闘う合同一般労組 「労働組合とは何か」を問われる日々

2019年12月24日

月刊『労働運動』34頁(0357号09/01)(2019/12/01)

闘う合同一般労組
「労働組合とは何か」を問われる日々

新井 拓(さいたまユニオン書記長)

さいたまユニオンのこの間の闘いは、前進あれば苦難・試練、「後退」や敗北もたくさんありました。日々「労働組合とは何だろうか」を問われています。あまりまとまりませんが、この間の主な闘いを報告します。

埼玉GTRのたたかい

埼玉GTR(合同・一般労組建設・運輸連絡会)は、現在4つの分会(職場)があります。会社資本の激しい組合破壊攻撃の中で「自分はどんなことがあっても闘う」と職場でひとり踏ん張ってきた組合員が多い中、職場全体を対象に、労働組合の影響力を拡大する闘いに挑戦しています。それぞれが自分の職場の交渉や闘いだけではなく、職場をこえて駆けつけ、会社と交渉しています。
その一つの地平が7月24日に行われたO分会のストライキです。前日ストライキを決断するという緊急の闘いとなりましたが、GTRに結集する組合員が午後の門前に結集し、当該の組合員とともに会社に抗議し、闘いました。
しかし、会社の組合破壊・団結解体の攻撃も生半可なものではありません。埼玉においても、関西生コン支部弾圧を引き金とするかのように、組合破壊攻撃がより露骨になってきたと感じています。
これを打ち破るために必要だと痛感しているのは、組合(とりわけ執行部)の側の団結・一致とそのための討論です。職場の違う組合員同士が互いを理解し、団結をつくることは、一つの組合に結集したからといって自動的に実現されるわけではありません。GTRのように同じ業種であってもそれは同じです。一致するまで徹底的に討論することです。その内容の根本は「資本家階級と労働者階級は非和解である」というマルクス主義です。それを土台にして、建設・運輸をひとつの業種として組織する関西生コン支部のような考え方が必要だと感じています。

(写真 11・3集会で登壇したモロコ・ビキラさん家族)

入管体制と闘い、外国人労働者の権利を守る

11・2国際連帯集会では、コンゴ民主共和国からの難民、モロコ・ビキラさんの入管からの解放を求める闘いを報道したニュース映像が流され、発言こそありませんでしたが、当該の家族が11・3労働者集会に参加し、壇上に上がりました。集会会場では署
名とカンパも約1万1千円集まりました。本当にありがとうございました。モロコさん
は昨年1月に東京入管に収容され、すでに2年近く「先の見えない」拘束が続けられて
います。夫、2人の子どもと引き裂かれ続けています。絶対に許せません。
組合内でも様々な議論があります。「外国人の問題が重要なのはわかるが、どこまで労働組合として闘うべきなのか」という意見も当然あり、真正面から討論しています。一つ、確実に言えるのは、入管行政をはじめとして日本では間違いなく、政府と会社・資本によって国籍による差別・分断が行われているということです。「日本人は差別する」。これはこの間、一緒に闘っている外国人労働者の言葉です。この差別と闘うことは、決して「慈善事業」ではなく労働者階級の国境を越えた団結のための闘いです。
率直に言って私自身も「どこまでやれるのか」と思いながらの闘いですが、全力をつくす以外にありません。

(写真 11・16~17狭山☆星野文昭絵画展)

星野文昭さんの絵画展を狭山の地で開催

11月16~17日、国家による部落差別犯罪との闘い―狭山闘争の地である狭山で「狭山☆星野文昭絵画展」を開催し、ユニオンも実行委員会の一員を担いました。当初は「仮釈放実現のため」と4月ごろから準備を開始し、地元狭山の方も含めて、5度の実行委員会を重ねてきました。準備のさなかに星野文昭さんを失ってしまったことは本当に悔しい限りでしたが、絵画展初日には暁子さん、岩井信弁護士のお話もうかがい、現在も再審闘争を闘う石川一雄さん・早智子さんご夫妻とも一つになって、国家犯罪を暴く闘いの「新たな出発点」として成功したと思います。
さいたまユニオンは動労連帯高崎と「車の両輪」となって埼玉労組交流センターを担っています。この間、県内の「表現の自由を守る」取り組みと結びつき、埼玉における「大行進」を構想していこうという議論をしています。ユニオンと交流センターが埼玉における労働組合運動の軸となり、改憲阻止・戦争反対運動の先頭に立つ決意です。

動労千葉の闘いの教訓に改めて返る

この文章を書くにあたって『労働運動の変革をめざして』を読み返しました。この本で動労千葉の田中康宏委員長(当時)が訴えている動労千葉の闘いの教訓に改めて返ることを決意して、この文章を終わりたいと思います。
「どんなに小さな労働組合でも、労働者階級全体の利益、労働運動全体の前進という観点を常に忘れてはならない」「資本と労働者は非和解的な関係にあるというマルクス主義の原点を忘れず、あいまいにせず、貫くことが、どのような労働運動をめざすのか一番大事な分かれ目になる」
「時代認識が重要だ。常にいかなる時代に生きているのかを職場の労働者とともに考える。直接の職場や産別における問題だけに視野を狭めてしまったら労働者は力を発揮することはできない」
「闘いの路線・方針が正しくなければ労働者は団結できない。しかし、路線・方針だけでは職場全体が団結することはできない」「その路線・方針が正しいか否かは、職場の労働者が自分の経験にもとづいてその正しさを納得したかどうかで検証される」
「常に問われるのは指導部」「指導部・活動家が揺らぐことなく、確信に満ちて先頭に立っていれば、労働者は絶対に団結を崩さない」
「階級的な労働運動であるためには、労働者階級の特別の任務として戦争に絶対反対すること、戦争を準備する自国の政府を倒すために断固として闘い抜くことによって、労働者の国際連帯を強化すること、労働者自身の手で労働者の政党をつくりあげる努力共に勝利まで闘いましょう。