闘う合同一般労組 第一交通武蔵野の都労委闘争の報告

闘う合同一般労組

第一交通武蔵野の都労委闘争の報告

10月7日、解雇撤回・謝罪・差額賃金の支払いを求めた都労委が結審

加納 敏弘(多摩連帯ユニオン書記長)

第一交通武蔵野は、組合結成後に威迫・就労妨害して病気休職に追い込み、解雇した!

多摩連帯ユニオン第一交通武蔵野分会の東京都労働委員会闘争は、10月7日で結審を迎えた。
救済申し立ての内容は、会社側の不当労働行為の結果生じた小倉裕組合員への解雇の撤回、謝罪、差額賃金の支払いである。
第一交通産業は、北九州市に本社を置く「日本最大のタクシー会社」で、M&A(合
併と買収)方式で弱小のタクシー会社を資本の力で傘下におさめていく形で全国展開を進めていった会社である。
暴力団の工藤会と関係が噂される第一交通産業は、暴力的な労務支配で「名を馳せて」来た。鯱第一交通(名古屋)の労働組合委員長の私有車に細工を施して事故を起こさせ、大ケガを負わせるという事件を起こしたこともある。
第一交通武蔵野もまた、「ユアーズ」というタクシー会社からの事業譲渡が行われ、その過程で賃金引き下げなどの労働条件の不利益変更が強行された。小倉裕分会長がそれに反対して組合を立ち上げた直後から、会社側は内閣府で労働組合潰しを職務としていた谷口喜徳ら数名を第一交通武蔵野に移籍させて、数々の暴力的威迫行為、就労妨害、反組合キャンペーンを繰り返して、病気休職にまで追い込んだ。
その後、会社側は合理的な理由もなしに団交を延期して事実上の団交拒否を行い、その最中に分会長を「自然解職だ」といって解雇したのである。

不当労働行為を立証してきた

都労委の調査は、今年2月までに計13回を数えた。争点となったのは、次の3つだ。
①被申立人が小倉組合員に対し、17年1月31日に休職期間満了通知を送付して、解雇したこと。②小倉組合員が16年3月に組合員通告をした直後に、無線・予約業務から外されたこと。③小倉組合員にのみ、「代車要請」命令が出されたこと。
以上の3点が、不当労働行為に当たるかどうかである。
①について、5月30日の審問で被申立人の悪辣な行為が暴かれた。この日、小倉組合員よりも長期に渡って休職していた乗務員(現・組合員)が、会社側の悪辣さに憤って、「自分には病気休職を理由とした休職命令や自然解職の通知の送付がなかった。分会長の解雇が不当労働行為であることを隠蔽するために、会社幹部が休職命令書を偽造した上に、彼に対し退職願の偽造を強要していた」と証言した。これについて本来中立的な立場である公益委員からも、会社幹部による分会長に対する差別的労務支配が指摘された。
17年1月9日付で小倉組合員に就業規則を適用して「自然解職に追い込む」と、翌2月に、被申立人は退職日を遡った形での「退職届」を書かせるという工作に出てきた。小倉組合員への休職2カ月での解雇を合理化するために、長期休職者をいったん退職させる工作に出てきたのである。しかも会社側証人の飯野博行常務は、「退職届は、16年の12月に彼が書いた」というウソの証言までした。会社はこんなことまでして、小倉組合員を職場から排除したかったのだ。
②について。第一交通の無線委員会とは、他のタクシー会社の無線業務と異なり、無線委員会の無線業務を通して、会社側に恭順の意を示した労働者に利益供与することで労働者を丸め込み、会社の違法行為を隠蔽し、全体として賃金等、労働者の労働条件を切り下げる事を目的とした組織で、同時に谷口喜徳ら暴力団関係者の利権だ。審問では組合側の厳しい追及に、ついに会社側は、第一交通武蔵野の無線は無線配車センターに繋がっていないとか、分会長の無線だけが無線配車センターに繋がっていないとか言い出し、ついには第一交通武蔵野には3つの別々の無線委員会が存在するなどと言い出す始末。会社側は一貫性のない証言に終始せざるを得ない体たらくであった。
③について。乗客の要望通りの目的地まで運行すると会社側が分会長だけに命じた19時間の拘束時間を超過することが予測される(帰庫時間をオーバーする)場合、分会長だけは会社に代車を要請して乗客を待たせろという、差別的業務命令のことである(法定拘束時間は21時間)。
この場合、命令に従わなければ業務命令違反だが、命令に従えば法令違反ということになる。何故なら、乗車した乗客の要望を拒否すれば乗車拒否だからである。
実際に小倉分会長が長距離客に対して代車を要請すると、今度は「小倉は乗車拒否をする悪質なドライバーだ」とキャンペーンを張ろうとしたのである。
「帰庫時間オーバー」というのは、長時間労働を強いていることになるので、陸運局の監査の対象になるのだが、労働組合の立場から言えば、乗務員に長時間労働を強いる賃金体系こそ変えるべきなのである。
しかも、この業務命令は、小倉組合員にしか出ていなかった。それもそのはず、帰庫時間をオーバーした乗務員は、乗務時間のデータの改ざんが行われていたし、一部の乗務員の間では乗務中にタコメーターを抜くことが行われていたくらいに労働時間の管理がいい加減だったのだ。
実際、飯野常務は、団交の場では、「代車要請」命令が出ている乗務員は小倉さんの
みだとの組合の指摘に対して、「帰庫時間オーバーする乗務員は小倉さんしかいなかったから」と答えている。ところが、審問では、「小倉さんの他にも5~6名いた」と答えている。どっちが本当なのかと言いたくなる。
第一交通産業グループは、全国で繰り返される違法行為が労働組合活動を通して明る
みに出されるのを恐れている。そして、谷口喜徳のような暴力団関係者を手先にして、労働組合潰しを繰り返している。
「業界一」と言われるほどの低賃金のため、会社が設定した売上以下の乗務員については、労働時間で割った場合、地域の最低賃金を下回る場合がある。だから、本社交通事業部名で「出勤簿にある実際の労働時間を改ざんして、最低賃金を下回らないようにせよ」という通達まで出している(「週刊金曜日」2018年1月26日号)。長時間・低賃金・不当労働行為の代名詞のような会社だ。
多摩連帯ユニオンは、今後も、第一交通産業の労働者支配を許さず、闘い抜く。