校アソシエ・学働館【関生会館に隣接】)

★鈴コン分会の課題

○吉本 合同一般全国協として関生に緊急カンパを集めることは決定して、今やっています。
しかし、カンパだけでなく、関生の弾圧に対する闘いで何をするのかというと、なによりもまず職場で闘おうと。緊急カンパを集めながら、職場で闘うことが関生に応える道だと話しています。西の関西生コン支部、東の動労千葉があることが重要で、関生がつぶされたら、産業報国会になると思って、関生と共に闘う決意です。

○武谷 東京に鈴コンがある。すごい闘いされて頑張っておられます。ただ横の広がりがあまりないじゃないですか。
財閥のセメントメーカー、大手ゼネコンの大企業の狭間であえいでいる業者なんで、鈴コンの経営者はろくでもない経営者かもしれませんが、それでも反面、大手から収奪されているというところだと思います。
職場での闘いが一番大事だと思いますが、非正規職しか雇えないような生コン価格で売っている。でもその原因は、鈴コンの経営者だけの原因ではないと思うんです。大阪なんか今は平均単価が1立米1万8500円です。東京はたぶん今は1万1000~1万2000円くらいだと思います。東京は、大阪と比べると民間で3倍くらい需要があるわけです。
そこで当然、労働条件向上の闘いは大事です。でもそのためのパイを作る運動をすると、「東京で関生みたいな運動をしとる」と、それは関生にとって最大の援護射撃です。なんと言っても中央だからお膝元ですよ。

○吉本 去年の暮れから団交やって、今年春闘やりました。一応そのことは経営者に言ったんです。鈴木富美子が会長になって、長男坊の鈴木雅章が社長です。東豊商事は俺にとっては鈴木富美子なんだけれど、その団交には雅章だけが出てくる。「経営が大変だ」と言うから、「だったら俺も鈴コンも協力するよ。賃金あげられないんだろ。セメントメーカーや商社・ゼネコンからやられると何も言えないから、だったら鈴コンは協力するよ。一緒になってやらないか」と言ったんですよ。でも何にも言わなかった。いまだかつて言ったことないんですよ。「経営者が悪くて経営能力がないから悪い。だったら変わるか」と、今までは言ってきたんです。今回初めて団交でそう言ったんです。「じゃあ大変だろう。協力するよ、鈴コンが」と。そうしたらさすがに黙りましたよ。

○武谷 その協力をどう具体化するかですよね。会社の言いなりになったらあかんですよ。過積載せいとか、水入れろとかはダメです。では「どう労働組合として協力できるんだ」というのを具体化せえへんといかんと思います。鈴コンは、前に全日建の組合だったところがつぶされて、そこにまた組合作ったんだからすごいと思います。カンパだけでなく、現場の闘いを最大の支援としてやるというのであれば、具体的に言えば、東京でもっと組合のある職場を増やしてもらった上で、これからかなと思います。麻生太郎だって生コン業界の背後にいるわけで、中小零細企業がほとんどだと思います。生コン屋がいて運転手が別の会社で、さらに日雇い、非正規という構造だからね。
だから鈴コンの勝利の成果をもって、もっと第2、第3の鈴コン分会を作っていくことが大事だと思います。

★地域共闘が大事

○木下 関生の闘いですが、抗議行動は確かに全港湾大阪支部を中心にした許さない会の行動ではあるのだけれど、そこにはたえず関生支部の若手の活動家がその場を仕切って、準備をし、手配をしているし、今、現場の闘いが始まっていることで、青年部を中心に元気に闘っていることが、傍から見ててもすごい伝わってくる。

○吉本 武谷さんが言われたけれど、「結局忘れていたんだ。権力と闘って仲間を取り戻さなくてはと必死で、現場をおろそかになっていた」と。本当は事務所に来れない、誰々に会うなと保釈になっていた時に、やはり現場は大変なんですよね。幹部も大変だけれど、現場はオルグ戦で宣伝カーが来たとなると「やっぱり俺らのいる組合だな」と感じますよ。大変な時こそ現場、原点に戻るということだと思います。そこが始まったということは、大事だと思います。組合員は「やっぱりこの組合にいて正解だった」となると思う。

○司会 解雇された人にとっては解雇撤回の闘いが始まっていることで「本当にこの組合にいてよかった」と思いますよね。

○吉本 労働者には、やはり自分の選んだ組合への帰属性というのはあるんだよね。「俺は関生を選んだんだ」というのがある。会社を辞めるとか首になるということで、悔しい思いをするわけで、「関生は負けてない、動き出した」というのは、すごい援軍だよね。そして、関生弾圧を許さないということを自分のことだと思って闘いを始めることが大事だと思う。なぜかと言えば、関生にかけられた攻撃は必ず俺たちにも来るから。

○木下 今思っているのは、地域の団結です。港合同で言うと、1996年の南労会弾圧と2003年のサンコー分会の雇用保険給付をめぐる弾圧と2回あった。
南労会の時は8人逮捕でした。あの時に、地域の関生や全港湾や、いわゆる地区協に結集する組合が寄って、延べ1000人のデモを港警察に連続4日間やる闘いをしてきました。
2003年の時、関生は街宣車を出して、人も出してくれて、拘置所周辺の街宣を一緒にやってくれた。その意味では具体的な弾圧との闘いを数カ月一緒にやってくれた。
今、関生の弾圧を共に跳ね返すということでやっていきたい。港地域は、まだまだそういうのが生きている。だから労働運動が簡単に崩れない。まだまだ息づいているなと思います。

○司会 この地域での労働組合の団結で弾圧を跳ね返すということはよくわかったのですが、関西労組交流センターとしても青年を先頭に、関生弾圧との闘いを関生の青年たちと一緒になってやろうとしていることもお互いに大きな力になっていると思います。

○木下 青年集会実行委員会運動であったり、地域レベルで労働組合同士でつながりながら、現場で労働運動をどう発展させていくか、この時代はどういう時代なのかということを結構議論しながら共に闘ってきたことは、一定前進する力になってきたと思います。

○司会 武谷さんが東海や滋賀の話をされましたが、勝手連のように関生弾圧粉砕の運動をつくることで、労働組合つぶしと闘う陣形がつくられていくのだと思います。種をまいて作り出していくことですね。

○木下 労働組合がつぶされていこうとしている時代は、反原発も言えないし、反基地も言えないし、まして平和運動なんてことが成立しえない。なくなってしまう。それと、安倍が改憲を叫び、戦争に向かおうとしていていることが一つに見える時代だと思います。そういう危機感や怒りが、こうやって今、関生を守らなくてはいけない、支えなくはいけないという運動として広がる。労働組合が弾圧に負けずに頑張っているということがものすごい可能性を広げてくれていると思います。

○司会 今日は大変な弾圧の中で、本当にどうもありがとうございました。
(司会は、編集長の吉本暁子)

(写真 関西生コン支部会館の中で座談会)

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【後日談】

7月22日、関西生コン支部の書記次長と二人の執行委員が不当逮捕されました。弾圧粉砕まで共に闘う決意を新たにしました。その弾圧に対する組合の声明を添付します。

「和歌山県警による組合員の不当逮捕に強く抗議する」

和歌山県警は2019年7月22日、連帯ユニオン関西地区生コン支部のT書記次長と執行委員2人を威力業務妨害と強要未遂事件をでっち上げ不当に逮捕し、関生支部役員の自宅をはじめ3ヵ所の家宅捜索を強行した。
和歌山県警による「労働組合つぶしの権力弾圧」に対して、連帯ユニオン関生支部は、満腔の怒りをもって抗議する。
滋賀県警、大阪府警、京都府警、和歌山県警は事件をでっち上げ、私たちの仲間を長期勾留して、社会的に悪いイメージを植えつけている。そして、組織を弱体化させることが狙いだ。