■特集 JR東日本 鉄道輸送網の破壊に舵を切ったJR大再編攻撃

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0302号02/05)(2015/05/01)

■特集 JR東日本 鉄道輸送網の破壊に舵を切ったJR大再編攻撃

■特集 第二の国鉄分割・民営化は全面外注化攻撃だ! 今こそ動労総連合を全国に!

(写真 2窓から1窓に削減された直江津駅の出札で列をなす乗客)

JR東日本 鉄道輸送網の破壊に舵を切ったJR大再編攻撃
星野 文男(新潟労組交流センター・国労新潟駅分会)

 3月ダイ改は、JR体制の破綻を更なる大再編で乗り切ろうというものだ。上野―東京ライン、労務政策転換=労組破壊、大量退職と全面的外注化・分社化、地方切り捨てで、鉄道輸送業務の協働性を破壊してしまう。地方では「896自治体消滅」攻撃を受けて、地方交通線廃止攻撃が迫っている。

新幹線の運賃収入で大増収!従来の三セクは赤字転落!

 北陸新幹線開業で、信越線・北陸線は関係4県で4社に寸断される。新潟県と長野県・富山県は県境の妙高高原駅・泊駅で乗り換えが強いられる。両駅では乗り換えのために2、3番線を使うために、地元の利用者は跨線橋を渡ることを強いられる。高齢者には大変な負担になる。
 従来、北陸から東京へは新潟県の三セク・ほくほく線を経由して越後湯沢駅で上越新幹線に繋いできた。三セクの収入の9割は、このルートの特急はくたかで、年10億円の純益、100億円の内部留保を積み立ててきた。3月からは即刻! 赤字転落、内部留保が底をつけば税金投入になる。他方、JRは、長野から北陸への新幹線収入が丸ごと増収になる。ほくほく線の特急はくたか収益分、新幹線料金分、航空機とのシェア争いで増加する旅客分、全収益が懐に入る。新幹線の収益を東西のJRが独占して、信越線・北陸線を引き継ぐ三セク4社やほくほく線は赤字経営で地方自治体の税負担になる。

三セク化=分社化と要員削減が安全破壊をまねく

 三セク化は、丸ごと外注化=分社化であり、団結破壊と安全破壊だ。4社に分割して、鉄道輸送業務の協働性を破壊する。豪雪地帯や強風地帯の列車運行を遠隔地で指示する危険な体制や、列車の運行指示をする「輸送指令」が新幹線・長野・新潟・金沢の4か所になり、統一的指令が不可能になる。労働者は、JR、JRの出向者、三セク社員、三セク非正規職に分断される。新潟支社は180人の要員削減で、100人超が三セク出向だ。JR職場はなく、転籍も狙われてくる。関連の新潟鉄道サービスも、越後湯沢・新潟で50人超の要員削減だ。労働の協働性や安全は一顧だにされない。

初列車が運休した北しなの鉄道とトキめき鉄道

 3月14日、長野から妙高高原行(北しなの鉄道)の初列車は途中の豊野で、直江津から妙高高原行(トキめき鉄道はねうまライン)の初列車は途中の二本木で運休になった。冷え込みによる架線凍結だ。長野からは初列車の前に回送電車を出したが、そのパンタグラフが故障して初列車も運休。直江津からはパンタグラフが一つのE127系になったために運休になった。冬場は凍結対策で「カッター車」と呼ばれる電気機関車を走らせたり、架線に油膜を糊塗して凍結を防止するが、そのような対策もなかった。
 乗務員教育もおろそかにされた。3月16日には、はねうまラインの急勾配区間での車輪空転に、運転士が空転防止の砂散布機器を教えられていなかったために遅延事故になった。はねうまラインは、JRが新潟市近郊で運用していたE127系を譲渡した。直江津地区の運転士と車掌は、E127系の乗務経験がないため、1月23日に「前倒し出向事前通知」(普通は2週間前の3月1日)で、JRでの勤務の合間に、時間外で教育・訓練を強行した。現場は「所定のJRの乗務をしながら、超勤でトキめきの教育・訓練では身体がもたない」と悲鳴が上がっていた。
 JRは、E127系の後継に新津車両製作所でE129系の製造をしてきた。昨年4月に分社化した製作所では、図面や部品が遅れてE129系製造は大幅に遅れ、時間外労働や休日出勤が常態化してきた。結局、E127系譲渡は遅れて塗装替えも出来ず、JR塗装のまま開業という失態を招いた。

切符を発売・購入できない駅、出向者の教育は皆無!

 トキめき鉄道はねうまラインでJR券を発券できるのは、直江津・春日山・高田・新井・妙高高原の五駅で、「連絡運輸区間」の駅までだ。例えば、信越線は新潟までしか発券できず、新潟以遠は別に購入することになる。ビジネスえきネットで発券するため時間もかかり、割引は学生割引だけだ。JR側からは、「連絡運輸区間」以外からは三セクへの直通切符が発券できないなど煩雑な乗車券発行が強いられている。利用者はたいへん不便になった。
 出向者には、ときめき鉄道の検修庫や洗浄台の説明もない、ひすいライン(北陸線、直江津・泊間)の気動車については「触ったこともない!」まま実作業に従事することになった。トキめき鉄道説明会では、就業規則すら提示しないで「就労条件等」という資料ですませた。駅も乗務員も構内検修も、設備や作業方法の説明もなしに開業を強行した。出向者は口をそろえて「ぶっつけ本番」「教育なし」と怒りをぶちまけている。JRも三セク会社も、鉄道輸送業務をトコトン軽視している。

体制内勢力の屈服

 JR体制の大再編のダイ改攻撃は、徹底した労働組合無視・解体攻撃として貫かれている。新幹線開業・三セク化という大合理化・出向攻撃にもかかわらず、組合に説明もしないまま進めてきた。三セク会社は、昨年4月に新規採用をしている。その三セクの「就業規則を示せ」という要求に、JRは「まだ出来ていない」と居直ってきた。出向先の労働条件明示の要求に、何一つ明らかにしない態度を貫いてきた。JRの労組破壊攻撃に対して、東労組・ユニオン・国労とも何一つ有効な反撃ができない。国鉄分割・民営化攻撃に率先協力したJR総連・東労組、追随してきたJR連合、4・9和解で分割・民営化協力に転向した国労、どの組合も現場を抑圧する存在だ。
 時代は戦争か革命かを鋭く問う時に至っている。安倍政権は、中東での参戦や東アジアでの緊張激化で権益確保に突っ込み、社会の破綻・崩壊へ突き進んでいる。これと対決して勝つ道は、反合・運転保安確立、外注化反対・非正規職撤廃、被曝労働反対の階級的労働運動路線を確立して組織拡大する動労総連合の組織化にある。動労神奈川に続いて、動労総連合を全国に組織しよう。