5.28関生集会に参加して

組合員を先頭に大阪府警までデモ

逮捕・起訴・有罪判決、その過程での組合脱退強要、そして職場における数々の不当労働行為、雇い止め解雇、労働委員会による命令すら無視する生コン協同組合と資本、……。
2018年に始まった関西生コン支部への大弾圧に対する、腹の底からの怒り、勝利への執念で思いを一つにした巨大な隊列が、林立する「連帯」の旗を先頭に、夜の大阪の街を行進し大阪府警本部に迫った。
3労組共闘をともに闘う動労千葉、港合同、各地の労組交流センターも、ともにこの闘いを担い、今年の関西では最大級となる労組デモは、前段の「なめたらアカンで!労働運動!関生総決起集会」とともに力強く打ち抜かれた。

湯川委員長発言「組合をつぶすことは組合員を殺すことだ」

会場となったエルおおさかの第一・第二会場を埋め尽くす参加者を前に、細野直也書記長が開会宣言。
湯川裕司委員長が主催者あいさつに立ち、「2018年からのべ80人をこえる組合員が逮捕されたが、弾圧によって家族も働く場も奪われた仲間もおり、争議はもっと多い数になる。現場組合員がどういう思いで闘っているか、本日の集会を通して彼ら彼女らの生の声を聞いていただきたい」と集会趣旨を提起。「働く者にとって、雇用を奪われ、働く場を奪われることは存在を否定されることだ。組合をつぶすということは、文字通り組合員を殺すということだ。これは戦争そのものだ! 私たちはどんな状況になっても徹底的に闘っていく」と力を込めて会場に訴えた。
そして、弾圧が始まって以来初めて労組主催の集会を開催できたことへの感謝を述べ、今後も組合主催の集会・デモを継続して開催していく決意を訴え、参加者は満場の拍手と声援で応えた。

戦争反対を貫く労働運動への弾圧

続いて、弁護団を代表して永嶋靖久弁護士が「組合つぶしの現段階と裁判の現状」と題し講演。今回の大弾圧について「労組の壊滅を意図した国家権力による組織的・系統的・全面的な弾圧」と位置づけ、弁護団として「『関生に労組法の適応はない』などという敵の構えは断固許すことはできない」と喝破。さらに、戦争情勢を踏まえて「今日、戦争に反対を貫く労働運動への弾圧だということが明白になっている」と明快に提起。労働者階級全体の利害を体現した決戦であることを強く印象づける内容に、参加者は熱心に聞き入った。

弾圧への怒り、勝利への執念がほとばしる組合員の発言

集会の後半は、12分会の現場組合員からの闘争報告と決意表明が続いた。「検察官による労組脱退勧奨を裁判で証言し、国家権力による不当労働行為の事実は新聞でも大きく報道された。記録に残らない警察による脱退勧奨では『お前が率先して組合を抜けろ』『コンプライアンス(法令順守)闘争を続けるなら何回でも逮捕してやる』などと言われてきた。
黙秘を貫いたことが弾圧に負けなかった勝因」、「組合が力を取り戻し、未組織労働者からも『振り向けば関生がいるから安心して働ける』と言われてきた関生の闘いを復権したい」、「『労組は反社会的勢力なので話し合いはしない』などと言うとんでもない経営者と対決し、謝罪を勝ちとるまで闘う」、「女性労働者として組合の力を借りて女性の働く権利を勝ちとってきた。偽装倒産によって会社ごと組合をつぶす攻撃がかけられたが、泣き寝入りだけはしたくないと必死に闘っている。分会の先輩たちは、裁判で何度も負けても最終的に現場の闘いで勝利して分会を
築き守ってきた。この闘いに学び継承していく」。
弾圧への心の底からの怒り、闘う組合としての誇り、仲間への思い、そして勝利への執念がほとばしる発言の数々に、会場全体が深い感動と、さらなる共闘への決意に燃え立った。
なにより、労組としての力の源泉、弾圧に屈しなかった団結の源こそ、この日発言に立った現場組合員一人ひとりの存在にあることに改めて気付かされた。
そしてその怒りと苦闘に真摯に向き合いながら闘いの先頭に立ち続け、現場組合員の圧倒的信任を得て昨年確立された新執行部体制が、関西生コン支部の新たな歴史を刻んでいくことを強く印象づける決定的な集会となった。

関生と共に闘う労働運動を作ろう

この集会の直前、5月23日の「大阪ストライキ1次事件」の控訴審判決では、大阪高裁は控訴を棄却し、懲役刑の不当判決。
判決文での「量刑の傾向は時代によって変わりうるものである」という一文は重大だ。大恐慌・コロナ・戦争の危機と物価高騰で労働者家族の命と生活がかつてなく脅かされている今の時代こそ、本気で闘う労働運動が労働者階級に待ち望まれている。
国家権力は、この事実に支配体制の危機を見て、弾圧を仕掛けていることがますます明白となった。
一方で、「近江アサノ地位確認訴訟」控訴審では、大阪高裁は「一審判決(解雇有効の不当判決)に疑問あり」として全面的に洗い直す意向を示し、審議が継続している。解雇撤回の勝利に向かっての執念が引き寄せた重大局面だ。不当労働行為を打ち破るための各地での社前闘争・街頭宣伝も継続して粘り強く闘われている。
5・28集会の大成功をバネに、支援・共闘をさらに拡大し、自らの職場・地域に、関生とともに闘う労働運動を打ち立てよう。

『月刊労働運動』2022年7月号掲載