ロサンゼルス統一教組が歴史的な連帯ストライキ When we Fight We Win ―組織し団結して闘えば必ず勝利する―

(写真はストライキ参加者であふれるロサンゼルスの街)

歴史的な連帯ストライキ

ロサンゼルス統一教組(UTLA)は今年3月21日から23日の3日間、公立学校で働く用務員や清掃員、スクールバス運転手などのサービス従業員労働組合(SEIU)ローカル99の労働者たちが決起したストライキに連帯し、ロサンゼルス統一学区の約800ある学校をすべて閉鎖して共に闘った。双方とも3万の組合員を有するが、地域の他労組も駆けつけ保護者も加わって、7万を超える人びとが結集したスト集会は圧巻だった。
この大ストライキによって、SEIUローカル99の労働者は30%の賃金アップ、ボーナスの遡っての支給、家族も含めた健康保険の適用範囲の拡大など、要求をすべて勝ち取ることができた。スト突入時のSEIUの組合員によれば、ほとんどが仕事を2つ以上掛け持ちしており、24%は十分な食事が摂れず、3人に1人はホームレスかそれに近い状態だと言う。
「これは学校で働く労働者に対する学区の明らかな搾取です。彼らは生徒の親でもあり、学区が子どもたちを貧困に追いやっているのです」――アメリカの労働法では連帯ストは違法だが、UTLAは「連帯してストをする」ときっぱりと言い放った。

UTLAの協約改定闘争

連帯ストライキは大きな成果をもたらした。団体交渉のやり方も従来は交渉に15人の交渉チームが参加していたが、交渉員の数を85人に増やし、団交の場から職場に戻ると交渉員は直ちに交渉内容を仲間に伝えた。日頃共に働く同僚から学区当局の攻撃を聞き、職場から学区ビル前での集会などの行動に出る人が増えていった。
当初、UTLAは独自のストライキを計画していたが、学区がUTLAの要求をほとんど受け入れたことで、4月18日に組合と学区当局の双方が暫定協約案に署名した。批准投票で組合員の
96%が賛成票を投じ、3年間の労働協約は成立した。組合は20%の賃金アップを要求していたが、最終的に21%で決着した。その他にも、学級サイズの縮小、学校カウンセラーやメンタルヘルスのプロの増員、コミュニティースクールへの資金増額とスタッフの増員などが勝ち取られた。

『月刊労働運動』23年6月号より抜粋