関西生コン支部弾圧粉砕 1・1大阪府警包囲デモ

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0347号06/01)(2019/02/01)

関西生コン支部弾圧粉砕!1・1大阪府警包囲デモ

(写真 関生支部弾圧粉砕1・1大阪府警抗議集会)

木下 浩平(関西労組交流センター)

 2019年の幕開けは、大坂城の教育塔前での「労働組合への大弾圧を許さない!」大阪府警本部抗議集会&大阪府警本部を包囲するデモでした。呼びかけは全港湾大阪支部が中心になって結成された「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」です。
 集会前には、早朝から関西生コン支部の組合員の皆さんが関西各地から大阪府警本部前に集まり、単独の抗議行動を展開されていました。各ブロックの代表が発言に立ち、弾圧への怒りと仲間の早期奪還に向けた決意、シュプレヒコールを行っていました。
 10時からの集会では、元旦にも関わらず、関西はじめ全国から200人を超える仲間が参加して、非常に勢いのある闘争になりました。集会は、全港湾大阪支部の小林書記長が司会進行を行い、関西生コン支部から坂田副委員長が経過報告を行いました。
 委員長代行と紹介された坂田副委員長は、大阪府警や滋賀県警の不当逮捕や不当な長期勾留の報告のあと、「シャブコンではない、安心できる良質の生コンの営業活動をするのが、なぜ犯罪か」「安全点検をすることの何が犯罪か」「正当な組合活動、憲法を守っているのが我々だ」「被害も被害者もいないのに犯罪だと、すでに5か月も勾留されている仲間がいる」「今年は、長期勾留されている仲間を早期に奪還し、組合つぶしの弾圧に勝利する」と決意表明がされました。
 各団体からの発言のあと、デモに出発。大阪府警本部をグルッと一周するデモです。怒りのシュプレヒコールとデモ行進に、元旦から大阪城公園に遊びにきている外国人観光客や一般の方たちから注目を浴びました。府警本部の入り口は警察官が何人も配置され、あまりに不当な弾圧ゆえの戦々恐々としている権力の姿が印象付けられました。
 まとめの集会では、大阪府警本部抗議行動が1月12日(その後19日に変更)から再開されることや、2月1日に大阪での弾圧公判、3月10日のミキサーパレード後に大集会を行うことなどの行動提起がされました。
 この日の行動には、関西生コン支部を先頭に、動労西日本や動労水戸をはじめ日教組奈良市、八尾北医療センター労組、関西合同労組などの労働組合、婦人民主クラブ全国協議会、大阪星野文昭さんを取り戻す会や関西各地の労組交流センターの仲間が多数参加しました。
 昨年7月以来の一連の大弾圧は、すでに逮捕者がのべ46人、現在も11人が滋賀や大阪で長期に勾留されています。ストライキを「威力業務妨害」、要求や抗議行動を「強要」「恐喝」とでっち上げて、労働運動そのものを「犯罪」とする、戦後最大の労働運動弾圧です。
 資本・差別排外主義者を先兵にしながらも、本質は安倍政権中枢の指示による弾圧であり、「共謀罪」弾圧そのものです。安倍政権は、沖縄辺野古への土砂投入、入管難民法の改悪、水道法の改悪など、すでに破産した新自由主義政策を必死に強行し、改憲と戦争に突き進んでいます。だからその最も障害となる労働組合を事前に叩きつぶそうとしているのです。
 しかし、弾圧に込めた安倍政権の思惑はすでに打ち破られています。反原発闘争や反基地闘争、様々な住民運動を労働組合の反弾圧の闘いを軸に一つにつなげていっています。改憲を進める安倍政権の弾圧であり、自分たちに向けられた弾圧だという危機感と怒りが広がっています。「仲間を取り戻そう! 弾圧を打ち破ろう! 安倍政権を倒そう!」。こういう共通した思いが、関西生コン支部の教訓でもある「弾圧は友を呼ぶ」との言葉通り、12月8日の600人を超える反弾圧集会の成功や、今回の元旦行動の結集となって表れています。この闘いの中に、連合支配をひっくり返し、闘う労働運動を甦らせていく道があります。
 昨年8月、国鉄闘争全国運動関西を軸にして、「改憲・戦争阻止!大行進・関西」を結成し、その方針に基づいて各地域実行委員会が次々と立ち上げられました。そこでは定例会や各種行事に関西生コン支部の各地域ブロックも参加してくれています。共に議論し方針を練り上げていく中で、お互いの運動を知り、学び、組合や職種の違いを超えて団結を固めてきました。

(写真 関生支部坂田副委員長の「報告と決意」)

 また、関西青年労働者集会実行委員会は、関西における新たな青年労働者の結集軸を打ち立てる挑戦として、毎月の実行委員会や青年実企画、そして青年労働者集会を、拠点攻防と一体でつくってきました。関西生コン支部青年女性部は実行委員会立ち上げ当初から、青年部三役や担当役員がたえず参加して、「どういう時代なのか」「どういう青年労働者の運動をつくっていくのか」真剣に議論し、交流を深めてきました。
 この1年近くは、特に弾圧の問題です。私たちにとっても、この2019年、20年がどういう時代なのかをつかむ重要な議論をしてきました。
 弾圧は、それでなくても労働組合にとって大変な攻撃です。しかも今回の弾圧は、改憲・戦争情勢下での国家をあげた労働組合つぶしの権力弾圧です。生半可な攻撃ではありません。現場で不安や動揺、葛藤があって当たり前です。しかし、関西生コン支部はこの弾圧を「ストライキに対する労働組合全体にかけられた攻撃」と捉え、先輩たちが命がけで築き上げた組織の存亡をかけた闘いと見据えました。そして逮捕された仲間が組合を信じて完全黙秘・非転向で闘い、外の仲間は、獄中の仲間の闘いを誇りにして組織を守り、運動を止めず、団結を守り抜いています。その先頭に執行部・役員はもちろん、弾圧に初めて遭遇する青年女性部の若い活動家が立っています。関西生コン支部が、これまで何度となく弾圧を受け、その度に闘い勝利してきた歴史と教訓が、組合員の中に脈々と受け継がれていることに感動します。
 武谷書記次長が、「最後は大衆運動が決する」と述べられていることが重要です。「改憲・戦争阻止!大行進」運動を発展させ、あらゆる怒りとつながって、関西生コン支部への弾圧を粉砕することが、改憲・戦争を止める道だと確信します。
 連帯ユニオン関西生コン支部の仲間と固く団結して、勾留されている11人の仲間の早期奪還と、労働運動の壊滅を狙う権力弾圧を打ち破り、改憲・戦争に突き進む安倍政権の打倒まで共に闘いぬきましょう!