■特集 JR東京 丸投げ外注化の末路が4・12山手線事故だ!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0302号02/06)(2015/05/01)

■特集 JR東京 丸投げ外注化の末路が4・12山手線事故だ!

■特集 第二の国鉄分割・民営化は全面外注化攻撃だ! 今こそ動労総連合を全国に!

(写真 4月12日山手線事故の現場)

JR東京 丸投げ外注化の末路が4・12山手線事故だ!
吉野 元久(東京南部労組交流センター・国労上野支部)

JR東日本の「2015年度年次計画」がもたらすもの

 JR東日本は3・14全国ダイ改直後の3月末、「2015年度年次計画」(2015年度の基本方針)を発表した。「3・11を国鉄改革に次ぐ第二の改革」と称して策定された「グループ経営構想(Ⅴ)~限りなき前進~」から丸2年、「この(経営構想Ⅴの)具体化のための取り組みを全社員で着実に実行していく年である」として打ち出されたのが「15年度年次計画」だ。
 「15年度年次計画」は、Ⅰ)変わらぬ使命、Ⅱ)無限の可能性の追求、Ⅲ)2020年東京オリンピック開催に向けて、の3項と「15年度設備投資計画概要」で構成されている。以下首都圏エリアに限って、この「年次計画」が職場に何をもたらすのかをレポートしたい。

丸投げ外注化の末路示した4・12山手線架線柱倒壊事故

 まず「変わらぬ使命」の第一節は、「究極の安全」だ。だが、昨年2月、京浜東北線川崎駅構内で発生した工事用軌陸車と北行回送電車の衝突脱線事故は、外注化が深度化すればするほど「究極の安全」は一層自滅・破綻化する事実を突きつけた。そしてこの川崎駅事故からわずか1年、まさにこの「究極の安全」の舌の根も乾かぬうちに山手線・京浜東北線全線が9時間以上も不通となる「4・12仮設電化柱倒壊事故」が起こった。それは同時に、3・14ダイ改直後の上野―東京ライン事故の上に、鉄道事業社として致命的とも言える追い打ちとなった。顔面蒼白となった東京支社は、「日頃から設備点検後の情報を正しく確認し、その後の処置を速やかに進めるようお願いしていますが、今回の事象はそれが出来なかった典型的な例である」(保線課長メモ)と自認した。まさに丸投げ外注化への「慢心」であり、安全破壊―JR崩壊そのものだ!
 「グループ経営構想(Ⅴ)~限りなき前進~」以来JR東日本は、「変わらぬ使命」と称して鉄道ネットワークの拡充、震災からの復興、地域活性化という3つの重点項目を掲げて、全社(パートナー社も含む)でのコストダウンと「人と金の東京圏への集中」にひた走ってきた。地方を切り捨て、上野―東京ライン開業や中央快速線へのグリーン車導入、東京メガループ各線のサービス改善から神田駅・新橋・御茶ノ水・渋谷駅、そして品川開発へと膨大な設備投資を集中する。その突破口こそ3・14ダイ改だった。もはやすべての鉄道事業における外注化施策を全面的にストップする以外に、「究極の安全」は絵空事であり、鉄道事業者としての「使命を果たす」ことは絶対に出来ない。

(写真 渋谷駅に3棟巨大ビル建設予定図)

「無限の可能性の追求」という名の団結破壊!

 「15年次計画」の第二は、「エネルギー・環境戦略」「新事業への挑戦」「人を伸ばし・活かす企業風土」だ。
 ここでは、まず「車両、地上設備メンテナンスの最適化」が唱われ、「駅遠隔操作システム」(駅無人化)や「無線列車制御システム」(ATACS)の導入が「技術革新」の要となる。
 また海外鉄道プロジェクトへの参画では、タイ(バンコク)の都市鉄道=パープルライン開業(2016年)をメイン事業として、英国・シンガポール・インドネシアでの高速鉄道への積極的なアプローチを挙げている。
 さらに「鉄道車両製造事業」を経営の第四の柱に掲げたことも重要だ。そして「人を活かす企業風土」の核心に「急速な世代交代」を挙げ、業務執行体制の見直しとコストコントロールの推進=戦略的ダウンサイジングを掲げているのだ。まさに全鉄道業務の全面的な外注化と団結・労組破壊のなり振り構わぬ促進だ。

JR体制こそ安倍戦争・改憲政権の最先兵!

 「年次計画」の第三は、JR体制こそが安倍戦争・改憲政権の最悪の先兵であり、かつ最弱の環であるということだ。
 特に今年4月1日、「特に重要な経営課題を高スピードで推進する」として常務執行役員を新設し、熊本・横山の2人を「品川開発担当」に就任させた。アベノミクス第3の矢=国際戦略特区の最先兵に名乗り出たのだ。しかもそれは、「2020年オリンピック・パラリンピック大会開催時における連携策の検討」として品川―田町駅間の新駅暫定開業と羽田空港アクセス線構想の事業スキームの検討・調整が打ち出されている。「福島第一原発の高濃度汚染水はアンダー・コントロールされている」という安倍政権の大嘘をカバーし、常磐線全線開業にむけて突っ走るJR東日本は、戦争と改憲の安倍政権を支える最悪の先兵だ。
 原発再稼働と鉄道インフラ輸出、労組破壊と外注化、そして「第二の分割・民営化」に突き進むJR資本に対して、われわれは外注化阻止―非正規職撤廃決戦を叩きつけ、一切の被曝労働拒否の闘いを打ち立てた。
 今こそ新たな国鉄決戦を爆発させ、安倍戦争内閣を打ち倒し、1047名解雇撤回・JR体制打倒に突き進もう! 今こそ動労東京建設に挑戦するときだ!

(写真 首都圏の駅で配布したビラ)