JPEX計画が破綻(総務相「統合延期」を要請)
2009年8月19日発行
JPEX計画が破綻(総務相「統合延期」を要請)
現場労働者の闘いの勝利だ!
東京・銀座局で8・1出向内命の通告を阻止!
民営郵政による圧倒的な労働強化と非正規職化推進(8割を非正規職に置き換える『首切りの自由化』)の「戦略事業」であるJPEX子会社化計画が、現場労働者の怒りと反撃で重大な破綻に追い込まれています。8月11日に総務大臣が「10・1事業統合の延期」を日本郵政・西川社長に要請する事態となったのです(別掲の8・12東京新聞を参照)。
「延期要請」の理由は「要員問題の心配が解消していない」(同)こと。つまり現場労働者の怒りと抵抗でSD(長時間の労働地獄で悪名高いサービスドライバー)要員の確保が出来ていないというのです。東北地本だけで「150人も足りない」と分かりました。JPEX計画をあらかじめ承認していたJP労組幹部の度し難い裏切りにもかかわらず、当局の意向調査に対してほとんどの現場労働者が《出向に応じない》意思を表明したのです。
そして東京・銀座局では、6月以来「JPEXに行け」と当局の肩たたきにあっていた労働者が、7・1内命を阻止したことに続いて、8・1の出向内命通知も阻止したのです。現場の声が一つ形になり、力となったのです。まさに現場労働者の闘いの勝利です。
会社の8/1通知「見切り発車」の真相は
裏で労組執行部が「10・1統合の強行」で同意していた!
この破綻のなかで、当局は8月1日に「(出向)内定通知の日時、出向期間、出向先、出向期間中の所属」を、当該労働者に「口頭で通知する」行為に及び、8月3日からの業務研修を各局で見切り発車しました。業研の現場で「認可も下りていないのに業研強行とは何事か!」「当局がコンプライアンス違反をやるのか!」と現場の怒りが爆発する事態となったことは当然です。
では何故、このような無茶苦茶な見切り発車が行われたのか?7月29~30日のJP労組・地本書記長会議では、「10月1日スタートは変えないことで本社と一致した」と確認された。つまり、JP労組中央本部はJPEX計画の「10・1事業統合の強行」で同意していたのです! とんでもない労働強化と大合理化計画であるJPEX攻撃と闘わないどころか、「計画の強行」を会社と裏で合意していたのです。絶対に許すことの出来ない裏切りです。
8月の仙台大会では、山口委員長(当時)が「JPEXの要員確保は組合として万全を期す!」と発言しました。この山口委員長はどうなったか? 郵便会社の重役に納まるというのです。成果主義賃金=郵便会社本体を含む全員の3割賃下げ(!)を自分から申し出たのもJP労組本部だ。全国でまかり通る非正規職(ゆうメイト)の一方的な雇い止めを、まったく闘わずに承認してきたのもJP労組本部だ。JPEXの大合理化計画も、会社と組合幹部の完全な『合作』だったのです!
組合役員は現場の声をちゃんと聞け!
労働組合を現場組合員の手にとりもどそう!
私たち労働者が身を削った組合費で運営されているJP労組は、いったい誰のものか!
労働組合は、断じて一部幹部の出世の道具ではありません。労働組合は私たち現場労働者の利益を守るための、現場労働者自身の闘いの武器です。組合費とは、ストライキで資本と闘って現場の利益を守るための闘争基金です。1時間のストライキも打てないどころか、「スト絶滅宣言」まで出した現在のJP労組中央本部は、俺たちの組合費から1000万~最高3000万円もの手当を受け取っています。こういうのを「労働貴族」「ダラ幹の腐敗」というのです。彼らは、現場労働者の敵です。
職場で働くすべての仲間の皆さん! 8月下旬の支部大会を前にして私たちは訴えます。闘わない執行部を全員退陣させよう! いまこそ私たち現場労働者のための、闘う執行部を作ろう!
(裏面に続きます)
自民党支配の崩壊に闘う労働組合の登場を
「国鉄1047名解雇撤回」「民営化絶対反対」で闘う全世界の労働者が集まる! 11 月1日、職場から闘う労働組合を甦らせ、日比谷に大結集しよう!シリーズ①
今年も動労千葉(解説を参照)、全日建運輸連帯・関西地区生コン支部、金属機械・港合同の闘う労働組合3団体が、11月1日、日比谷野外音楽堂で1万人の大集会をやろうと呼びかけています。職場から丸ごと集まろう!
今年で12回目の11月労働者集会は、アメリカ、韓国に続き、フィリピン、トルコ、ブラジルから、世界大恐慌の中、新自由主義=規制緩和・民営化と戦争と闘う労働者・労働組合が参加することが決まりました。
新自由主義の先駆けとなった国鉄の分割・民営化と闘い、勝利してきた動労千葉の職場での闘いに共感が集まり、「労働者の団結した力が社会を変える」「国際的な労働者の組織が必要だ」「11月に日本で会おう」と国際的な団結が生まれたのです。
私たちも、郵政民営化から2年、第2の民営化攻撃としてのJPEX子会社化計画を破産に追い込んでいます。現場労働者の怒りと束になって当局、闘わない執行部と闘ってきた大きな勝利です。
今、労働者が生きるために、労働者が誇りを取り戻し、資本と闘う労働組合を甦らせていくことは、万国共通の課題です。現場の日々の闘いは、世界の労働者につながっています。世界大恐慌と自民党の政治支配の崩壊は、もはや後戻りはありません。労働者にとって確かなものは、労働者の団結した力です。「万国の労働者は団結せよ」(マルクス『共産党宣言』)、11月集会に集まって、世界を変えよう!
以下、各国の労働者の声を紹介します。
「反戦の母」シンディー・シーハンさん
団結し労働者の力で港湾を止め、戦争をやめさせよう
私は言いたい。労働組合が民主党支持という政策と縁を切らないかぎり、そしてランク&ファイル(一般組合員)の労働者が立ち上がらないかぎり、何も変わらない。これをわれわれが自覚しないかぎり何も変わりません。
搾取する階級と搾取される階級の問題です。労働組合に属したり、社会正義をめざしたり、平和運動をやっていようが、搾取されている階級として団結すべきだ。
アフガニスタンとイラクから軍隊を撤退させるまですべてを止めよう!搾取する階級をやっつけよう! いんちきな連中をたたきのめせ!
フィリピン航空地上職労組委員長ゲリー・リベラさん
デモとストを打ち抜いて動労千葉のように闘う
フィリピン労働者を苦しめている真の原因は資本主義体制そのものです。資本主義諸国は利害を対立させつつも労働者を搾取するという点で結束している。問題は、労働者の国際的な団結組織持っていないこと。
農・林・漁業部門は収縮し、輸出総額も急落。政府は自由貿易区域に外資を大規模に導入している。そこでは組合の結成は認められない。失業は死を意味し、労働力を輸出せざるをおえない状況です。
しかし、動労千葉のように断固として闘い、自由貿易特区で初めてのストライキをやり抜きました。
民主労総ソウル地域本部指導委員イジェヨンさん
民主労総は労働者の闘争と変革の軸として再び立つ
今朝鮮半島は戦争の暗雲が立ちこめています。オバマ政権は、世界の資本主義が恐慌に陥れば陥るほど、侵略的にならざるをえません。北朝鮮に対しては戦争をとおした体制転覆を狙っています。労働運動が急進化・政治化してこそ恐慌と戦争の突破は可能です。民主労総が韓国労働者の結集軸に。
トルコ・進歩的医療労働組合書記長トウファン・セルトレクさん
労働者階級を中心とした団結のみが未来を開く
1973年に組合を結成。80年代には、軍事クーデターによって組合活動禁止。92年に再開したが、民営化の攻撃が全面化していた。公務員と派遣に分けられ、下請け会社がマフィアの経営などで、困難な組織化のなか、すべての医療労働者を仲間にした。トルコが帝国主義によるイラク、イラン、シリアの侵略の手先になることを拒否します。ともに闘いましょう。
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サンヨン工場占拠ストが終結!
新自由主義を突き破る労働者の団結を示した77日間の闘い
韓国・民主労総全国金属労組双龍(サンヨン)自動車支部は8月6日、資本と李明博(イミョンバク)政権との壮絶な死闘戦に勝利し、労資合意に至った。
(写真 労使合意を組合員に報告・確認を得た後、全組合員と抱き合う支部長ら)
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動労千葉とは
国鉄千葉動力車労働組合。80年代の国鉄の分割・民営化攻撃に対して、唯一2波のストライキで真っ向から闘い、多くの解雇者を抱えながら、組織を拡大し、日本の労働運動の再生のために奮闘している労働組合。
国鉄1047名闘争とは
87年の国鉄の分割・民営化時に、労働組合に属していることを理由に、最終的に首を切られ解雇撤回を求めて闘う戦後最大の争議。以降、23年間、政府の民営化政策に立ちはだかっている闘い。