産別・戦線の闘い第8回 教育労働者の闘い非正規解雇と戦争を絶対許さない!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0335号06/02)(2018/02/01)

産別・戦線の闘い 第8回 教育労働者の闘い
非正規解雇と戦争を絶対許さない!

―世界で闘う教育労働組合のなかまのみなさんへ―

奈良市公立学校教職員組合

 全国労組交流センター教育労働者部会の2018年の決意を込めて、日教組奈良市がUTLA(米ロサンゼルス統一教組)と韓国・全教組(全国教職員労働組合)に宛てた連帯アピールを紹介します。
 私達奈良市立公立学校教職員組合(日教組奈良市)が直面している闘いについてお伝えします。
一つめは、非正規教員の解雇を絶対に許さない闘いです。日本では全労働者の40%が既に非正規化され、教育現場も例外ではありません。しかし、ほとんどの日本の労働組合は非正規労働者のために闘うことはなく正規と非正規は分断されてきました。そして、この分断は労働者の団結を阻害し、正規労働者にもブラック企業ということばが生まれるほどの労働条件の破壊をもたらしてきたのです。私達日教組奈良市は正規と非正規が一つの労働組合に団結して闘うことで非正規解雇を絶対に許さない新しい団結をつくり出してきました。
 昨年は「人事評価が低い」という理由で解雇を宣告された非正規の青年の解雇を団体交渉で撤回させました。また、やはり人事評価の結果を本人に告げる面談の中で非正規教員になされた「あなたは教師に向いていない」という校長の恣意(しい)的暴言に対して抗議闘争を闘い謝罪をさせました。このように人事評価制度は団結を破壊するだけではなく解雇の手段とされています。
 また、現在は私たちの組合の書記次長に加えられた組合活動を理由とするパワハラの形をとった組合敵視との闘いを継続中です。実はこの仲間も非正規教員なのです。
 そもそも、人間労働を公正・客観的に評価することなどできません。評価制度は団結の破壊、労働組合の破壊、労働者をランキングして競わせるための支配の道具でしかありません。だから、職場からの闘いで非正規職と評価制度を撤廃させることは今日労働組合にとって極めて重要な闘いだと思います。これらの現場の闘いに勇気づけられた青年非正規教員の組合加入が続いていることはうれしいことです。
 そして、2018年、奈良市仲川市長は長年奈良市の教育を支えてきた常勤非正規教員を財政難を理由に解雇しようとしています。教員だけではなく市役所で働く非正規労働者の解雇との闘いも始まっています。私達はこの解雇攻撃を許さないために一人でも多くの非正規教員が起ち上がるようにまた、正規教員も共にこの闘いに合流してくるように組織化を始めているところです。2018年3月末には日本全体で多くの非正規労働者が解雇されようとしています。私達は労働者階級全体にかけられたこの攻撃と産別を越えた団結で闘います。
 そして、二つ目は、日米による朝鮮侵略戦争を絶対に許さない闘いです。「教え子を再び戦場に送らない」という日本の教育労働者の闘いが正念場を迎えています。昨年来全国の学校で「北朝鮮のミサイルが着弾する」ことを想定した避難訓練が強制されてきています。
 はっきりさせなければならないのは、圧倒的な軍事力で北朝鮮を追い詰め戦争の引き金を引くチャンスを狙っているのは日米両政府だということです。勿論私達は北朝鮮の核兵器開発を認めるものではありません。しかし、全てのマスコミさえ「北朝鮮がいつ戦争を始めるか」ではなく「トランプはいつ戦争を始めるのか」ということを論じ合っています。
 日本の安倍政権はこの機に乗じて日本を再び戦争をできる国にするために軍事力と軍事行動の範囲を拡大し憲法を改悪しようとしています。
 戦争と改憲への道を阻むのもまた労働組合の団結です。とりわけ、教職員組合は戦争反対の中心を担ってきた歴史があります。「子どもたちの命を守るため」という教員への殺し文句に乗せられるわけにはいきません。私達が為すべきことは「避難訓練」に名を借りた教師と子ども達の戦争動員、北朝鮮への戦意高揚を労働の現場から拒否することです。教育委員会との団体交渉で当局の戦争動員を許さないことを宣言し、これから組合員との討論とオルグを始めようとしているところです。
 このほかにも現場にはたくさんの攻撃がかけられてきていますが、結局は私達のような小なりと言えども絶対反対で闘う労働組合を解体することが敵の攻撃のねらいです。私達は労働者と当局が非和解の関係にある最大の課題、つまり非正規解雇と戦争を絶対に許さない闘いを軸に闘うことで団結を拡大しストライキのできる労働組合へと飛躍したいと願っています。
 私たちの共通の敵である新自由主義と民営化そして戦争絶対反対の闘いを韓国全教組そしてUTLAの同志のみなさんとともに闘えていることは私達に大きな勇気を与え、勝利の展望を約束してくれています。団結!
 2018年 年頭

(写真 11・5労働者集会後にデモ行進する日教組奈良市)

教労,記事0335

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