9・23神奈川集会の勢いで改憲阻止へ
はじまりから終わりまで感動的でした!
※9・23神奈川集会の勢いで改憲阻止へ!
葛本 京子(三浦半島教育労働者部会)
9月23日神奈川県民センターで、「ジャーナリスト安田純平が語る 戦争下のシリア拘束40か月の真実」と銘打って、改憲・戦争阻止!大行進神奈川主催の集会を開催しました。会場に溢れるほどの人が集まり立ち見が出るほどの大盛況でした。参加者は260人。前代未聞のできごとも経験しながら、結成から7か月の大行進神奈川は成長を続けています。
参加者の心をグッと引き寄せた主催者あいさつ
「台風15号による停電・熱中症のため命を落とした方がいる時、組閣やラグビーワールドカップに興じていた安倍首相。福島・双葉病院の患者ら44人の命を奪った東電元役員を無罪とした東京地裁判決。『表現の不自由展・その後』中止への怒り。『あたりまえの労働運動』をする関生支部への弾圧。この一人ひとりの悲しみ、悔しさ、怒りを運動の原点にしたい」
この主催者あいさつが参加者の心をつかみ、会場が一つになったところで安田さんの講演が始まりました。
やりたい時にやりたいことをやれる大切さ
2012年、安田さんがシリア・タルビサに入った時の映像を見つつお話を伺いました。反政府軍「自由シリア軍」の拠点で寝食を共にし、内戦の現実を取材した映像に誰もが目を奪われました。アラブの春は、はじめは小規模のデモから始まります。政府は、デモ隊を「テロリスト」と弾圧し、デモ隊の治療をした医者を「テロリストを治療したテロリスト」だと、電気ショックなどによって記憶も破壊されるような拷問を繰り返すそうです。ナチスと闘う者は「レジスタンス」、でもアメリカに歯向かう者は「テロリスト」。言葉のもつ意味だけではなく、それが誰の言葉なのかを考えなくてはなりません。
DVDには、パイ生地を作る職人や羊飼いだったフツーの人が、アサド政権の腐敗を目にして、生死をかけて反政府軍として戦っている姿が映っていました。政府軍による爆撃で病院が破壊され、負傷者はレバノンまで運ばなければなりません。8割の住民は町を離れていったそうです。紛争地でなにが起きているのか? 本当のことは現地を直接取材することでしかわかりません。
安田さんが拘束されていた間、日本政府は身代金を払わないばかりか、水面下での解放交渉もせず、家族に対して有力情報すら伝えなかったと言います。そもそもマトモな情報すらつかんでいなかった、そういう意味では「日本は戦争に向いていない」…ですって!
拘束中に安田さんがずっと考えていたのは、「やりたい時にやりたいことをやれる大切さ」。今「自由がある」私たちは、もっとやらなくっちゃ!
砂川判決の真実
1959年、立川米軍基地拡張に反対した労働者・学生が起訴された東京地裁で、「米軍基地は9条違反」だとする「伊達判決」が出されました。政府は高裁をすっ飛ばして跳躍上告をし、最高裁で田中耕太郎長官・裁判長が原審破棄・有罪判決を出しました。
その裁判の過程で、田中裁判長が一方の当事者であるアメリカに裁判情報を流したことがアメリカの公文書によって明らかになりました。明らかに憲法28条「公平な裁判所において裁判を受ける」権利の侵害です。
今年3月、国家賠償裁判に提訴した原告のひとりである坂田和子さんと、弁護団長の武内更一弁護士からの特別報告を受けました。民衆一人ひとりの権利や命、憲法ではなく日米安保や基地を最優先で守ってきたのが日本政府であることがはっきりとなりました。学校で教えてもらった「三権分立」なんてうそっぱち!「三権」は「一体」です。
横浜西口を席巻した改憲・戦争阻止のデモ
最後に、呼びかけ人を代表して野本三吉さんが、あの有名なニーメラー牧師の言葉を読み上げて、関生弾圧許すな、「広島教職員100人声明」への賛同を訴え、「みんなで声をあげましょう!」と呼びかけました。
集会後の横浜駅西口へのデモにもたくさんの人が残ってくれて120人の圧巻デモです。沿道は若者でいっぱい、太鼓のリズムに乗ったり、手を振ったり、握手や手拍子したり賑やかなデモに楽しそうに応えてくれました。「改憲・戦争反対!」「子どもたちの未来を戦争で奪うな!」のアピールは、街ゆく人々に確実に届いたと思います。ナイスなデモコースが実現したのは、デモ申請に難色を示す警察に対して、粘って押し切った事務局のFさんの〝お手柄〟です。初めての参加者にも沿道の若者にもわかりやすいコールを心がけました。解散地点で高揚して「次も参加します」と語っていく人、横浜駅まで〝9条改憲 NO〟の真っ赤なボードを意気揚々と掲げて帰っていく人。「熱気あふれる集会だった」等と書かれた感想用紙もたくさん頂きました。
これからのこと
たくさん人が集まって、いい話が聞けて「よかった、よかった」と終わってはいられません。めざすは「改憲・戦争阻止!」です。今回、いくつかの運動団体から複数での参加があったり、多くのリピーターがいたり、一人参加の若者がデモまで残ったりと注目すべき点がありました。今後は、参加した人たちの中からどれだけ次の担い手・リーダーをつくれるかです。
また、前日の水戸集会に参加をした広島の教育労働者も参加してくれました。各地の大行進が、無理のない形でお互いの企画に参加することもありです。人が多く集まれば集まるほど、主催する側の姿勢が問われます。それは受付の対応や案内に始まり、集会の作り方にも及びます。「内輪集会慣れ」している私たちの感覚をフラットに戻すことも必要です。
神奈川は、3月県民大集会の開催にむかって、さらに原則的で大衆的な取り組みを積み重ねていきたいと思います。