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動労水戸 ライフサイクル攻撃に、青年の怒り爆発!會澤組合員先頭に1・4ライフサイクル粉砕ストライキ決起!

月刊『労働運動』34頁(0311号06/01)(2016/02/01)


動労水戸 ライフサイクル攻撃に、青年の怒り爆発!
會澤組合員先頭に1・4ライフサイクル粉砕ストライキ決起!


石井 真一 (動労水戸委員長)
 JR東日本では2008年から、ライフサイクルの深度化(駅→車掌→運転士→駅)という攻撃が実施されています。この制度はJR東日本資本とJR東労組との「覚書」のみを根拠にしたもので、就業規則にすらありません。実施以来、すべての青年運転士の怒りの的になっています。「ライフサイクルの深度化」とは、駅員から車掌勤務を経て運転士となった青年労働者を、定年を迎えた駅員の大量退職の穴埋めとして、さらには現時点では外注会社に委託できていない駅輸送職(駅ホームの保安業務)の要員を、駅業務の全面外注化の過程で一時的に充当するための策として、JR関東7支社(東京・八王子・横浜・大宮・高崎・千葉・水戸)の全ての平成採(国鉄分割・民営化後のJR採用社員)運転士のみを対象にして、原則として「40歳までの3年間の駅勤務」を強制するもので、要員事情で戻れない場合もあるというものです。
 この制度に絶対反対を訴えてきた會澤憲一組合員に対し、12月28日、JR大子運輸科・科長が「水戸駅に行ってくれないか」と打診してきました。動労水戸は、拒否を宣言した會澤組合員へのライフサイクル強制配転を阻止すべく、年明けの1月4日に第2波ストライキに決起しました。
 当日は午前中の大子運輸科抗議行動に続き、勝田運輸区・水戸駅前での街頭宣伝を打ち抜き、JR水戸支社前での抗議行動で1日の闘いを締めくくりました。この日の闘争には動労総連合の仲間をはじめ関東・東北から100人を超える支援の仲間が駆けつけ、強制配転阻止の闘いを共にしました。
 今回の抗議行動の中で會澤組合員の後輩である羽部組合員は、駅の輸送職の要員問題は、「駅員を着実に育てること」「希望者を募れば何の問題もない」「駅への公募制度があるのに、なぜライフサイクルだけ強制なのか、全く納得できない」と怒りを込めて批判しています。
 昨年12月の水戸支社との団交で会社は、「ライフサイクルによる目に見える成果は示せない」「レベルが向上しているとは言えない」と発言しました。さらに、ライフサイクルの建前であった「運輸のプロの育成」ということについては、「全員が『プロ』にならなくてもいい」という驚くべき発言まで飛び出しました。首都圏では対象者を前にして「君たちは『運輸のプロ』ではない、駅員の穴埋めだ」と言い放った管理者がいるといいます。運転士から駅員への配転は手取りで月15~20%の減収をもたらし、遠隔地への配転も強制されています。絶対に粉砕しなくてはなりません。
 1・4ストライキ闘争に決起した會澤組合員の「私は自分が駅に行きたくないから反対しているわけではない。ここで闘わなければ後輩たちがライフサイクルでまた配転される。嫌なことは嫌だと言える、そういう社会にするために、子や孫のためにこの制度を廃止するまで闘う」という訴えは、動労水戸・動労総連合の30年にわたる闘いを自らが継承するという戦闘宣言です。同時に、あくなき利潤追求のために自らの施策によって鉄道会社としての崩壊を遂げているJR資本と、青年労働者の未来までも資本に売り渡して生き残ろうとするJR東労組幹部への根底的批判です。
 外注化・非正規職化こそが、職場における技術継承や協働に対する最大の攻撃であり、だからこそ絶対反対の闘いが労働者の世代を超えた決起を引き出します。東労組の幹部が「先輩面」をして言うような「出向など俺らがやったんだからお前らもやれ」という「屈服の継承」の強制を青年の誰もが見抜き、怒りをたぎらせています。
 「子どもや孫たちにひどい社会しか残せない大人だったら、かっこ悪すぎるじゃないですか」という會澤組合員の訴えがありました。以前水戸駅で、動労千葉最高裁署名街宣の際に出会った年配女性から、「戦前の国鉄で車掌をやっていた父親が管理者から『復員したら昇進間違いなし』と言われてビルマに行き、骨すら戻って来なかった」という話がありました。外注化・非正規職化、被曝労働の強制など、資本の下で進められようとするあらゆる攻撃のすぐ先には戦争という時代です。黙って従っていたら殺されてしまうのです。東労組は「反対ばかり言っていても何も進まない」と言います。しかし、私たちは絶対反対の闘いを通して労働者階級が団結し、新しい社会を生み出すことを目指しているのです。体制内が言うような「民主主義を守れ」ではない。団結の力のみに依拠してとことん闘ったその先
にあるものを掴もうということです。
 動労水戸第34回定期大会は30年の闘いの到達地平としての青年労働者の組織拡大の意義を確認し、かつてない高揚を組合員が共有した素晴らしい4時間の提起・討論となりました。翌1月18日、會澤組合員に対するライフサイクル強制配転の「事前通知」が出されました。闘いは終わりません。むしろこれから巨大に発展していきます。
 2016年の闘いの火ぶたは切られました。全国に動労総連合を建設し、JR体制を根底からひっくり返す、動労水戸はその先頭に立つ決意です。