■私の職場 関東の郵政労働者

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0301号09/01)(2015/04/01)

■私の職場 関東の郵政労働者

誇りをもって生きていく労働者になる

吉田 勇(関東の郵政労働者)

郵政職場の集配営業部で働いている

―どんな職場ですか。
吉田 郵便局の集配営業部で仕事をしています。私は今30代ですが、学生の時から約4年程郵便局でアルバイトをして、その後正社員試験を受けて配属されました。アルバイトの時には時給1000円で残業をかなりやって20万円位でした。今は正社員で25万円前後です。職場は集配だけで120人位が働いています。正規が60人、非正規が60人位です。10人位が一つの班で、10班あります。

残業しないと仕事が終わらない

―営業部という名前が付いているのはどうしてですか。仕事について話して下さい。
吉田 書留や速達を配達した時に、カモメールや年賀状、切手(82円切手×10枚)などを勧めて営業することも仕事になっているからです。仕事は正式には朝8時から16時45分までです。途中に休憩時間が45分と休息時間が15分あります。でも15分間の休息は手空時間に取るとされているがほとんど取れないですね。朝礼の後で約2時間位、郵便物の抜き出し、大区分そして道順組み立てといって配達する郵便物を配達順に組み立てたらバイクで配達に出ます。昼に帰ってくるのですが、配達が終わらなくて昼に戻れない人もいます。そして、午後からまた組み立てをして14時半か15時頃に出発します。配達数は1000通位あります。だから配達が16時45分までに終わるなんてことはほぼ無理です。毎日1時間か1時間半は残業して18時位まで仕事をしています。

―人員不足ですね。働いている人の年代について教えて下さい。
吉田 120人中に、20代は少ないです。30~40代が多いです、50代もいます。65歳まで再任用制度があります。短時間制度で働いている人もいます。人員不足なので、内務で組み立てをするアルバイトを3~4人雇ったりしています。朝9時から13時までの4時間勤務です。でも奴隷みたいな働かせ方なので定着しないですね。

事故は当人の責任にされる

―事故とかはないのですか。
吉田 交通事故は年に2~3回起きています。交通渋滞も多く、急いでいるのに自転車が飛び出してきたりして事故になることもあります。その時は保険会社が中に入ります。そして局長と部長が来て、事故を起こした人とその班の班員、それ以外の各班から一人が参加して、事故事例研究会という会議をやります。当局は、事故を分析して今後事故が起こらないようにするための会議だと言いますが、事故を起こした当人が「今後事故を起こさない」ことを約束させられます。一種のつるしあげです。本当の原因は人員不足なのですが、それは言えない雰囲気をつくっています。人身事故になると風当たりは強いです。

人員要求しても正社員は増えない

―労働組合について話して下さい。
吉田 JP労組の分会で、分会員は100人くらいいます。私は分会の役員をやっています。職場集会はなかなかやれていません。定例窓口といって総務部長と分会長が月に1回交渉しています。暗くなるまで配達しているので、表札が見えなくて仕事にならない。自分でライトを買った人もいたので、分会で要求して当局にライト200個を買わせたこともありました。三六協定も年間360時間を超えている人が多いので、毎日の残業時間を表にして是正を要求しました。特に年末年始は本当に残業ばかりです。年賀状は一人6千枚売れと言うので、配達の時に各家庭に年賀状の案内を入れるのです。返ってきた家には年賀状を持っていきます。でも6千枚なんてとても無理ですよ。人員要求をしても正社員は増えないで、アルバイトで補充しています。でもアルバイトは過重労働で辞める人が多いです。

3・11フクシマ原発事故が契機

―労組交流センターとの関わりについて話して下さい。
吉田 県の別の局に交流センター会員の先輩がいました。何年か前に一度、11月労働者集会に誘われて行ったことがあります。その後しばらく離れていました。
―どうしてもう一度関わろうと思ったのですか。
吉田 4年前の3・11フクシマ原発事故がきっかけです。「今の常識は本当の常識ではない。みんなウソだったんだ」と気づきました。原発や核は人の手には負えないもので、すべてを破壊するものです。企業や政治のあり方を目の当たりにして、資本主義社会のあり方に疑問を感じたんです。それで先輩と一緒にやろうと、交流センターにもう一度関わろうと思ったんです。以前行った11月集会ではわからなかったのですが、昨年の11月集会でその深さを感じたし、いろんな人とも出会いました。『甦る労働組合』の本も読むと心に染み込んできます。安倍政権に対しては怒りがあります。

誇りをもって闘っている動労千葉や労働者はすごい

―交流センターへの意見や注文があったら話して下さい。
吉田 私は未来を希望あるものにしたいと思います。だから今ある常識を吟味して、今ある考え方を捨てる勇気が必要だと思います。
 その上で、交流センターは青年を強調していますが、年配ももっと頑張ってやるべきだと思います。若者も年配もみんなでやればいいんです。
 動労千葉はすごいと思います。エントロピー増大の法則ってあるんですけれど、熱いコーヒーも放っておくと冷めるでしょう。一度冷めると元に戻らない。保温するエネルギーが必要なんです。それが動労千葉なんです。誇りを持って闘っているのはすごいと思います。交流センターの仲間でも誇りをもって闘っている人はすごい人だなと思います。
 私も交流センターの会員を一人でも二人でも増やすために、これからも職場で仲間づくりをしていきたいと思います。
―ありがとうございました。
 (インタビュー)