産別・戦線の闘い第6回 自治体 人事評価制度に反対し団結を強化しよう

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0334号04/02)(2018/01/01)

産別・戦線の闘い第6回 自治体 人事評価制度に反対し団結を強化しよう

(写真 11・11伊方原発ゲート前抗議行動) 

産別・戦線の闘い 第6回

自治体労働者の闘い

―愛媛県職労の取り組みの中から 中村 圭司(愛媛県職員労働組合副執行委員長)

人事評価制度に反対し団結を強化しよう

 政府は、地方公務員法の改悪により、自治体職場への人事評価制度の導入を強制し、職場の仲間の分断攻撃を行おうとしています。

★人事評価制度導入との闘い

 愛媛県においては、全国に先駆けて勤務評定が導入され、「勤務評定反対闘争」が激しく闘われた歴史があります。その後様々な変遷を経て、2005年勧告の「地域給導入・給与制度改革」に伴う査定昇給制度が強行導入され、現在の人事評価制度が運用されています。
 加えて、今回の地公法改悪を契機に、県当局は、「目標管理制度」の導入を目論み、組合の反対を押し切って強行している状況です。
 愛媛県職労は、給与制度改革当時から、人事評価反対・能力成績主義の強化拡大反対を掲げて取り組みを行ってきました。各々の制度は強行されていますが、この間の闘いで特徴的なところを述べたいと思います。
 「勤評闘争」敗北後の職場は、勤務評定を最大限に悪用する当局によって、露骨な不当配転や賃金差別が行われ、職場は保守政策に従属する「もの言えない職場」と化し、事なかれ主義が横行する状況でした。
 その中で、先輩方の闘いによって組織を維持してきた県職労は、当時の先進的な自治体単組や動労千葉労働運動に学び、当局との闘いを進める中で、労働者として認められないものは「反対」を貫き闘い続けることが当たり前であり、重要だと確信していくこととなりました。
 「給与制度改革」時には、要求項目に「能力成績主義の強化・拡大反対」の項目を挙げて闘いを進めましたが、当時は職場での意見交換や執行部での議論の中で「人によって仕事のできるできないはある」「仕事の出来で賃金に差がつくのは仕方がないのではないか」「当局はどうせ強行するのだから、反対と言わずに有利な制度を求めてはどうか」などの意見がありました。
 しかし、政府や当局が評価制度の導入を通じて目論んでいることは、労働者の能力や実績を「適正に評価する」のではなく、労働者がお互いに「自分の方が仕事ができる」「あの人と同じ賃金では納得できない」など、仲間の分断・組合の団結破壊と、政府・当局に忠実な「もの言わぬ公務員づくり」が目的だと議論を繰り返しながら闘いを進めました。
 団体交渉で組合は、「賃金は生活給であり、みんな一緒でいい」と導入撤回を求めたところ、県当局は、「皆さんも同じ職場に仕事を休む人がいて、同じ賃金では納得できないでしょう」と投げかけてきました。しかし、ある執行委員が「全くそんなことは思わない。仲間ですから」と一蹴すると、当局は黙り込むしかありませんでした。
 県職労の機関紙=県職通信は、全職場・全職員に配布しているので、団体交渉の内容や組合の考え方は、管理職や未加入者も含めて職員全員に周知できます。当局は、制度の導入を強行しましたが、「組合=職員は合意してない」中での強行であり、全ての責任は当局が背負うしかありません。また、組合が常に目を光らせている状況での制度運用ですから、軽々に乱暴な運用は出来ません。提案当初当局は「これからは、普通の職員の2倍のスピードで常に昇給する職員が出る」などと言っていましたが、現在もそのような運用は行われていません。
 この時の取り組みの中で、県職労として、労働組合は人事評価制度・能力成績主義賃金に絶対に反対して闘うものだということが確立されたと思います。組合が合意していなければ、制度が強行されても、常に問題点を指摘し、歯止めをかけ、廃止に向けて団結して闘いを進めることが出来ます。しかし、制度自体を認めてしまえば、当局は、労働者は合意しているとして思うままに運用します。
 最も重要なのは、組合が人事評価・成績主義賃金制度に合意し、制度を認めることになれば、組合自らが当局に代わって制度の理解を求め、格差や不利益を組合員・全職員に強制する立場となることです。そのような組合では仲間の団結を守っていくこと、当局と闘っていくことはできないと思います。

★目標管理制度導入との闘い

 こうした闘いの経過の中で、県当局は「目標管理制度」の導入を目論み、2015年度下半期からの試行、2017年度から本格実施を強行しています。
愛媛県の「目標管理制度」の概要は、上半期・下半期毎に、各所属で決定される所属目標に沿って、職員各自が3件程度の個人目標を設定し、期末に自己評価を行う。目標は、達成度を数値化しやすいものとし、設定時・評価時は、職員と管理職が面談しながら行うというもので、当然そこには管理職の意向が大きく働くことが明らかな制度です。
 組合は、提案当初から目標管理制度の導入に反対し、実施した職員アンケート結果を踏まえて団体交渉に臨みました。
 県当局は、団体交渉の中で、▼全国でも導入してない県は残りわずかだ、▼職員の負担の少ないものとしたい、▼皆さんの意見を取り入れていきたい、▼上司と部下のコミュニケーションアップに繋がっている等、組合の合意を得ようと必死でした。しかし組合は、▽目標管理制度は職場の団結を壊し、混乱を生むものであり、導入しないこと、▽組織目標は、職場実態や情勢、人員配置は考慮されない、▽仕事の内容や質は数字では表せない、▽職場・仲間を分断する制度でしかない、▽上司と相談・合意といっても上下関係で決められる、▽評価と関係なく業務の進行管理をするのが上司であり評価は不要、▽評価の場でコミュニケーションなど取れない、▽目標設定・面談・評価など膨大な時間と労力はむだでしかない等々、組合に寄せられた導入阻止を求める声をぶつけ、交渉の都度、当局を追及し、県職通信で周知を行いました。現在、制度は強行されていますが、職場では管理職も含め「目標管理制度」は不要との認識が職場では一般的であり多くの職場で「形骸化」しています。
 「絶対反対」で闘うことで、労働者は必ず団結することができます。近年見られる「労働組合の納得できる人事評価制度の構築」方針では、組合は仲間の信頼を裏切ることにしかなりません。私たちは、引き続き人事評価制度に反対し、闘いを続けていきます。団結を固め、職場闘争・ストライキを組織できる組合に向けて、組織作りを進めていきたいと思います。