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11・2全国労働者総決起集会に5700人が結集!

月刊『労働運動』34頁(0297号02/01)(2014/12/01)

11・2全国労働者総決起集会に5700人が結集!


 11・2全国労働者総決起集会は東京・日比谷野外音楽堂に5700人を結集して圧倒的に高揚した。集会は、1047名解雇撤回と民営化・外注化・非正規職化阻止を軸に国鉄決戦に勝利し、戦争・改憲と原発再稼働の安倍政権を打倒する熱意と決意にあふれた。韓国、アメリカ、ドイツの労働者を迎えての集会は、国境を越えた国際連帯の力を示し、全国の職場での資本との攻防が力強く報告され、階級的労働運動再生の展望が開かれた。「全国に動労総連合を」の闘いが始まった。集会後のデモは都心を揺るがし、安倍打倒のコールが響き渡った。

●3労組が国鉄闘争の決意

 集会を呼びかけた3労組の各代表が発言した。全国金属機械労組港合同の中村吉政委員長、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋執行委員、動労千葉の田中康宏委員長が鮮明な決意を述べた(別掲)。

●連帯の挨拶

 三里塚芝山連合空港反対同盟の市東孝雄さん、「許すな改憲!大行動」代表呼びかけ人の鈴木達夫弁護士、「星野さんをとり戻そう!
全国再審連絡会議」の星野暁子さんが連帯あいさつ。

●国鉄労働者の決意表明

 国鉄1047名解雇撤回へ、動労千葉争議団の中村仁さん、国労小倉闘争団の羽廣憲さんが最後まで闘い抜く決意を述べ、動労千葉弁護団の葉山岳夫弁護士が階級的労働運動の一環としての裁判闘争に勝利すると発言した。国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さんは「国鉄解雇撤回10万筆署名が労働者の結集力をよみがえらせている。国鉄闘争全国運動にとって来年は飛躍の年だ」と力強く訴えた。
 動労千葉の長田敏之書記長が「JRと外注先の労働者が一体となって闘うことで外注化を止める」と宣言。動労水戸の石井真一委員長は被曝労働強制と断固闘い、外注化を粉砕するときっぱりと述べた。国労郡山工場支部の橋本光一さんは「9・11郡山闘争の先頭に動労総連合の青年が立った。その決意に応える」と表明した。
 動労総連合の青年からは、動労千葉の北嶋琢磨青年部長、動労水戸の照沼靖功さん、動労西日本の山田和広書記長が発言に立ち「全国に動労総連合を組織しよう」と訴えた。

●韓国とアメリカから連帯

 韓国から駆けつけた27人の労働者が壇上に並んだ。民主労総ソウル地域本部のイチョンヒル副本部長は、「セウォル号惨事は資本の貪欲が生んだ人災・虐殺だ」と弾劾し、真相究明を求める遺族をも弾圧するパククネ政権への怒りをあらわにした。
 米ロサンゼルス統一教組のセシリー・マイアトクルス副委員長は、闘わない前労組執行部を打倒して執行部を握った闘いの教訓を語り、組合をつくり変え、教育民営化と対決する中で市教育長を辞任に追い込んだと報告。
 滞日・在日外国人労働者が勢ぞろいし、クルドの人びとが民族解放の闘いへの支援を熱烈に訴えた。

●改憲・戦争・原発反対へ

 改憲・戦争反対、反原発の闘いを代表し、止めよう戦争への道!百万人署名運動の西川重則事務局長、長崎被爆者・NAZENナガサキの城臺美彌子さん、福島診療所建設委員会の佐藤幸子さんが熱い思いと決意を語った。

●現場からの闘いの報告

 現場から東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の吉本伸幸書記長、大阪・高槻の植木団地労組を始め、教育労働者、解雇撤回を闘う沖縄の日本IBM・ビジネスサービス労組、関西生コン支部の武谷新吾書記次長、愛媛県職労、郵政非正規ユニオン、小竹運輸グループ労組、医療労働者、国鉄闘争全国運動・新潟、そして全学連の斎藤郁真委員長が闘いを報告した。
 集会ではさらに「集団的自衛権行使・憲法改悪反対労組声明」と「セウォル号惨事に関する決議」を採択した。
 参加者は解雇撤回・安倍打倒のコールを響かせて新橋―銀座―東京駅の都心デモに出た。沿道からは熱い視線が注がれ、声援が送られた。

■よびかけ3労組からの訴え

全国金属機械港合同 委員長 中村吉政

 11月労働者集会の原点は国鉄1047名解雇撤回闘争への反動判決がきっかけでした。
 国鉄分割・民営化がもたらしたのは人の命が軽視され、安全という言葉は後ろに追いやられた社会でした。その結果、尼崎事故をはじめ、事故の多発、もっとも象徴的なのはJR北海道の姿です。
 一方、「国鉄1047名の解雇撤回闘争」が、一括和解を乗り越えて国鉄闘争全国運動として継続してきたことの意義は計り知れず、全国各地で小さな労働組合が、この集会を力にして闘いを続けていることも事実です。関西でも10月17日、これまでの準備会から新たな全国運動の一翼を担う会として出発しました。
 大阪では、橋下市長による「不当労働行為」「団結破壊攻撃」と真っ向から闘ってきました。市長の政策はどれもうまくいっていませ
ん。橋下の横暴を許したら全ての労働者に悪影響をもたらします。港合同は、団結権を破壊するものとは断固として闘うのです。長年にわたり培ってきた官民連帯の地域共闘を軸にして闘いぬく決意です。

全日本建設運輸連帯労組 近畿地本 書記長 西山直洋

 労働者はいま最低限の権利さえ奪われようとしています。労働組合を無視し、労働者階級を分断し、資本家にとって有利な法律をつくる仕組みをつくり、行き着く先は労働者の戦争動員です。
 私たち関西生コン支部は、10月の定期大会で50周年を迎え新たな闘いをする体制が確立しました。現在、大阪では労働組合の再生を目指していくために、共闘労組と共同闘争できるための産別交流をスタートさせました。地域から全国に産別の闘いを広めていこうと考えます。
 資本家たちは民事上で攻撃(仮処分・個人損害賠償攻撃等)を多く仕掛けてきます。今こそあきらめないことです。労働者の最大の武器、団結と闘争で世の中を変えていく戦線を広げていかなくてはなりません。
 現在の社会情勢は私たちに闘いの条件を与えてくれています。今こそ労働組合が全国各地で非正規労働者の組織化と、外注化を阻止し国鉄1047名の解雇撤回を求める闘いを進めることを本集会参加者一人ひとりの課題として闘争を組織しましょう! 社会を変える主人公は私たちです。全国の闘う労働者・労働組合の団結を勝ち取り闘争しましょう。

国鉄千葉動力車労働組合 委員長 田中康宏

 第一に、私たちは国鉄1047名の解雇撤回をかちとるために、国鉄分割・民営化攻撃によって打ち砕かれたすべての労働者の団結と権利を奪い返すために、そして、戦争への道を阻止するためにここに集まりました。
 2010年4・9政治決着をのりこえて国鉄闘争の炎を守り抜いたこの5年間の闘いは日本労働運動に新たな1ページを開く闘いでした。戦後最大の争議となった1047名解雇撤回闘争をうみだし、「国鉄改革」の真実を暴いて、採用差別は不当労働行為であったことを認めさせました。
 第二に、外注化・非正規職化撤廃を勝ち取ろう。JRでは28年を経て民営化体制の全面的な崩壊が始まっています。鉄道の安全はもはや手の打ちようもなく崩壊し、分割したJRの4社で経営破綻がせまり、それが労組破壊攻撃、際限のない外注化攻撃となって職場に襲いかかっています。外注化粉砕に向けて、正規・非正規、本工・下請けの壁を越えてJR--CTSを貫く組織拡大を実現する決意です。今こそ民営化・非正規職化攻撃と闘う労働組合を産業をこえて、全国の職場に甦らせよう。 動労総連合を全国につくる決意です。
 第三に、戦争への道を許さぬために立ち上がろう。安倍政権は、憲法を踏みにじり再び戦争に突き進もうとしています。集団的自衛権関連法案を審議・決定する来年通常国会の過程は歴史の分岐点になろうとしています。安倍政権打倒へ闘う労働組合が必要です。闘う労働組合を全国の職場に甦らせましょう。