安保3文書改定の閣議決定を許さない! 大軍拡予算粉砕・岸田打倒の巨大な反戦闘争を! 

(写真は、12月14日に行われた防衛省抗議行動)

12月16日、安保3文書改定の閣議決定が強行された。中国侵略戦争を実際に遂行するための国家体制、戦争優先の社会への大転換を図る、戦後史を画する安保政策の大転換だ。猛然たる怒りを、官邸・国会-岸田政権にたたきつけよう。

中国侵略戦争へ向けた国家体制への全面転換狙う安保3文書改定

安保3文書改定は、米国家安保戦略やNATO戦略文書と同じように、中国について「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と規定し、対中国の侵略戦争を米軍とともに遂行するための国家体制・国家戦略へと大転換させるものだ。「『基盤的防衛力構想』からの完全な脱却」(防衛省の前事務次官が7月の離任式で強調した)が目的と言われているように、一般的平均的な防衛力を維持するというあり方から完全に転換して、実際に中国との戦争を具体的に想定し、そのために必要な防衛力=軍事力を全面的に整備するということである。

具体的には、「反撃能力」と称する「敵基地攻撃能力」の保有を明記し、憲法9条-「専守防衛」の建前を完全に踏み破り、中国本土を攻撃する軍事力を整備する。実際に、当面する射程距離1千km以上の国産ミサイル配備や、中東への侵略戦争の主力となってきた殺戮兵器=米巡航ミサイル『トマホーク』の購入に続き、射程距離2千km超の高速滑空弾、そして3千kmもの極超音速誘導弾の計画も表に出てきている。

敵基地攻撃については、「反撃能力の行使を含む日米間の運用の調整」と明記し日米共同作戦として展開するとともに、いわゆる「存立危機事態」(同盟国への攻撃)をもって集団的自衛権の行使として発動できるようにすることも狙われている。「自衛」や「反撃」を振りかざしながら、対中国の侵略戦争への道を本格的に準備しようとしているのだ。

※米軍が攻撃的兵器による「積極防衛」も含めて提唱し、米軍と全面的に連携したシステムである「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」も掲げた。

※「スタンド・オフ・ミサイル部隊」を新設し、地対艦ミサイル連隊(7個)、島嶼防衛用高速滑空弾大隊(2個)、長射程誘導弾部隊(2個)へと増強する。

そして、陸海空3自衛隊を指揮する常設統合司令部を創設するとともに、沖縄の陸上自衛隊、第15旅団を増強して師団級に格上げし(司令官も陸将補から陸将に格上げ)、沖縄に司令部を置く米海兵隊第3海兵遠征軍とのカウンターパートとして明確にして、陸自水陸機動団(=日本版海兵隊)とともに米海兵隊の対中国作戦「遠方前進基地作戦(EABO)」に基づく米軍との共同作戦を本格的に展開できる体制も構築しようとしている。

さらに「継戦能力」(「持続性・強靭性」)を声高に叫び、弾薬庫の増設と合わせて、空港・港湾・鉄道などの公共インフラの軍事使用、そのための拡張・建設も進める。浜田防衛相は12月8日の安全保障委員会の中で、軍事使用に転換すべき対象の空港について、宮古島の下地島空港と成田空港を挙げた。この中で、成田軍事空港絶対反対で闘う三里塚・市東孝雄さんへの農地強奪の強制執行(戦争のための強制徴発だ!)に手を染めようとしているのだ。断じて認めることはできない。

 

戦争優先で労働者人民からすべてを奪う大軍拡攻撃

防衛省は「5年で48兆円」の防衛費=軍事費を主張し、最終的に現・中期防の1・5倍の「43兆円」が、新たな「防衛力整備計画」に明記される。「防衛力強化資金」の名で、あらゆるものを防衛費に注ぎこもうとしている。コロナ対策の積立金や、東日本大震災の復興特別所得税も、軍事予算に回すというのだ。

さらに、戦後はじめて防衛費の財源、具体的には自衛隊施設に建設国債をあてようとしている。日銀の国債直接引き受け-大インフレ-国家財政破綻に行き着いた戦前の戦時国債の大量発行の道に踏み込んでいくものだ。同時に、防衛増税も訴え、自民党内から不満が噴出している。それは、労働者人民の怒りに火がつくことに震え上がっているということであり、支配階級の危機の深さを示している。

しかし、増税にしろ国債にしろ労働者の犠牲の上に成り立つものだ。戦時下の大インフレ-物価高、貧困拡大の中、一握りの支配者の利益のために「国民全体の負担」(有識者会議)で防衛費を拡大し、戦争準備を進める。すべてを軍事優先でむしり取り、動員し、歴史を画する大軍拡-侵略戦争への道を開こうとしているのである。絶対に許すことはできない。

 

米日政府こそ戦争の元凶だ! 自国政府打倒と国際連帯貫く反戦闘争を!

すでに、米軍・自衛隊が南西諸島(そして日本全土)を丸ごと軍事拠点=戦場にたたき込みながら中国への侵略戦争を狙う作戦に基づく、大規模な実戦訓練が繰り返し行われている。

そもそも中国の「抑止」などというが、戦争の元凶は一体誰なのか。戦後の米国基軸の「国際社会」、そして日米安保同盟が、朝鮮、ベトナム、アフガン・イラクをはじめどれだけ世界を戦火にたたきこんで来たのか。いまその世界支配の破産・崩壊の中で、米国が自らの基軸国としての地位と世界支配の維持をかけて、「唯一の競争相手」とみなす中国に対して戦争をしかけようとしている。その中でウクライナ戦争が世界戦争の始まりとして火を噴き、激化している。そして、米政権以上の危機を深める日本の支配階級、政権末期の岸田政権は、自らの支配の延命をかけて中国侵略戦争に突き進んでいるのである。そのために、すべての犠牲を労働者人民に転嫁するのだ。行き詰まり破産し、戦争でしか支配を維持できない資本主義・帝国主義の体制こそひっくり返さなければならない。

世界でストライキが闘われている。イギリスでは、看護師、鉄道、空港、郵便などで、33年ぶりの大規模なストライキ情勢に入っている。韓国やアメリカでは、国家権力・軍隊を導入したスト圧殺・弾圧と激突しながら必死に闘いが展開されている。

何よりも改憲・戦争阻止!大行進は、全学連を先頭にして9・23-27国葬粉砕闘争を闘い、動労千葉・関生支部・港合同の3労組を軸に韓米の訪日団とともに11・6労働者集会の成功をかちとった。自国政府打倒と労働者国際連帯を貫く階級的労働運動の胎動は始まっている。

安保3文書-大軍拡予算粉砕、岸田打倒の巨大な反戦闘争を、ここからつくり出していこう。官邸・国会を怒りで包囲し、実力で戦争を阻止する闘いを切り開こう。