戦時下の労働組合つぶしを許さない! 関西生コン支部・湯川裕司委員長に対する実刑4年を徹底弾劾する! 

(写真:判決公判を前に決意を語る湯川委員長)

全日建運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(略称:関生支部)に対して、2018年以来、組合員や経営者らのべ89名が逮捕される戦後最大の労働組合への大弾圧が仕掛けられてきました。「罪」とされたものは当たり前の労働組合活動で、大阪ではストライキが威力業務妨害、京都では労働争議の解決金として労使合意の上で受け渡された金銭が恐喝、和歌山では組合事務所に元暴力団員を差し向けた経営者に対する抗議行動が威力業務妨害・強要とされました。

そして、3月2日に判決を迎えたコンプライアンス事件は、企業に法令遵守を求める活動が問題とされ、威力業務妨害や恐喝未遂・恐喝として刑事事件にでっち上げられたものです。

コンプライアンス活動とは、組合員が工事現場に赴き、現場における法令違反や危険行為について指摘を行い改善を促す取り組みのことです。検察は起訴状で「軽微な不備に因縁をつけ、その対応を余儀なくさせて、そのかん、業務を中断させる嫌がらせを繰り返した」と表現していますが、いずれも法令違反であり重大事故につながりかねない事項もふくまれます。このような取り組みは古くから様々な労働組合が工事現場で取り組んできたもので、刑事事件にされるようなものではありません。

関西、全国から支援の仲間が結集

公判闘争には、関生支部の組合員、動労千葉、港合同をはじめ、東京、関西、徳島、東海からも仲間が駆けつけました。大阪広域協組も全工場に動員をかけ、双方合わせて300名以上が傍聴券に並びました。

開廷をまえに、大津地裁前で関生支部の主催で集会が行われました。公判に先立ち、関生支部湯川裕司委員長が発言にたち、「コンプライアンス活動が犯罪か! こんなことが有罪なら労働組合は何もできなくなる」と弾劾し、「たとえ厳しい判決が出てもそれですべてが終わるわけではない。長い闘いになるが支援をよろしくお願いします」と訴えました。

連帯の挨拶にたった「関西生コン労働組合の弾圧を許さない東京の会」代表の山口弘宣さん(JAM日本機械工業労働組合委員長)は「こんな弾圧を許してはならない。自分の組合でも会社に対してストライキやビラまきをして闘っている。この弾圧を許せばこれらすべてが犯罪になる。いま、岸田政権は戦争に向かっている。ウクライナ戦争から中国への侵略戦争を行おうとしている。戦争の時代の中で労働組合が弾圧されている。戦前の歴史を繰り返してはならない」と訴えました。

さらに、動労千葉の関道利委員長は、「こんなことが裁判になること自体がおかしい。さらに検察側の湯川委員長に対する求刑8年は許せない。動労千葉の裁判でも反動判決が出されている。また、動労千葉と『車の両輪』として闘ってきた三里塚反対同盟に対しても農地強奪の強制執行が行われた。国家の不当弾圧を許さず闘おう。動労千葉は港合同、関西生コン支部と25年にわたって11月労働者集会を開催してきた。闘う労働組合のネットワークを作ろうと闘ってきた。無罪を勝ち取るべくともに闘う」と発言がありました。

労働組合活動を犯罪にするな! 闘いをさらに広げて完全無罪を勝ち取ろう

13時15分から公判が行われましたが、裁判長は主文の読み上げを最後に回し、判決理由から読み上げました。公判開始から3時間ほどがたった時点で公判を傍聴していた仲間から「不当判決」の一報が届き、関生支部の坂田副委員長が判決の内容を怒りを込めて報告。湯川委員長には実刑4年、A組合員には懲役3年・執行猶予5年、B組合員には懲役2年6か月・執行猶予4年、C組合員には懲役2年・執行猶予3年、D組合員には懲役1年・執行猶予3年、E組合員には懲役2年・執行猶予3年の不当判決が下されました。全員が有罪とされる極めて不当な判決です。坂田副委員長は、「裁判所は検察の主張を丸のみし、労働組合活動を犯罪とみなした。労働運動史上あり得ない反動判決だ」と判決を徹底弾劾しました。

裁判後の判決報告集会には会場いっぱいの組合員、支援者が結集しました。弁護団は直ちに控訴し、無罪判決を勝ち取るまで闘うことが報告されました。当該組合員からも「労働組合が弱体化すると戦争につながる。私は負けません。仲間を必ず奪還する」との決意が表明されました。集会のまとめで全港湾大阪支部の小林勝彦委員長は「今回の判決は本当に悔しい。闘いをもっと広げよう。労働者がもっと声を上げよう」と呼びかけました。

私たちも今回の判決を徹底弾劾し、勝利まで共に闘います。