月刊労働運動-Home> 地平線 > | 連載 >

■地平線―4・13外登法・入管法と民族差別を撃つ全国交流集会―分断を打ち破り、労働組合に結集し闘おう!

月刊『労働運動』34頁(0290号09/01)(2014/05/01)



■地平線

―4・13外登法・入管法と民族差別を撃つ全国交流集会―

分断を打ち破り、労働組合に結集し闘おう!


 25回目を迎えた「外登法・入管法と民族差別を撃つ全国交流集会」が横浜市開港記念会館で開かれた。
 安倍政権は外国人技能実習制度で、2020年まで期限付きで外国人建設労働者を受け入れ、50年間毎年20万人の移民を受け入れる等々、外国人労働力導入・移民政策を改編しようとしている。外国人労働力導入政策が、日本人労働者をはじめ全労働者の非正規化攻撃と表裏一体の攻撃であり、分断を打ち破り、在日・滞日外国人労働者との団結を作り共に闘う方針を明確にした集会となった。
 集会は、全学連の内田しをりさんとビルマ民主化活動家Hさんの司会で始まった。ふくしま合同労組、在本土沖縄労働者会議からのアピール。
 実行委員会を代表して牛久収容所問題を考える会の田中喜美子さんが基調報告。3月末に牛久入管収容所で相次いで被収容者が亡くなったことを暴露し、東京オリンピックのインフラ建設への外国人労働力導入とそれをテコにした全労働者の非正規職化、さらに愛国主義・排外主義の全面化攻撃を打ち破る力は、労働者が労働組合で団結して闘うこと、国際連帯の闘いにあると提起し、団結を呼びかけた。
 続いてジャーナリストの安田浩一さんが講演。研修生が置かれてきた現実を鋭く暴露した。さらにヘイトスピーチへの怒りを込めて、「外国人問題とは外国人労働者問題であり、排外主義・ヘイトスピーチは地続きの問題。醜悪な政策に彩られた国内問題だ。この社会を変えていかなければならない」と結んだ。
 民主労総ソウル本部からは新たに副本部長となったイヒョンチョル氏が登壇、鉄道労組に対する報復弾圧をはねかえし、鉄道労組前委員長ら2名が鉄塔の上で籠城していることを報告、人間の尊厳をまもるため新自由主義、民営化に反対しようと訴えた。
 集会後半は「すべての難民、仮放免者に無条件の在留を!」としてクルド人やビルマ人、中国人の当該が登場、仮放免者の会、SYI(収容者友人有志一同)など支援グループが次々に登壇、日本の入管行政の問題点を批判。
 続いて「労働組合で団結しよう!」。神奈川・湘北合同労組の小林利行委員長は「外国人労働者の実態は外国人研修生と同じ。今年3月に外国人部会を組織し、部会として労働運動をやっていくことを決定した」と報告。5人の外国人組合員が「労働者の権利のために闘おう」と訴えた。
 茨城地域連帯労組は辻川あつ子委員長とともに外国人組合員が登壇。韓国人男性は「国境を越えて団結しよう」、バングラデシュの男性も「みんな地球人だ。沖縄も福島も根っこは同じ、新自由主義だ」と喝破した。小竹運輸グループ労組の植田書記長もともに登壇し、決意を明らかにした。
 最後は動労千葉の田中康宏委員長。「社会の不正に心から怒って団結した力を集めるのが労働運動。ヘイトスピーチの映像、あれをやっているのは実はこの国の政府だ。外国人だけの問題ではなく、すべての労働者の問題だ。国鉄分割・民営化から始まった新自由主義、30年にわたる労働者への全面戦争、収奪と差別・抑圧、国家主義、そのすべてを変えることを求めて6月8日に集会を開きます。労働者はひとつ、ともに団結して闘おう!」と訴えた。