関西のたたかいの中から 学校民営化を粉砕し、戦争止める教育労働運動を

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0352号10/01)(2019/07/01)

関西のたたかいの中から!
学校の民営化を粉砕し、戦争止める教育労働運動を作り出そう!

(写真 5・24大阪市役所包囲デモ)

赤田 由行(大阪労組交流センター・自治体労働者)

 5月24日、改憲戦争阻止、関西生コン支部弾圧粉砕、教育の民営化と学力テスト攻撃粉砕を掲げ、大阪市役所包囲デモを行いました。集会当日に向けては、総力で駅前街宣、各職場へのビラ撒きを行い、教育労働者の仲間は精力的に学校分会回りを行いました。街頭でも学校でも、多くの労働者が積極的に署名に応じてくれ、討論になりました。

教育民営化を押し返し続けてきた教育労働者の団結

 集会に向け、学校の民営化の実態についての学習会を行いました。ここで見えてきたことは、1995年に日経連の「新時代の日本的経営」が出されてからずっと続いてきた教育の民営化攻撃を、労働者の闘いが押し返し続けてきたということです。
 「新時代の日本的経営」では大量の非正規雇用を生み出すことが方針化されました。まさにこの時期、学校選択制、小中一貫校が制度化されました。
 この手先として、まず登場したのが石原都政でした。しかし、「日の丸・君が代」強制に対する数百人の不起立闘争がこれを迎え撃ち、教育労働運動根絶という狙いは打ち砕かれ、杉並区や江東区では学校選択制の撤回をかちとりました。
 これに資本家が大打撃を受ける中で登場したのが、橋下徹でした。2008年に大阪府知事に当選し、2011年に大阪市長に当選した橋下は、すぐさま私立高校の無償化、学校選択制、統廃合などで学校つぶしの攻撃を開始しました。安倍政権が国家戦略特区法を成立させると、すぐ橋下はそれに名乗りをあげました。今年4月、国内初の公設民営学校「水都国際中学・高校」が開校しました。
 特に生野区では「生野西部地域教育特区構想」として、学校を全て小中一貫校にし、小学校12校を4校に統廃合する攻撃が始まっています。
 しかし、現場では、大阪市教組の沼田祐子さんの「君が代」不起立闘争を先頭に、職場の団結に人生をかけた現場労働者の闘いが立ちはだかり、市役所前では橋下打倒集会が全国結集で闘われるなど、現場労働者を鼓舞激励し、団結を守り抜いてきました。
 どんな制度を作ろうとも教育労働者の団結を潰せない状況に焦った吉村市長が、教職員を競争させて団結を破壊し、労働組合を根絶しなければならないと、ついに学力テスト結果を賃金に反映しようという大暴挙に出たのです。
 学力テストは、小中学校を一気に民営化するための労組破壊攻撃です。そして、民族教育、解放教育など、教育労働者が地域と一つになって闘いとってきたものを全て奪い、金儲けになる教育、お国のための教育に置き換えようとしています。
 しかし今、現場労働者、市民の怒りに包囲され、吉村市長は結局学力テストの攻撃を現場に貫徹できていません。現場の怒りと団結が押し返しているのです。

学力テストは戦争と一体

 生野区では、統廃合後の学校の跡地利用計画として、「防災」が叫ばれています。学校だけでなく、街そのものの更地化により、政府・資本による差別政策の中で、在日の仲間たちが生き抜くために作り出してきた団結、在日と日本人が共に生きるなかで作り出してきた団結を、根っこから破壊し、戦争政策に動員しようという攻撃です。
 勤評反対闘争は、朝鮮戦争の休戦直後に組織され、総評全体に大きな影響を与えました。これは今も同じです。学力テストで教育労働者の団結を解体した後に戦争が始まるのではなく、すでに戦争情勢に突入しているということです。しかし今、私たちの学力テスト絶対反対の闘いが、すでに戦争の開始を押しとどめているということです。
 「私たちの背後に、数万の労働者市民がいる」「職場と地域を一体で組織するイメージが見えてきた」。これが学力テストに対する闘いの中でつかんだ実感です。戦争反対、民営化絶対反対、ストライキで闘おう、と教育労働者が団結して闘った時に、アメリカUTLAストライキのような闘いを実現できる情勢です。
 「改憲・戦争阻止!教え子を再び戦場に送らない!広島教職員100人声明」と共に、教育労働運動を甦らせる闘いを担っていきたいと思います。

教育をめぐる動き

1995年 「新時代の日本的経営」
1996年 東京都足立区で始めての実質的な学校選択制が導入
1998年 「学校教育法改正」小中一貫校が法制化
2000年~ 石原都政における学校選択制、一斉学力テストの開始
2002年 「小学校設置基準」「中学校設置基準」の法制化
「さまざまな教育機会を提供する観点から、私立学校を設置しやすくするために、小・中学校の設置基準の策定を定める」(中教審第二回総会2001年)
2002年 「教育特区制度」(構造改革特区制度)申請・認可されれば株式会社立・NPO法人立の学校が認められる。
2006年 教育基本法改正
2007年 全国学力テストの開始
2008年 東京都江東区が学校選択制を廃止 (2012年東京都杉並区、前橋市、長崎市も廃止)
2011年 橋下徹市長当選
2011年 私立高校を無償化、高校の学区を撤廃(大阪府)
2012年 教育基本条例を制定(大阪市)
2012年 大阪府立学校条例 3年連続定員割れの学校を「再編整備の対象とする」と明記
2012年~「やたなか小中一貫校」「小中一貫校むくのき学園」など部落解放運動の拠点を皮切りに学校統廃合を開始
2013年 政府が学力テストを抽出式から悉皆式(全員)に
2013年 小中学校に学校選択制を導入(大阪市)
2013年「日本再興戦略Japanis Back」「少なくとも特区において、(公立学校運営の民間開放)を柔軟に行うことについて、速やかに検討を開始し、できるだけ早期に結論を得る」(インターナショナルスクールの設置、国際バカロレア取得可能な高校、中高一貫校の設置)
2013年 国家戦略特区法成立
2013年 大阪市が国家戦略特区にノミネート(大阪市)
公設民営学校設置を方針化「産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に寄与することができる人材の育成の必要性に対応するための教育を行う」
2015年5月 都構想住民投票
2015年7月 生野西部地域教育特区構想
2015年12月 橋下市長辞任
2016年 「小中一貫教育制度導入に係る学校教育法等の一部を改正する法律」「義務教育学校」が一つの学校種に指定
2016年 「義務教育の段階における普通教育の多様な機会の確
保に関する法律」「個別学習指導計画」を市町村教育委員会に提出、認定されれば義務教育として認められ公費負担されるようになる