労働者の力で戦争とめよう! 自治労第97回定期大会にむけて訴える

(写真は、7月17日に原爆ドーム前で行われた自治体労働者の反戦デモ)

全国労組交流センター自治体労働者部会は、5月G7広島サミット直前の4月30日に続き、7月17日、広島において8・6ヒロシマ大行動実行委員会の協力を得て、「核戦争阻止!広島ビジョン弾劾!自治体労働者は戦争協力を拒否しよう!7・17自治体労働者総決起集会」を開催し、原爆ドーム前からデモを行いました。
軽快な太鼓のリズムに合わせた「戦争とめよう岸田をたおせ」「広島サミット粉砕したぞ」「核戦争許すな」「自治体の戦争協力拒否しよう」「今こそ労働組合必要だ」のコールが広島の街に響きわたりました。立ち止まって拍手する人、デモ隊の横を一緒に歩いていた女性からは、別れ際に「ありがとう!ごくろうさま」の声をかけて頂きました。
集会では、5月広島サミットを経て、ウクライナ大統領ゼレンスキーが対ロシア「反転攻勢」の開始を宣言してから一か月、戦争は果てしなく激化し、劣化ウラン弾やクラスター爆弾まで使われようとしている情勢を徹底弾劾し、今こそ自治体労働者と労働組合が「戦争絶対反対の労働組合の必要性」を確認し、全国各地の自治体職場での闘いを共有することができました。

サミットを前にした組合定期大会でこれまで掲げていた「反核・脱原発」と「非正規職の組織化」のスローガンを下ろし、それに反対した非正規職の副委員長を今度は執行委員会から排除するということが起きている自治労広島市労働組合からの報告は圧巻でした。「広島の労働組合が反核・脱原発の旗を降ろすことこそ戦争への道。執行部からの排除に反対する署名運動を開始し、組合員、非組合員問わず署名が集まっている。この力を拡大し、戦争に反対する労働組合に変えていく」と力強く報告されました。
セクハラ・パワハラと闘って組合から解雇・除名処分と闘っている奈良市従業員組合の仲間からは、高裁で解雇撤回の勝利判決を勝ちとり、戦争と民営化とたたかう労働組合にしていくたたかいの前進が語られました。
他の自治体でも広島や奈良と同じように、労働組合の定期大会宣言をめぐり、今起こっているウクライナ戦争の核心は「ロシアプーチンの戦争」なのか「アメリカNATOによる侵略戦争」なのか、自分たちは戦争に対しどういう立場を取るのか激しい議論になっている、あるいは定期大会での代議員の発言と執行部の答弁を当局に配慮し、組合ニュースから削除した執行部を弾劾した仲間を執行部から排除する攻撃に対し、労働組合を甦らせる会を結成し、退勤時処分撤回の署名を集め、すでに47筆が集まっていること、こども園廃園と闘って廃園を阻止した闘い、評価制度とのたたかいや現業新規採用の前進等々、戦争と対決する労働組合建設が、労働者の団結を総括軸にした闘いとして次々に報告されました。

戦争絶対反対 自国政府の戦争政策に反対しよう!

こうしたことは、自治体労働組合だけでなく、教育現場をはじめ全産別で起きているのではないでしょうか。岸田政権が直接ウクライナ戦争に参戦し、中国への戦争を準備しようとしていること、自国政府の戦争政策に労働組合がどう立ち向かうのかが核心問題であることが はっきりしたと思います。
昨年2月のウクライナ戦争開始以来、この戦争に対し一斉にロシア弾劾決議が全国の自治体で可決する中で、ほらぐちともこ杉並区議会議員が「ロシア弾劾決議に絶対反対」を貫いたように、労働組合の中でもこのことが鋭く問われているのではないでしょうか。私たち一人一人がこの立場を貫くことで戦争を止める力になると思います。

労働組合の現場で起きているこの分岐は、国鉄分割・民営化で総評をつぶし生まれた労働組合=連合が、戦争の時代に突入する中、戦争を進める岸田政権との一体化を進めている中で起きています。「反核・脱原発の旗をおろす」「当局と闘わない」「民営化と闘わない」「雇用を守るために原発推進する」「戦争反対など政治課題は闘えない」組合へとすべての事態が、戦争絶対反対か、自国政府の戦争政策とたたかうのか、するどく問われている中での分岐が起きています。

芳野友子連合本部は、23春闘において物価高騰下で一律大幅賃上げを要求するのではなく、政府にお願いし大手など一部のみが物価上昇分にも追いつかない賃上げでお茶を濁し、逆に格差を拡大させました。それだけではありません。芳野会長はGX会議に参加し、「雇用」を訴え、連合メーデーに戦争進める岸田を招き入れ、政権との一体化をますます深めています。その動きを最も悪質に支えているのが自治労本部と日教組本部です。実際に連合の清水事務局長は日教組出身、会長代行の一人が川本淳自治労委員長です。

自治体労働組合は第二次世界大戦の反省から、戦争に反対する組合として作られてきました。日本全国の反基地闘争、原発反対闘争、住民運動の先頭で闘ってきました。多くの先輩たちが砂川基地反対闘争や佐世保闘争などに決起してきました。今も沖縄へ、広島へ多くの組合員を組織しています。そうした戦争絶対反対の立場を自治労は貫くべきです。

自治労第97回定期大会(北海道大会)が8月28日から30日まで函館で開催されます。今大会は自治労が岸田政権の戦争政策と対決したたかう労働組合としてよみがえる道に向かうのか、戦争翼賛勢力になってしまうのかがかかった重大な大会です。
全国労組交流センター自治体労働者部会は、北海道労組交流センターとともに、参加する全国の代議員に「戦争絶対反対」「原発絶対反対」「広島ビジョン弾劾」を訴えていきます。

北島一恵(自治体労働者部会)

『月刊労働運動』23年8月号掲載