市東さんの農地取り上げ強制執行阻止! 決戦の三里塚へ!

(写真は11月13日に行われた緊急集会)

全国労働組合交流センターは、1120日に全国常任運営委員会を開催し、反対同盟の呼びかけにこたえ、成田空港会社(NAA)による市東孝雄さんの農地取り上げ強制執行を阻止する闘いに全力で立ち上がることを確認した。

(1)東京高裁は1018日、新やぐら裁判控訴審での仮執行宣言に対する反対同盟の強制執行停止申立を却下し、NAAは市東さんの農地取り上げ強制執行のための具体的手続きに入った。強制執行の対象は、天神峰農地、作業場、ビニールハウスなど市東さんが日々の営農と生活に必要なもの一切だ。大木よねさんに対する代執行(1971年)以来の国家権力による農地強奪・営農破壊を絶対に許さない。

そもそも空港公団(現NAA)は、農地収用について「強制的な手段はとらない」「話し合いで解決する」と誓約してきた。NAAは成田空港の機能強化としてB滑走路北延伸の準備を始めたが、成田空港の利用はコロナで激減しており、いますぐ農地を強制収用する必然性などどこにもない。「あるのは軍事的な要請に基づく需要だけ」(三里塚反対同盟緊急アピール)だ。戦争のために農地を強奪するNAAに一片の正義もない。

(2)差し迫る中国侵略戦争を阻止する緊急かつ最大の攻防が、三里塚・市東さんの農地強奪強制執行阻止の闘いだ。

1110日にはじまった日米共同統合演習「キーン・ソード23」は、航空機370機と空母を含む艦艇約30隻を投入し、自衛隊約2万6千人と米軍約1万人を動員する今年最大規模の軍事演習となった。「台湾有事」が中国による武力攻撃事態に至ると想定し、沖縄・南西諸島で地上戦を行うという許しがたい演習が行われている。しかも今回は、沖縄本島や離島の民間空港・港湾を使用した軍事物資輸送の訓練も強行された。

これと一体で岸田政権は、年内に「国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」の安保3文書の改定を狙っている。岸田政権が発足させた「有識者会議」では、「敵基地攻撃能力の保有」や「防衛費2倍化」とともに「有事における公共インフラの整備・活用」などが議論され、戦争を一切に優先する国家へと日本を作りかえることが画策されている。市東さんの農地強奪はこうした戦争情勢と一体で強行されようとしているのだ。

(3)農民にとって農地は命だ。農地を奪われるのは命を奪われるのと同じだ。市東さんの農地強奪を許せば、戦争のために土地を差し出せ、金を出せ、命を差し出せということを許すことになる。強制収用阻止の闘いは戦争を許さない全人民の闘いだ。

反対同盟と日本の労働者階級は、三里塚を「反戦の砦」として実力で守り抜き、成田軍事空港の完成を56年間にわたって阻んできた。

さらに、動労千葉のジェット燃料貨車輸送阻止の闘いをはじめ、労働者・労働組合が自分たちの労働時間や労働条件をめぐる要求だけでなく、国家権力が暴力で軍事空港を建設しようとすることにクビをかけて闘ったことは、総評解散・連合結成という労働運動の右翼的再編の嵐に抗して、全国労働組合交流センターを結成する土台となった。三里塚闘争はいま、韓国・民主労総をはじめ、国際連帯の闘いにも発展している。三里塚闘争の勝利と階級的労働運動の再生はひとつだ。労働者の誇りにかけて、強制収用を絶対に阻止する。

我々は、反対同盟との「労農連帯」にかけて強制執行阻止の決戦に突入する。人民の怒りに包囲され追い詰められているのは岸田政権の側だ。市東さんの農地取り上げ強制執行阻止を全国・全世界に訴え、1127天神峰現地闘争に結集しよう。

11月27日(日)13時より、市東孝雄さん宅中庭集合

主催:三里塚芝山連合空港反対同盟